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アラート設定に注意!――ネットワーク監視・解析ツールの落とし穴
ネットワーク監視・解析ツールは今や必需品だが、せっかくのツールも、しきい値を適切なレベルに設定しないと無用の長物となってしまう。
ネットワーク監視・解析ツールは今や必需品となっている。これらのツールは、ネットワークをリアルタイムでスキャンして分析し、不調や不具合、脆弱性を検出する。そして異変を知らせるアラートをマネジャーや管理者に送信するほか、ネットワークパフォーマンスの全体像も提供する。
こうしたツールは便利だが、誤認や重大でないトラブルのために、ほとんどひっきりなしにアラートが届くのは煩わしいものだ。そのためにネットワーク管理者が警報を無視したり、重大な問題に関するアラートが発行されなくなるほどしきい値を高く設定している場合があることが、最近の調査で明らかになった。
だが、例えばある月曜に何百人という従業員がコーヒーをすすりながら週末にたまったメールをチェックしているときに、メールワームが実行されたとしたら……。
ネットワーク監視・解析ツールは今や必需品となっている。これらのツールは、ネットワークをリアルタイムでスキャンして分析し、不調や不具合、脆弱性を検出する。そして異変を知らせるアラートをマネジャーや管理者に送信するほか、ネットワークパフォーマンスの全体像も提供する。
だがネットワークの専門家の一部は、誤認や重大でないトラブルのためにほとんどひっきりなしにアラートが届くのを煩わしく思っているようだ。そのためにネットワーク専門家が警報を無視したり、重大な問題に関するアラートが発行されない恐れがあるほどしきい値を高く設定している場合があることが、最近の調査で明らかになった。
コンサルティング会社のチャンネルソースダイレクトがネットワーク解析製品ベンダーのネテュイティブの委託を受けて実施したIT専門家195人に対する電話調査によると、ほとんどのユーザーはネットワークパフォーマンス監視・解析システムを積極的に利用しているが、一部のユーザーは情報過多を避けるためにアラート機能を制限したり、無効にしたりしている。ネットワーク管理者が誤ったアラートを減らすために用いる方法は、しきい値を最適なレベルよりもあえて高く設定したり、警報機能を完全に解除することだ。
調査リポートではこう指摘されている。「この傾向が目立つのは、1日に100件以上のアラートを受信している回答者だ。こうした回答者の47%が、アラートを減らすためにしきい値を高く設定していると答えている。これはシステムの警報機能を制限しているということだ」
同調査では、1日に100件以上のアラートを受信していると答えた回答者は全体の30%だった。中には5000件ものアラートを受信しているという回答もあった。サーバの利用台数が100台未満の企業のうち、1日に100件以上のアラートを受信していると答えた企業の割合は15%だったが、サーバの利用台数が100台以上の企業では、この割合は41%に上った。
また同調査では、「誤ったアラートや、緊急ではない、あるいは差し迫ったサービス上の問題に関するものではないアラートが、一般的な問題となっている」ことも明らかになった。受信するアラートの半分以上が誤っていると答えた回答者が全体の約30%、アラートの70%以上が重大なものではないと答えた回答者が16%を占めている。
「残念ながら、このことが示しているのは、ユーザーがパフォーマンス監視ソフトの真価を引き出しておらず、差し迫った問題の重大な早期警報が彼らに届いていない恐れがあるということだ」とリポートは述べている。
例えば、ある多国籍銀行がアラートのしきい値を高く設定しているとしよう。月曜朝の業務開始時にありがちな、膨大なメール処理が行われることに伴う警報の頻発を防ぐためだ。この銀行はメールサーバの利用が集中することによるアラートに慣れてしまっているため、発生したアラートが無視されることさえある。
だが、ある月曜に何百人という従業員がコーヒーをすすりながら週末にたまったメールをチェックしているときに、メールワームが実行される。サーバの利用が集中することを前提にしきい値が引き上げられており、アラートも無視されるため、誰も気付かない。ワームは増殖してネットワークに打撃を与え、何時間もの生産性低下とダウンタイムを引き起こす。もちろん、IT部門も大変な苦労を強いられる。IT部門は被害を修復する責任に加え、ワームがそもそもどのように侵入したのか、なぜしきい値が高く設定されていたのかを説明する責任もある。
こうした混乱はすべて、アラートのしきい値が適切なレベルに設定されていれば避けることができたはずだ。
ネットワーク解析や監視の分野を手掛けるベンダーには、前述のネテュイティブのほか、OmniPeekなどの解析ツールを提供するワイルドパケッツ、ヒューレットパッカード(HP)のOpenView部門、IBMのTivoli部門、BMCソフトウェアのPATROL部門などがある。ネテュイティブによると、同社のソフトは、企業のパフォーマンス監視データをリアルタイムで自動的に解析して相関を調べ、手動による構成や特別なプログラミングは不要となっており、差し迫ったサービス上の問題を知らせるTrusted Alarmsを提供する。
ワイルドパケッツのスコット・ホグダールCTO(最高技術責任者)は、「一部のネットワーク管理者はアラート機能を解除したり制限したりする傾向が高い」というネテュイティブの委託調査結果は、実態を反映していると語る。だが、その一方で同氏は、必ずしもすべての人が頻繁に出される警報に対して無視を決め込んでいるわけではないとも指摘する。多くの人は必要に迫られて、ニーズに優先順位を付け、どのようなアラートを受け取るかを選択しているにすぎないという。
「どの監視ツールでも、デフォルトのしきい値は一般的なネットワークを想定して設定されている」と同氏。「問題は、そのままの設定では適切に機能しないことだ。管理者は時間をかけてしきい値を微調整する必要がある。われわれとしてもこうしたツールのユーザーを教育しなければならない」
だが、現状ではそこがうまくいっていない。同調査では、回答者の半数以上が誤ったアラートを減らすために、1四半期当たり約10時間を費やしてしきい値の設定を調整していると答えている。回答者の30%は1四半期当たり25時間を費やしているが、これは年間に換算するとほぼ2週間分の時間だ。
「ところが、しきい値の管理に力を入れている場合でも、誤ったアラートの問題は完全には解消されていない」とリポートは述べている。「しきい値の管理に1四半期当たり50時間以上を割いている回答者のうち、43%はアラートの半分以上、20%はアラートの70%以上が誤っていると答えている」
アラートの増加による弊害の1つは、アラートが頻繁に届くために問題の診断が追いつかなくなりがちなことだ。問題の診断にかかる時間が通常15分未満と答えた回答者が全体の半数を占めており、5分未満と答えた回答者は19%にとどまる。1日に100件以上と極めて大量のアラートを受信する組織では、条件はさらに深刻だ。こうした組織の約25%は問題の診断にかかる時間を10分未満と答えており、13%は平均30分以上としている。
それでもホグダール氏は、かけている時間の割にしきい値管理の効果が上がらないことや、アラートへの対応に追われる状況は、設定の微調整や教育によって回避できると語る。
「アラートを完全に無視してはならない」とホグダール氏。「問題は、しきい値を高く設定しすぎることよりも、アラートをオンにするか、さもなければオフにしてアラートが一切発生しないようにするか、という設定をすることだ。こうした二者択一の設定をしてはならない」
企業は何を重大と考えるかを決めた上で、大きな問題に関するアラートが発行されないことがないように、監視・解析ツールを設定しなければならない。だが、ある企業にとって重大なことがほかの企業にとっても重大とは限らない。
「あるアラートに対する見方は幾つもある」と同氏は語り、企業は「自社にとって何が重要で何が重要でないか」を判断する必要があると付け加えた。
ホグダール氏は、総合的に見て、ネットワーク解析・監視ツールの利点は難点を上回るが、ネットワーク管理者は、システムのアラート機能を切ったり、重大なレベルのアラートが発行されない恐れがあるほどしきい値を高く設定したりするのではなく、どのようなアラートを受信したいか、優先的に処理したいかを決定しなければならないと語る。
「ネットワークパフォーマンスを最適化しようとすればするほど、より多くのアラートを受け取ることになる」と同氏。「アラートを減らすのはかまわないが、それに伴うリスクをどこまで許容するかを考える必要がある。あるレベル以上のアラートは必ず受け取れるようにしなければならない」
(この記事は2006年1月19日に掲載されたものを翻訳しました。)
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