8月のアップデートで対応
iPhone、iPadの「iOS」に致命的な脆弱性、Appleの対応が絶賛されるワケ
企業にとってモバイルセキュリティの弱点の1つはユーザーだ。2016年8月に判明した「iOS」の脆弱性はそれを如実に表すものだった。
2016年8月、Appleは「iOS」に重大な脆弱(ぜいじゃく)性があることを発見し、すぐにこの問題を修正するための「iOS 9.3.5」をリリースした。攻撃者がこの脆弱性を悪用してメールでリンクを送り付け、受け取ったユーザーがそのリンクをクリックするとマルウェアが端末にインストールされてしまう。
この欠陥は、企業のモバイルセキュリティにおいてエンドユーザーが大きな脅威になることを示している。エンドユーザーにモバイル端末の安全性確保を教育することが肝要だと専門家は話す。「電子メールのフィッシングなど『ソーシャル偽装』の形で仕掛けられる攻撃が多い」と話すのは、AppleリセラーのTSPの創業者でCTO(最高技術責任者)のマイケル・オー氏だ。
「無頓着なユーザーは最大の脅威だ。企業のIT部門は、iOSやAppleの『Mac』も安全とは限らないことをエンドユーザーに教育しなければならない」(オー氏)
今回の欠陥はユーザーのプライバシー侵害の危険性もある。イスラエルの会社NSO Groupは、同社のモバイル端末追跡ツールでiOSのこの脆弱性を悪用し、ユーザーのアプリケーションから情報を収集していた。このアプリケーションはユーザーの端末でメールのログを記録し、連絡先にアクセスしたりする他、端末の位置情報も追跡していた。
Appleは脆弱性を発見してから10日以内にiOS 9.3.5をリリース。会社支給の端末や私物端末で企業データを扱うビジネスユーザーは至急アップデートするように勧告した。「Apple製品のセキュリティ対策は全般的に優秀だ」とdBrn Associatesの主席アナリスト、マイケル・フィネラン氏は語る。
「弱点は、疑わしいリンクをクリックしてしまうユーザーだ」(フィネラン氏)
ほとんどのiOSユーザーが速やかにOSアップデートをするということも、Apple製品の強固なセキュリティを支えている。それとは対照的に、Googleの「Android」はあまりアップデートされない。そのせいでAndroidはOSの断片化(フラグメンテーション)が進み、最新のセキュリティ更新プログラムの適用が浸透していない。
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