拒否感はないが意欲は削がれる
“AIっぽい資料”を見抜く人が9割 見破られたコンテンツが招く商談機会の喪失
生成AIを用いた情報発信が広がる一方、B2B商材に対して「AI作成だ」と気付いた担当者の約半数が、問い合わせなどの行動を取りやめているという。なぜ好感度を保ちながらも購買行動はストップしてしまうのか。
B2B商材の比較検討や発注業務において、Webコンテンツは重要な情報収集手段だ。製品選定担当者は日々膨大な資料や記事に目を通し、自社に最適なサービスを探し求めている。そこに「AIらしさ」を感じた場合、担当者はどのような行動を取るのか。
エンジニア向け人材サービスを手掛けるTWOSTONE&Sonsは、「コンテンツのAIっぽさに関する意識調査」を実施した。調査期間は2026年6月26~29日で、B2B商材の比較検討・発注業務に携わる担当者110人を対象としている。
調査結果からは、業務効率化の代償とも言える事実が浮かび上がった。日常の業務において、9割の担当者がコンテンツに対して「AIが作ったものだ」と気づいており、その感知が具体的な行動のストップにつながっている実態が明らかになったのだ。
担当者はAI生成コンテンツの何を見透かし、なぜ重要な意思決定の直前で歩みを止めてしまうのか。調査結果の詳細から、情報が氾濫する時代のマーケティングにおける最適解を探る。
「AIっぽさ」は見破られている
日々の業務において、B2B商材の選定担当者は生成AIの存在を敏感に感じ取っている。調査対象となった110人のうち、業務上で目にする広告や営業資料などのコンテンツに対し、「これはAIが作ったものだ」と感じた経験が「何度もある」または「時々ある」とある担当者は合計で90.9%に達した。ほとんどの担当者が、情報の背後にあるAIツールの痕跡を見抜いている。
特にAI製だと感じやすいコンテンツの種類として、「動画広告、Web動画(AIアバター、自動生成ナレーションなど)」が59.1%で最も高く、「Web広告、バナー広告(生成AIによる画像やイラストなど)」が50.9%、「オウンドメディアの記事、コラム」が42.7%と続いた。テキスト情報だけではなく、視覚や聴覚に訴えかけるマルチメディアコンテンツにおいても、生成AIは容易に感知されている。
信頼感の維持と行動の抑制という矛盾
調査結果からは、AIらしさを感知した後の担当者の「心理」と「実際の行動」の間に見られる大きなギャップが見えた。
コンテンツを「AIが作ったものだ」と感じたとき、その内容への信頼や好感が「下がる」(「大幅に下がる」「やや下がる」の合計)と回答した割合は10.0%にとどまる。むしろ、「大幅に上がる」「やや上がる」の合計は71.8%を占めた。AIツールを活用していること自体に対する心理的な拒否感や不信感は、決して強くない。
しかし、具体的な行動となると様相が変わる。「これはAIが作ったものだ」と感じた際に取った行動を問うと、49.1%の担当者が「問い合わせや資料ダウンロードをする気がなくなった」と回答した。「競合他社の情報を調べにいった」が38.2%、「その企業・商材への興味が、なんとなく冷めた」が37.3%に上った。表面的な好感度や信頼感は維持されているように見えても、商談へとつながるアクションの直前で、担当者は無意識のうちに歩みを止めてしまっている。
担当者が見透かす「中身の薄さ」
なぜ、好感を持ちながらも行動は抑制されてしまうのか。その原因は、AIツールの使用そのものではなく、出力された情報の「質」にある。
担当者がAIっぽいと感じる要素として挙げたのは、「中身が薄く、調べれば分かる内容しか書いていない」が53.6%で過半数を占めた。次いで「整い過ぎていて、人の温度を感じない」が46.4%、「具体的な事例や固有名詞がなく、ふわっとしている」が36.4%となっている。
B2B商材の選定において担当者が求めているのは、一般的な概要やきれいに整えられただけの文章ではない。自社が抱える特有の課題をいかに解決できるかという、具体的かつ実践的な情報だ。誰でも手に入れられる情報を無難にまとめただけのコンテンツでは、比較検討候補になったとしても、最終的な発注や問い合わせという意思決定を下すための決定打にはならない。
逆に、コンテンツに「人間らしさ(独自性、体温)」を感じる要素としては、「一次情報や独自データなど、調べただけでは得られない中身がある」が59.1%、「書き手の熱量、人柄、温度感が伝わる」が47.3%となった。
効率化と独自性を両立する設計へ
情報が容易に大量生産できる現代において、他では得られない独自の情報や現場のリアルな声こそが、意思決定を後押しする強力な武器となる。調査では、コンテンツを「信頼できる」と感じる特徴として、「課題が直接関連しており『まさに自分のことだ』と思える」が57.3%、「ここでしか読めない視点や専門性がある」が50.9%に上った。
B2Bマーケティングにおけるコンテンツは、単なる情報の羅列ではなく、企業と担当者との対話の入り口だ。AIツールは制作プロセスの効率化や費用削減に大きく貢献する手段となるが、それを目的化してはならない。
担当者がコンテンツの送り手に望むAI活用の姿勢として、66.4%が「AI活用の有無を明示してほしい」と回答し、「AIに頼らず、人間の経験や視点を反映してほしい」が40.9%で続いている。AIツールを受け入れつつも、最終的なアウトプットには提供する企業ならではの付加価値が求められている。
今後のマーケティング戦略においては、定型的な情報発信や構成案の作成などの作業はAIツールで効率化しつつ、核となる部分には自社独自の視点や一次情報をしっかりと注ぎ込む設計が不可欠になる。最新技術の恩恵を享受しながらも、人の温度と専門性を感じさせるコンテンツを生み出せるかどうかが、企業の真の競争力を左右する。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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