脱コラボレーションツール化するZoom【第5回】
ZoomはMicrosoft製品の「共存ツール」かむしろ「代替ツール」か?
コラボレーションツール「Zoom」は、“単なる会議ツール”から脱却しようとしている。Zoom Video Communicationsが目指す“今後のZoom”とは、どのようなツールなのか。
コラボレーションツール「Zoom」を提供するZoom Video Communicationsの目標は、「Zoomがデスクトップになくてはならない存在になること」だ。そのためには、他のコラボレーションツールベンダーとの間で差別化を図る必要がある。特に同社が競合として意識するのはMicrosoftだ。具体的にはどのような取り組みを進めるのか。
次世代のZoomは「Microsoft製品」の共存ツールか、代替ツールか?
併せて読みたいお薦め記事
連載:脱コラボレーションツール化するZoom
- 第1回:使われ続ける「Zoom」はもう“単なるWeb会議ツール”じゃない?
- 第2回:“脱Web会議ツール”後の「Zoom」は何のツールなのか?
- 第3回:「Zoomは単なるWeb会議ツールではない」と言えるツール群5選
- 第4回:Web会議を制した「Zoom」の次なる戦場 AI活用の狙いは何か?
Zoomの製品を導入した企業の事例と理由
Zoom Video Communicationsがターゲットとするのは、例えば以下3つの企業像だ。
- Microsoftの製品・サービスを利用していない企業、または利用したくない企業
- Microsoftの製品・サービスに依存していない企業
- Microsoftの製品・サービスが使えない場合の選択肢として、Zoomが役立つと考える企業
Zoom Video CommunicationsでEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域の責任者を務めるフレデリック・マリス氏は、Microsoftと同社との関係について「丁寧にバランスを取る必要がある」と指摘し、Microsoftを「恐るべき競争相手だ」と述べる。マリス氏は、Zoom Video CommunicationsとMicrosoftが競合する分野が存在し、その分野でMicrosoftのユーザー企業を奪うことは簡単ではないとみる。一方で、コラボレーションツールベンダー各社はさまざまな製品開発に取り組んでおり、「競争と共存のバランスを取ることが重要だ」と同氏は話す。
マリス氏によれば、以下はZoom Video Communicationsが今後重点を置く製品・サービスだ。
- コンタクトセンターのクラウドサービス「CCaaS」(Contact Center as a Service)である「Zoom Contact Center」
- ジェネレーティブAI(生成AI)を用いた営業支援機能を持つ「Zoom IQ for Sales」
「ユーザー企業がZoom Video Communicationsをどのようなベンダーだと認識しているのか」は、同社の今後の課題になるとマリス氏は指摘する。「ユーザー企業の声を聞き、当社ができる支援を丁寧に伝えることに注力する必要がある」と同氏は語る。Zoomはチャットやスケジューリング、通話といったさまざまな機能を備えている。「エンドユーザーがどこにいても使える、強力で直感的なツールを提供できる」(同氏)
Zoom Video Communicationsがベンダーとしてユーザー企業からどのように認識されたいのかと、同社が今後どのような取り組みを進めるかという2点の方向性を、まずは一致させる必要があるとマリス氏は指摘する。同社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で、異例とも言える急激な成長を経験した。だがパンデミック終息後の状況は異なる。「全社として『変貌する』ための作業に取り組んでいる」とマリス氏は強調し、「やるべき仕事はまだたくさんある」と語る。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
5
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
9
アラート疲れと手動対応を解消 EDR、SIEM、SOAR統合で注意すべきポイント4選
-
10
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー