AI×担当者の知見で需給管理を最適化
ベテラン依存から脱却 モスバーガーがAIとSaaSで実現する受発注DXの中身
Hacobuは、モスフードサービスがAI発注・輸送最適化サービスを導入したと発表した。サービス導入の背景には、属人化からの脱却や知見の継承といったテーマがあった。
物流DXを専門とするITベンダーHacobuは2026年9月7日、モスフードサービスがHacobuのAI発注・輸送最適化サービス「MOVO PSI」を導入したと発表した。サプライチェーン基盤の刷新にあわせ、担当者の知見とAIを組み合わせた需給管理体制を構築した。サプライヤーとの情報共有を前倒しすることで、欠品リスクを抑制し、加盟店への安定供給とサプライチェーン全体の効率化につなげる。
AIと担当者の知見で需給管理を効率化
モスフードサービスでは、基幹システムをはじめ、老朽化した社内システムのリニューアルを進めてきた。一方、従来のサプライチェーン基盤は独自機能の追加を重ねたことで複雑化し、保守・開発の負担が増していた。
加えて、EC事業やM&A(企業合併・買収)によって需給管理の対象となる商品は増加し、販売施策や生産条件、納品リードタイムなど考慮すべき要素も複雑になっていた。担当者の経験に依存する業務も多く、限られた人員で事業拡大に対応しながら、その知見を継承できる仕組みづくりが課題となっていた。
こうした背景から、同社は需給管理業務をSaaSへ切り出す方針を固めた。MOVO PSIを採用したのは、SaaSの標準機能を中心に利用しながら、基幹システムとの連携や自社固有の要件にも対応できる点を評価したためだ。
MOVO PSIは、需要が比較的安定した定番品を中心に需要予測に基づく発注量算出を担う。AIが定型的な計算や判断を支援することで、人の担当者は需要変動の大きい商品や販促キャンペーンなど、人手による判断が不可欠な領域に集中できるようになる。さらに、AIの提案を修正した履歴や理由をデータとして蓄積し、属人化していた判断基準の可視化を進める。
モスフードサービスは、確定発注前の計画段階から需要予測や発注見込みをサプライヤーへ共有する機能も活用する。これによりサプライヤーは、原材料の調達や生産ライン、輸送車両などを早期に手配可能となり、発注集中による積載効率低下や車両不足を回避しやすくなる。
モスフードサービスは、物流を事業を支える戦略と位置づけており、今後は社内の在庫や物流情報をサプライヤーとの共通基盤へと発展させ、サプライチェーン全体での無理のない生産・輸送計画の策定を目指す。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「モスフードサービス、AI発注・輸送最適化で需給管理刷新 サプライチェーン全体を改善」(2026年9月8日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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