「SaaSのわな」からどう逃れるか

“脱SaaS”で年間1.6億円削減 フィットネス機器大手が挑んだOSS内製化の裏側

データ量増加によるSaaS費用の高騰は企業共通の課題だ。フィットネス機器大手のPeloton InteractiveはOSSを活用してデータインフラを内製化し、年間100万ドル以上の費用削減とデータ処理の高速化を実現した。

 事業の成長に伴い、システムが処理するデータ量が爆発的に増加することで、SaaS(Software as a Service)型データ管理ツールにかかる費用が高騰する――。フィットネス機器・配信サービス大手のPeloton Interactiveは、こうした課題に直面していた。

 Peloton Interactiveは肥大化する費用とベンダーロックインから脱却するため、エンジニアチームをけん引して大規模なアーキテクチャの刷新を断行した。ログ分析ツール「Splunk」や顧客データ管理ツール「Segment」といった出費がかさむSaaSの利用を見直し、データレイク、ログ管理、顧客データ管理という3つの主要システムを、オープンソースソフトウェア(OSS)ベースで自社構築したのだ。

 結果としてPeloton Interactiveは、ログ管理と顧客データ管理にかかる費用を即座に50%削減。企業全体で年間100万ドル(約1億6000万円)以上の費用削減を達成した。データ処理の遅延を解消し、本番データベースへの負荷を下げることにも成功している。

 既存のSaaSからいかにして脱却し、安定稼働する独自のシステムを構築したのか。その技術的詳細とアーキテクチャの全容を解説する。

費用対効果が見合わないSaaSからの脱却

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