既存のRHELを生かす選択
SMBC日興証券がOpenShiftを選んだ理由 仮想化製品の高騰にどう立ち向かう?
仮想化ソフトウェアのライセンス制度改定に伴い、インフラの維持費用高騰に悩まされたSMBC日興証券は、「Red Hat OpenShift」を用いた新インフラに移行した。約20%の費用削減を見込む選択の裏側とは。
SMBCグループのIT機能会社である日本総合研究所(日本総研)は、SMBC日興証券向けに構築、運用している仮想化インフラを全面的に刷新した。
SMBC日興証券は、社内で増加し続ける物理サーバの最適化を目的としてシステムの仮想化を推進し、営業店のフロントシステムをはじめとする主要な業務システムを稼働させてきた。しかし、利用してきたシステムのライセンス制度の変更に伴い、インフラ維持費用の増加が新たな経営課題として浮上した。将来的な費用負担を抑えるために、インフラの刷新に着手した。
新たなインフラとして採用したのは、仮想マシン(VM)実行機能「Red Hat OpenShift Virtualization」と、Dell Technologiesのサーバ「Dell PowerEdge」およびストレージ「Dell PowerStore」を組み合わせたシステム構成だ。これによって費用効率と拡張性を兼ね備えたインフラを実現し、従来構成と比較して、5年間で費用を約20%削減できる見込みだという。
ミッションクリティカルな金融システムにおいて、なぜこの組み合わせが最適解となったのか。既存インフラからの大規模移行を成功に導いた、技術的な選定理由を探る。
既存OSとの親和性が大規模移行の鍵に
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Red Hat OpenShift活用事例
日本総研が新たな仮想化インフラにRed Hat OpenShift Virtualizationを採用した最大の理由は、既存システムとの親和性の高さにある。
旧システムのサーバOSには、企業向けの「Linux」ディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)を広く使用していた。そのため、同じRed Hatの技術体系に根ざしたRed Hat OpenShift Virtualizationへの移行は親和性が高く、現場のエンジニアが蓄積してきた運用ノウハウやナレッジをスムーズに共有できる利点があった。
新インフラのベースとなる「Red Hat OpenShift」は、コンテナの管理・運用を担う管理ツールだ。Red Hat OpenShift Virtualizationは、Red Hat OpenShiftでコンテナとVMを一元的に実行・管理できるようにする機能拡張だ。これによって従来の仮想化システムからのスムーズな移行態勢を整えた。
移行においては、VMを効率的に移行するための専用ツール「Migration Toolkit for Virtualization」(MTV)を活用した。MTVを用いることで、証券業務に関わる大量のVMを一括移行でき、円滑に作業が進むと判断された。
スケーラビリティとCSIドライバによるコンテナ連携機能
インフラを構成するストレージの選定においては、コンピューティングリソース管理の自由度とオープンソース技術への適合性を重視した。
Dell PowerStoreは、スケールアップおよびスケールアウトの両方に対応するアーキテクチャを備えている。これによって、初期導入時はスモールスタートで投資を抑えつつ、将来的なデータ要件の増加に対しても拡張を両立できる構成とした。ハードウェアが持つ高効率な圧縮および重複排除機能を活用することで、増大する金融データに対しても、限られたストレージリソースを有効に活用できる点が評価された。
Red Hat OpenShiftの運用において重要となるのがストレージの連携機能だ。Dell PowerStoreは、Red Hat OpenShiftなどのコンテナ管理ツールで外部ストレージを利用するためのCSI(Container Storage Interface)ドライバを提供しており、Red Hatによる公式認証とベンダーサポートの対象になっている。この適合性の高さが、高い安定性が求められる証券業務システムを支えるインフラとして採用を後押しした。
円滑な移行プロセスとコンテナ一元化による今後の展開
インフラ構築および移行プロジェクトに当たっては、事前検証用の実機を活用し、稼働検証や移行テストを行うことでスムーズな導入を進めた。
日本総研の証券基盤データセンター本部 副本部長である木村信哉氏は、今回の刷新について、旧仮想化インフラにおける大幅な費用上昇という難題を無事に解消できたと評価している。今後の展望として、日本総研は今回構築した仮想化インフラと、稼働しているRed Hat OpenShiftコンテナの連携および融合を進める計画だ。コンテナとVMを同一管理ツールで扱うことで、アプリケーションのモダナイゼーションをさらに加速させる狙いがある。
仮想化インフラの維持費用増やライセンス体系の変更は、企業にとって共通の課題となっている。SMBC日興証券における今回の事例は、可用性が求められる金融機関のインフラ刷新における選択肢を示すものだ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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