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IT資産管理の自動運用を見据えた「LANDesk Management Suite」IT資産管理製品紹介【第2回】

国内シェア上位のIT資産管理製品ベンダーを取材する本連載。今回は管理対象のクライアントPCが数千台規模の企業に多くの導入実績を持つ「LANDesk Management Suite」を紹介する。

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 LANDesk SoftwareはIT資産管理製品群の最新版、「LANDesk Management Suite 9.5」と、セキュリティ管理製品群の最新版、「LANDesk Security Suite 9.5」を2012年11月から提供している。両者を連携させることでIT資産管理とセキュリティ対策を包括的に実現。さらに2012年2月から提供しているサービスデスクツールの最新版、「LANDesk Service Desk 7.5」と両製品を連携させることで、インシデント管理とIT資産管理をITILに準拠した形で自動化できるという。

資産情報を分析して任意のリポートを作成できる「クエリ」機能を搭載

 LANDesk Management Suite 9.5(以下、LANDesk Management Suite)は、インベントリ収集、ソフトウェア配布、OS導入、ソフトウェアライセンス管理、クライアントPCのリモートコントロール、電源管理といった一連のIT資産管理機能を持つ。

 インベントリ収集では、ネットワークに接続されたクライアントPCやネットワーク機器などを自動的に検知。ハードウェア/ソフトウェア資産の情報を自動的に収集する。ネットワークに接続されていないスタンドアロンPCも、あらかじめインストールしたエージェントの情報を収集することで管理できる。

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図1  LANDesk Management Suite 9.5のリポート画面。各種資産を自動的に検知し、一元管理できる《クリックで拡大》

 Windows、Macintosh、UNIXHP-UXSolaris)、LinuxRed HatSUSE、CentOS)の各種OSに対応。マルチベンダー環境のクライアントPCを一元管理できる。バージョン9.5からは組み込みOSの「Windows Embedded Standard 2009/7」もサポートし、Windows Embeddedが多用されるシンクライアント端末の他、同OSを搭載する産業用コンピュータやPOS端末なども管理できる。拠点が国内外に散在しているケースに配慮し、インターネットを介して各拠点のハードウェア/ソフトウェア資産情報を収集できる「LANDesk Management Gatewayアプライアンス」もオプションで用意している。

 Windows OSの「プログラムの追加と削除」情報、WMI(Windows Management Instrumentation)データ、Webブラウザ履歴(URL)をはじめ、ファイル属性やレジストリ値など、あらゆる資産情報を任意に収集できる他、カスタムデータを集めるアンケートフォーム機能も持つ。設定できる管理項目数に制限はないため、自社の運用実態に即したIT資産管理が行えるという。

 汎用的なリポートフォーマットを搭載した製品が一般的な中、本製品はGUIでSQLをシンプルに書ける「クエリ」機能を搭載。収集した情報に対し、情報の抽出条件と表示形式を指定するだけで任意の分析軸でリポートを作成できる。LANDesk Softwareシステム エンジニアリング部 部長 山田伸吉氏は「IT資産管理に関するインシデントにはさまざまなものがあるため、IT管理者にとっては“その場でのみほしい”リポートも数多くある。その点でクエリ機能は多くのユーザーに支持されている」と解説する。

 なお、LANDesk Management Suiteは、サーバやネットワークに負荷を掛けないソフトウェア配信技術に以前から定評がある。具体的にはマルチキャスト技術、「Target Multicast」によって、「各サブネットを代表してデータを受け取るマシン」にソフトウェアを配信した後、ピアツーピア技術、「Peer Download」によってサブネット内の各マシンに高速転送する。インベントリ情報収集もスキャンのタイミングを調整することでサーバの負荷を抑えるよう配慮。「例えば2万台のクライアントPCを2台の管理サーバで管理している事例もあるなど、ユーザー企業のリソースに合わせて無駄なく導入できる点も大きく支持されている」という。

人事DBと連携し、人とひも付けたソフトウェア資産管理を実現

 ソフトウェア資産についても、ソフトウェアを自動的に検知してインベントリ情報を収集する。特徴は、前述のクエリ機能を使って「プログラムの追加と削除」情報やファイル属性、レジストリ値、WMIデータなどを検索し、ソフトウェアの製品名、ベンダー名などを自動的に抽出できる「クエリ検索」機能を持つこと。有償/無償ソフトウェアの判別は人が行う必要があるが、複数のデータを掛け合わせて判断することで高精度な製品検出を実現するという。市販品をはじめ、自社でカスタマイズしたソフトウェア、Webベースのソフトウェア、SaaSなど、あらゆる形態のソフトウェアを一元管理できる点もポイントだ。

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図2 各種ソフトウェアを自動的に検知し、利用状況を一元管理できる《クリックで拡大》

 ソフトウェアライセンス管理については、購入した各ソフトウェアのライセンス項目(数、種別、期限、使用法など)を手入力かCSVファイルインポートによって登録する。ただ、MicrosoftAdobe Systems、Autodeskをはじめとする主要ソフトウェアベンダーの製品については、300種類以上のライセンス情報をプリセットした製品、「LANDesk Data Analytics」を使うことでライセンス登録作業を自動化できるという。

 また、企業がライセンスを大量購入する場合、Microsoftでは「Volume License Service Center」、Adobe Systemsでは「License Website」といったライセンス管理サイトを利用するケースが多い。LANDesk Data Analyticsはそうした外部サイトから、「どのライセンスが、どのデバイス、どのユーザーに割り当てられているか」というライセンス割当情報を自動的に取得する。この「ライセンス割当情報」と、手入力あるいはCSVファイルインポートによって登録した「購入ライセンス情報」、クライアントPCから検出した「製品情報」の3つをLANDesk Data Analyticsが自動的に照合することで、より確実なライセンス管理が行えるという。

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図3 ソフトウェアライセンスの充当状況もひと目で把握できる《クリックで拡大》

 これにより、各ソフトウェアについて「いつ、誰が、どのPCで、どのくらい使っているか」といった各ソフトウェアの利用状況を管理できる。ライセンスの情報とひも付けているため、ライセンスの充当状況を把握できる点もポイントだ。

 なお、LANDesk Data Analyticsは、Active Directoryや各種データベース、CSVファイルからデータを引き出すためのコネクタも持ち、ライセンス管理サイトだけではなく、さまざまなソースからデータを取得できる。これにより、プリンタやネットワーク機器など SNMP機器のインベントリを蓄えるデータベースと連携することで、SNMP機器も含めた全資産を管理できる点もポイントだ。

 この機能を生かして人事データベースと連携させ、人事異動に伴うハードウェア/ソフトウェア資産の変更を従業員とひも付けて管理することも可能だ。例えば、部門ごとに使用するソフトウェア資産の組み合わせを設定しておき、その部門に従業員が異動すると、設定された構成情報に合わせてソフトウェアを自動的にインストール/アンインストールするといったこともできる。

仮想デスクトップ、仮想アプリケーションの管理も可能

 仮想環境のインベントリ情報を収集できる点もLANDesk Management Suiteの強みだ。LANDesk SoftwareはVMwareと技術提携することで、VMware EXSホストごとに仮想マシン、ゲストOSなどのインベントリを収集、管理可能としている。仮想デスクトップについても各ユーザーに固有のデスクトップイメージを割り当てる占有型VDI(Virtual Desktop Infrastructure)をクライアントPCと同様に管理できる。

 また、バージョン9.5では、複数のユーザーで同じデスクトップイメージを共有する共有型VDIもサポート。共有型VDIは共通イメージを基にしてユーザーがログインするたびに仮想デスクトップを生成し、ログオフ時に消去する方式。この共通イメージに専用エージェントを組み込み、各ユーザーが生成した仮想デスクトップの状態監視を行うことで、ソフトウェア稼働状況など、ユーザー別のインベントリ情報を把握できる。

 仮想アプリケーションも、オプション製品の「LANDesk Application Virtualization」を使えば任意のアプリケーションを仮想パッケージにして配信・管理することができる。「Microsoft App-V」と「VMware ThinApp」でパッケージングした仮想アプリケーションにも対応している。仮想環境につながるクライアント端末もファットPC、シンクライアント、モバイルにかかわらず一律に管理できるという。

社内システムを包括的に守れるセキュリティ機能

 一方、LANDesk Security Suite 9.5(以下、LANDesk Security Suite)は、ハードウェア/ソフトウェアのインベントリ情報を基に各種セキュリティ機能を実行する。具体的にはパッチ管理機能やファイアウォール構成管理機能、指定アプリケーションの実行禁止機能、USBメモリなどの使用を制限するデバイス制御機能などを持つ。

 その他、ローカルAdminアカウントを一元管理するユーザー権限管理機能、パスワードポリシーを一斉適用するパスワードポリシー管理機能、各クライアントPCに適切なOS設定を施すことで堅固なセキュリティを担保するホスト侵入防御機能なども搭載。社内ネットワークの脆弱性診断とパッチ管理を自動化するオプション製品「LANDesk Patch Maneger」もラインアップし、社内ネットワークを確実に守れるよう配慮している。

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図4  LANDesk Patch Manegerの管理画面《クリックで拡大》

ITILに準拠したIT資産管理の自動運用も実現

 企業へのスマートデバイスの浸透を受けて、MDM(モバイルデバイス管理)製品「LANDesk Mobility Manager」も用意している。

 iOS、Androidに対応し、ハードウェア/ソフトウェア資産情報を自動的に取得して一元管理できる他、リモートで端末の使用を制限できるリモートロック/ワイプ機能などを持つ。

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図5 モバイル端末のインベントリも一元管理できる《クリックで拡大》

 Googleマップと連携して「いつ、どこで、誰が、どんな操作を行ったのか」を把握することも可能だ。LANDesk Management Suiteと連携させれば、社内のクライアントPCとモバイル機器を一元管理できる。

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図6 Googleマップと連携して「いつ、どこで、誰が、どんな操作を行ったのか」を把握することも可能《クリックで拡大》

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