処理時間を4分の1に短縮したシステム選定

「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか

「データ激増で夜間バッチが朝までに終わらない」問題を放置すれば、重大な業務遅延に直結する。同様の課題を抱えていたJPX総研の事例から、処理時間を4分の1に短縮したシステム選定の基準と移行の勘所を解説する。

 企業の情報システム部門にとって、「夜間バッチ処理の遅延」は翌日の事業活動を停滞させかねない重大なリスクだ。日本取引所グループ傘下のJPX総研は、日本取引所自主規制法人(JPX-R)が利用する売買審査システムの開発と維持管理を担っており、株式市場における相場操縦やインサイダー取引といった不公正取引の兆候を捉える重要な業務を支えている。近年、NISA(少額投資非課税制度)の普及によって個人投資家の市場参加が拡大し、取引手法も複雑化した。それに伴い、売買審査で分析すべき注文・約定データが急増し、JPX総研の分析システムは処理能力の限界に達しつつあった。

 通常、取引終了後に注文・約定データを集計する夜間バッチは、翌朝の2〜3時ごろには完了する想定で設計されていた。しかし、注文が集中した日には処理が大幅に遅延し、業務部門がデッドラインとして定める「朝8時」という完了要件を超過するケースが目立ち始めた。未処理分を別の時間帯やシステム構成で補うことで審査漏れを防いでいたものの、それに伴う運用の手間は小さくなかった。

 従来製品の保守期間の終了も迫る中、次期システムの選定を急務としていたJPX総研は、どのような選択をしたのか。

「朝8時のデッドライン」を超過 現場を圧迫した手間の正体

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