複雑な働き方のルールをシステムで再現
紙とExcelの勤怠・給与管理を完全クラウド化 「独自ルール」をどう再現?
紙と「Microsoft Excel」による管理から脱却するには、システム導入による現場の混乱やブラックボックス化を招き得る。大北製作所は、自社特有の複雑なルールをどうシステムに落とし込んだのか。
従業員の働きやすさを維持しながら、管理部門の負担をいかに減らすか。これは企業が成長する過程で直面する大きな課題だ。溶接加工を手掛ける大北製作所は、従業員数が60人を超える規模に拡大する中で、これまで続けてきた紙の出勤簿と申請書、「Microsoft Excel」を利用した給与管理に限界を感じていた。
大北製作所は、パート従業員が学校行事などに合わせて「中抜け・再出勤」できる、個人の事情に合わせた働き方を採用していた。しかし、こうした従業員ファーストな運用は、アナログな管理手法の限界を押し上げていた。毎月のデータ照合や法改正への対応に追われ、手作業によるミスや遅れが生じるリスクを抱えたまま、実務を一手に担う担当者への業務集中が深刻化していたのだ。
そこで大北製作所は、アウトソーシング会社BODの支援を受け、勤怠と給与の管理体制を完全にクラウド化する決断を下した。結果として、毎月4、5時間かかっていた勤務簿と入力データの照合作業は1時間前後にまで短縮され、約75%の工数削減を達成した。
大北製作所はいかにして、自社特有の難解な就業ルールを変えることなく、完全なペーパーレス化を実現したのだろうか。その成功の背景には、システム導入を定着に導くための独自の伴走支援が存在した。
システムに合わせた働き方の変更を回避
クラウド化を進める上で直面した最大の障壁は、大北製作所が大切にしてきた従業員ファーストな働き方をいかにシステムで再現するかという点だ。特に難易度が高かったのが、週の途中で月が変わる際の割増賃金の超過判定だ。
大北製作所は割増賃金の対象となる「週40時間」の超過判定をするために、前月の最終週データを自動でひも付けるという、複雑な計算ロジックを用いていた。一般的なクラウドシステムでは対処が難しいこうした運用に対し、BODの支援チームはこの難解な労務ルールを一つずつ解きほぐし、勤怠と給与の両システムに、実務に即した形で実装した。システムの仕様に合わせて社内規定を妥協するのではなく、既存の自由度の高い働き方を維持したままデジタル化を可能にした点が大きな特徴だ。
「丸投げ」を排除した教育型伴走支援
複数のシステムを同時に導入する際、担当者にとってベンダーごとの窓口応対や連携作業は重い負担になる。今回のプロジェクトでは、性質の異なる2つのシステム導入において、双方に精通したBODが窓口を一本化して請け負った。これによって、基幹システムとの連携を含めたワンストップのシステム構築が実現している。
システム導入における「教育型伴走支援」の採用も成功の鍵となった。初期設定を外部に代行させるだけの「丸投げ型」ではなく、支援終了後に自社の担当者が単独で運用できることを最終目標に設定した。BODが仕組みをレクチャーしながら並走することで、システム内部がブラックボックス化する事態を防ぎ、真の自走体制を確立させたのだ。
労務手続きの激減と透明性の確保
システムの定着によって、日々の照合作業の削減に加えて、突発的に発生する労務手続きにも大きな変化が表れた。これまで約8時間を費やしていた年度更新や離職票の作成といった業務は、従来の4分の1以下である1、2時間へと激減している。
60人以上の従業員に対する給与明細の発行業務も大きく変わった。従来の印刷、封入、手渡しという膨大な手間がなくなり、ペーパーレス化が完了した。社会保険料率の変更などもシステムが自動化し、法改正に対する不安も払拭された。客観的な記録に基づく、透明性の高い労務管理の土台が整った形だ。
システム化によって削減された時間は、担当者が本来注力すべきコア業務に振り向けられるようになる。アナログな手作業から脱却し、多様な働き方を支える強固な土台を構築したことは、組織全体の生産性向上において重要な意味を持つ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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