オフィス嫌いを出社に戻す「Zoomの次世代オフィス」が面白い:「人とのつながり」とハイブリッドワークの在り方【第4回】
ハイブリッドワークが普及しつつある時代に新拠点を設立したZoom Video Communications。同社があえてオフィスに投資をすることで獲得したかったものとは何か。
Zoom Video Communications(以下、Zoom社)は2023年8月、英国に新拠点を開設した。Zoom社で不動産および職場環境の責任者を務めるアラナ・コリンズ氏は、顧客や従業員のニーズを見極めた拠点作りに注力したという。その新拠点とは、どのようなオフィスなのか。
Web会議から脱却する「Zoomの次世代オフィス」
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連載:「人とのつながり」とハイブリッドワークの在り方
- 第1回:「対面でのコミュニケーション」はやっぱり必要? Zoomが新拠点を作った訳
- 第2回:Zoomが作った新拠点「従業員を幸せにするオフィス」の中身はこれだ
- 第3回:どうするオフィスの賃料? あえて新拠点を作ったZoomこそ正解なのか
Zoomの新製品展開
コリンズ氏は「Zoom社はもはやコラボレーションツールベンダーではない」と強調する。同社が目指すのは、「Web会議用システムだけを販売する会社」からの脱却だ。そのために同社は、ビジネスのコミュニケーションを円滑にし、顧客のニーズにより良く応えるための製品を提供している。例えば、コンタクトセンターのクラウドサービス「Zoom Contact Center」や、営業チーム向けツール「Zoom IQ」がある。
「さまざまな課題に立ち向かい、解決し続けることが重要だ」とコリンズ氏は言う。特に同氏が重視するのは、顧客とつながり、顧客が実際に何を求めているのかを理解することだ。顧客の動きから学んだ点を基に、コリンズ氏は自身の不動産戦略全体を変えてきた。例えばオフィスに来たことがない顧客や従業員を呼び寄せるために、以下を新たに作った。
- 受付業務を無人化し、キオスク端末(情報提供のための端末)で完結できるバーチャルレセプション
- デスクを予約するためのシステム
コリンズ氏は次のように続ける。「来訪者に対して壁を作らないように、バーチャルレセプションの改善から取り組んだ。顧客の来社や従業員の出社をより簡単にし、接点を持ち続けるためのシステムの構築が重要だ」
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