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日産が“脱オンプレミス”の手段に「クラウド版IBM Power」を選んだ理由クラウドニュースフラッシュ

日産自動車やリコーが進めるクラウドサービスへの業務システムの移行や、電子カルテのインフラにクラウドサービスを活用するPHCの取り組みなど、クラウドに関する主要なニュースを取り上げる。

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 オンプレミスインフラで稼働するシステムをクラウドサービスへと移行させる際、移行に伴う業務プロセスの変更やシステムの停止といった“負の変化”をどれくらい抑えられるかが重要になる。企業がシステムのクラウドサービス移行を成功させるには、どのような点に着目すればよいのか。IBMのクラウドサービス群「IBM Cloud」にシステムを移行させた日産自動車、Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を利用するリコーの取り組みなど、クラウドに関する主要なニュースを紹介する。

日産が補修部品の管理システムを“クラウド版IBM Power”に移行 その理由は

 日産自動車は自動車の補修部品を扱う同社のシステムのうち、補修部品の入出庫を管理するシステムをIBMの「IBM Power Systems Virtual Server」に移行させた。日産自動車が進める、オンプレミスシステムのクラウドサービス移行の一環だ。IBM Power Systems Virtual Serverは、IBM Cloudの仮想マシンサービスだ。日産自動車は従来、入出庫管理システムのインフラとして、IBMのサーバ製品群「IBM Power」を利用していた。IBM Power Systems Virtual Serverの採用に当たり、利用中のインフラ管理製品やOracleのデータベース管理システム(DBMS)などのソフトウェアを変わらず利用できる点や、サーバOS「IBM AIX」の最新版を利用できる点を評価した。既存の業務プロセスを変更することなく移行を完了できたという。システム構築はキンドリルジャパンが担った。(発表:日本IBM、キンドリルジャパン<2022年11月28日>)

リコーが経理業務システムのインフラに「OCI」を採用した狙いとは

 印刷機械や産業機械を手掛けるリコーは、同社を含む国内のグループ企業13社が利用する経理業務システムのインフラをクラウドサービスに移行させる。ITインフラの運用負荷やコストを軽減するのが狙いだ。同社は従来、他社のUNIXサーバと「Oracle E-Business Suite」「Oracle Database」を組み合わせたオンプレミスインフラで経理業務システムを運用してきた。ハードウェアの保守期限切れや老朽化に伴い、クラウドサービスへの移行を決定。既存システムで利用しているOracle製ソフトウェアを利用でき、業務への影響や移行時のシステム停止時間を最小限に抑えることができ、OracleのDBMS「Oracle Database」の処理速度の向上が見込めると判断し、OCIを採用した。(発表:日本オラクル<2022年11月28日>)

PHCがクラウド電子カルテのインフラを「GCP」に移行 採用の理由は

 医療機器の製造販売を手掛けるPHCは、同社のクラウド電子カルテサービス「きりんカルテ」のインフラを、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)に移行した。インフラのGCP移行で、きりんカルテの応答時間の短縮や、システムダウンのリスクの軽減を目指す。GCPのデータ分析サービスを利用することで、新機能の開発を迅速化する狙いもある。PHCがGCPで稼働させている既存の医療関連SaaS(Software as a Service)のデータと、きりんカルテの関連データを一括で管理可能になるなどの成果が既に上がっているという。(発表:PHC<2022年11月28日>)

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