才能を組織の武器に変える評価と支援の形

満足度87%と28%を分ける「尊重」 情シスが人材を手放さない条件

発達障害を含む「脳の多様性」を持つ人材は、サイバーセキュリティ領域で卓越した能力を発揮する。しかし、評価や環境の不備で満足度が急落するリスクも高い。貴重な才能を死蔵させないための具体的な組織戦略を明かす。

 どの分野の従業員にとっても、自分が尊重されていると感じることと仕事への満足度との間には強い相関関係がある。

 公認臨床心理士で職場ニーズの評価者でもあるトレイシー・キング氏は、これが「神経系の問題」だからだと説明する。同氏自身も自閉症と注意欠如・多動症(ADHD)を抱えている。従業員が自分の価値を認められていると感じれば、目的意識が芽生え、自分が重要な存在で、組織の一員であるという実感が得られるという。

 これが安心感を生み、社会的なつながりを可能にし、提供された評価を素直に受け入れられるようになる。その結果、好循環が生まれるのだ。

 「だからこそ、目に見える形での評価が重要だ」とキング氏は指摘する。「これはパフォーマンスとしての称賛や、一時的に気分を良くさせるためのものではない。単なる形式的な管理業務でもないのだ」。

 そうではなく、従業員の神経系が十分に落ち着き、心から満足感を得られるような職場環境を作ることが目的である。

 ニューロダイバージェント(神経多様性のある人)の労働者にとって、この必要性は顕著だ。サイバーセキュリティの専門家を認定する国際的な非営利団体であるISC2の調査によれば、尊重されていると感じているニューロダイバージェントなサイバーセキュリティ専門家の仕事への満足度は87%に達した。しかし、そうでない場合は28%まで急落している。

 また、定型発達(ニューロティピカル)の人々の満足度は、尊重されていると感じる場合で85%、そうでない場合は39%だった。尊重されない場合の満足度の差は、ニューロダイバージェントな同僚よりも11ポイントも小さい。

目に見える評価の重要性

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