管理職が重視すべき「AIに代替できない力」
生成AIで部下からの質問は減ったけれど 管理職調査で見えた新たな課題
ジー・ブーンは、生成AIを業務利用する部下を持つ管理職310人のマネジメントに関する調査結果を発表した。調査結果からは、生成AI活用が進んだ後、管理職として注力すべき取り組みが浮かび上がった。
生成AIの業務活用が広がる中、人間の管理職には何が求められるのか。ジー・ブーンは2026年8月18日、「AI時代におけるチームマネジメントに関する調査」の結果を発表した。
調査は2026年7月26~27日、生成AIを業務に活用している部下を持つ20~50代の管理職310人を対象にインターネットで実施した。調査結果からは、生成AIによって部下が自力で解決できる仕事が増える一方、AIへの依存や思考力の低下、情報管理など、新たなマネジメント課題も浮かび上がった。
管理職が注力すべき取り組み、第1位は?
「生成AIが業務に活用されるようになった今、管理職として注力すべきと考えている取り組み」を尋ねたところ、最も多かったのは「AIには代替できない創造性や人間力の育成」で40.6%だった。
第2位は「ファクトチェックや情報漏えい防止などのリスク管理」で35.5%。3位は「AIを前提とした業務プロセスや評価制度の見直し」と「メンバーのAI活用スキルの向上とリスキリング支援」で、いずれも31.9%だった。
AIを使うスキルそのものだけでなく、AIでは代替しにくい能力を伸ばすことや、AIの利用を前提に業務や評価の仕組みを作り替えることを重視する管理職が一定数いることが分かる。
こうした傾向は、「生成AIがさらに進化し、業務活用が浸透しきった後に企業の生産性を左右するもの」を尋ねた結果にも表れている。
回答の第1位は「AIには代替できない創造性やアイデアの創出」で42.6%。その次に「AIの出力を適切に評価・統制する力」(35.5%)、「人間ならではの対人コミュニケーション」(34.8%)が並んだ。
生成AIを使って仕事を速く処理するだけではなく、AIの出力を吟味する力や、新しい発想を生み出す力、人とのコミュニケーションといった能力が、生産性を左右すると考える管理職が多いようだ。
生成AI活用で「部下の質問が減った」は20.3%
生成AIは、管理職と部下のコミュニケーションにも変化をもたらしている。
「生成AIが業務に活用されるようになってから、直属の部下からの質問や相談の量に変化はあったか」という質問では、「変わらない」が60.3%で最多だった。
一方、「やや減った」は17.4%、「大幅に減った」は2.9%で、合わせて20.3%となった。約5人に1人の管理職が、生成AIの活用後に部下からの質問や相談が減ったと感じていることになる。
調査結果からは、質問や相談の「内容」にも変化が見られることが分かった。「直属の部下とのコミュニケーションの質や内容にどのような変化を感じるか」尋ねた設問では、「AIの回答に依存した画一的な提案や報告が増えた」が32.3%で最多だった。
次いで「初歩的な質問が減り本質的な相談が増えた」が27.1%、「特に変化は感じない」が25.2%だった。
生成AIによって、これまで上司に尋ねていた基本的な疑問を部下自身が解決しやすくなった一方、AIの回答をそのまま持ち込むような提案や報告が増えるという別の課題も生じていることがうかがえる。
最大の課題は「部下の過度なAI依存や思考力の低下」
では、生成AIの普及によって、管理職はどのようなマネジメント上の課題を感じているのか。
最多だったのは「部下の過度なAI依存や思考力の低下」で30.3%だった。「メンバー間のAI活用スキルの格差」と「機密情報の取り扱いなどコンプライアンス管理」が、ともに30.0%と続いた。
生成AIの導入後に管理職が目を配るべき対象は、単なるツールの利用方法にとどまらない。AIの回答を無批判に受け入れていないか、メンバーごとの活用能力に大きな差がないか、機密情報を外部の生成AIサービスに入力していないかといった、個人と組織の双方にまたがる管理が必要になる。
生成AIの普及によって、従業員が自分で処理できる仕事が増えれば、管理職が細かな質問への回答に費やす時間は減る可能性がある。その一方で今回の調査からは、AIに任せる部分が増えるほど、管理職には「AIをどう使わせるか」だけでなく、「AIに任せない能力をどう育てるか」という役割も求められていることが見えてくる。
本稿は、ジー・ブーンが2026年8月18日に公開したプレスリリースを基に作成しました。
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