検索
特集/連載

「古いCOBOLをやめる予算」がない――“レガシー依存”企業の本音レガシーシステムがなくならない6つの理由【第5回】

レガシーシステムを新しいシステムへと刷新することは、ITの進化の恩恵を享受する上で有力な手段となる。にもかかわらずレガシーシステムの刷新はなかなか進んでいない。それはなぜなのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 レガシーシステムの刷新は、IT予算の有効な使い道だ。ただし実際にレガシーシステムへの移行に踏み切ることができる企業は、決して多くない。プログラミング言語「COBOL」で開発した古いシステムを、今もメインフレームで稼働させている企業は幾つもある。こうした現状を生んだ原因は何なのか。企業がレガシーシステムを使い続ける6つの理由のうち、4つ目を紹介する。

理由4.予算がない

 新しいシステムの導入や、既存システムの刷新には、当然ながら予算の確保が必要になる。企業がいまだにレガシーシステムに依存している大きな理由が、そもそもレガシーシステムから脱却するための予算を確保するのが難しいことだ。

 企業は投資利益率(ROI)が高い方法を優先する傾向がある。レガシーシステムの刷新は、その効果が得られるまでに何年も掛かることは珍しくない。短期的な効果を重視する企業は、こうしたプロジェクトに対して、積極的に予算を割こうとしない。

 IT調査会社Info-Tech Research Groupのプリンシパルリサーチディレクターであるスニール・ゲイ氏によれば、企業はレガシーシステムの刷新よりも、レガシーシステムにすぐに追加できる、もしくはレガシーシステムとすぐに連携できる機能の開発を選ぶ。「こうした選択は、システムの抜本的なモダナイゼーション(最新化)を先送りしてしまう」とゲイ氏は警鐘を鳴らす。


 次回は、5つ目と6つ目の理由を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る