「言った・言わない」問題からの脱却

オンワードHDの“コミュニケーション崩壊”を救った「Backlog」活用術

中国の大連工場のシステム刷新において、多国籍メンバー間のメール連絡による情報分散が課題となっていたオンワードHD。1拠点に導入した「Backlog」が、全社システムになるまで定着した背景とは。

 アパレル会社の持株会社であるオンワードホールディングス(以下、オンワードHD)は、グループ事業会社が展開する新ブランド「KASHIYAMA」立ち上げに伴い、プロジェクト管理ツール「Backlog」を導入した。

 新ブランドは、注文から最短1週間で顧客にオーダースーツを届けることを目標に掲げていた。この迅速な生産体制を実現するため、オンワードHDは従来の紙ベースの受注管理から脱却し、中国の大連にある工場の生産管理システムを刷新する「スマートファクトリー化プロジェクト」を始動させた。

 しかし、スマートファクトリー化プロジェクトには建設会社、ITベンダー、コンサルタント、現地の工場スタッフなど、多様な国籍と職種のメンバーが関与していた。そのため、従来のメール中心の連絡手法では情報が各所に分散してしまい、「誰がどの事項を確認したのか」「どの情報が最新なのか」が不透明になるという深刻な課題に直面していたのである。

 この状況を打破し、進行管理を一元化する仕組みとして採用したのがプロジェクト管理ツール「Backlog」だ。同ツールは工場DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進ツールとして成果を上げ、2026年7月時点ではグループ会社や社外のパートナー企業を含め、約800ユーザーが日常的に利用する巨大な情報共有システムとして定着している。

 1拠点のシステム刷新プロジェクトで採用されたツールが、なぜ全社横断の共通ツールとして定着したのか。その成功の裏には、属人化を排除する徹底した情報集約と、大規模運用に耐え得るセキュリティ統制の仕組みが存在した。

「言った・言わない」を防ぐ情報の一元化とノウハウの蓄積

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