11万件超の見積もり地獄を脱却
属人化と入力ミスからの解放 アクティオが日本IBMと挑む「AIで調達自動化」
建設機械レンタルのアクティオは、日本IBMの支援によってAI技術を活用した調達業務の自動化に着手した。年間11万件を超える都度見積もりの処理という過酷な業務負荷と属人化を、どのように解消するのか。
建設機械レンタル大手のアクティオは、2025年夏から日本IBMの支援の下で進めてきた取り組みとして、AI技術を活用した調達業務の高度化に着手したことを発表した。見積もり書の確認から調達システムへの発注情報登録までの一連の業務を、判断プロセスを含めてAI技術で自動化する仕組みの構築を進めている。2026年9月を目標に、都度見積もりによる間接材調達業務への適用を開始する予定だ。
アクティオでは全国規模での事業展開に伴い、年間約23万件に上る間接材調達が発生しており、その半数を都度見積もりが占めている。従来は担当者が取引先ごとに異なる形式の見積もり書を確認し、手作業でシステムに入力していたため、業務負荷の増大や入力ミス、確認漏れが大きな課題となっていた。値引きや送料などの条件確認をはじめとするガバナンスの強化も急務となっていたことから、同社は調達プロセス全体の抜本的な再設計に踏み切った。
新たな仕組みによって、年間11万件を超える都度見積もりはどのように処理されるのか。判断基準を統一し、属人化を解消するためのプロセス再設計の全容に迫る。
“担当者依存”の限界をどう超えるのか
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AI技術による調達の自動化
アクティオが構築した新たな調達自動化システムは、アプリケーションの稼働インフラとしてIBMが提供するクラウドコンピューティングサービス「IBM Cloud」を採用している。この取り組みの最大の特徴は、数千社に及ぶ取引先から届く多様な形式の見積もり書に対し、AIシステムが処理を実行する仕組みを構築した点にある。
具体的な業務プロセスとしては、およそ5分ごとにAIシステムが自動で見積もり書を読み込み、データの処理を継続的に実行する。取得された見積もり書データからは、品名、数量、単価、金額といった基本項目を自動抽出する。値引きや送料の有無といった複雑かつ複合的な条件の整合性についても、あらかじめ設定された統一基準に基づいてAIシステムが自動で確認を行う。
従来は、担当者が紙やPDF形式の見積もり書を目視でチェックし、個別の判断や転記を行っていた。これをAIシステムによる一連のワークフローとして一元化することで、確認から発注登録に至るプロセス間で生じていた人手による転記作業や二重チェックの負荷を大幅に削減できるようになった。
一方で、過度な自動化による統制不全を防ぐため、最終的な発注承認の権限は従来通り人が保持する運用スタイルを維持している。AIシステムによる統一基準でのスクリーニングと自動化を活用しつつ、重要な意思決定には人の判断を介在させることで、業務効率化と高いガバナンスレベルの維持を両立させている。
今回の導入は単なる作業の省力化にとどまらず、調達業務におけるデータの構造化と可視化という大きな変革をもたらした。従来は紙媒体やデジタルファイルとして社内に分散・埋没していた過去の取引実績や費用構造に関するデータを、一元的に蓄積・可視化するデータ管理システムを整備した。これによって、これまで個人の経験やノウハウに依存しがちだった調達判断を、客観的なデータ分析に基づいた意思決定に転換させることが可能になる。アクティオはこのデータを活用し、継続的な業務改善を推進する考えだ。
アクティオは2026年9月を目標に、本システムを都度見積もりによる間接材調達業務に適用する。今後は日本IBMの支援を継続して受けながら、AIシステムの活用範囲をさらに拡大させる方針だ。具体的には、蓄積された調達データを分析・活用することで、あらかじめ登録された品目から効率的に購入する「カタログ調達」への誘導を図る他、取引先となるサプライヤーの集約や、戦略的な費用削減施策の実行など、調達機能全体のさらなる高度化を目指す。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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