米TechTarget IT給与満足度調査【前編】
2011年はCIOの年収がダウン──CIOの適正年収は?
米TechTargetのSearchCIO.comおよびSearchCIO-Midmarketが実施した読者調査により、米国のIT幹部の年収が明らかになった。彼らはどれほどの金額を得ているのか?
2011年、上級および中堅クラスのIT幹部の年収は減少傾向となったことが、米CIO/IT Strategy Media Groupが最近実施したIT給与満足度調査で明らかになった。2010年の調査結果と比較すると平均給与はほぼ同じ水準を維持したものの、給与総額(基本給+賞与などの報奨金)はかなりの減少となった。これは、上級IT幹部の諸手当、ストックオプション、賞与が減少したことによるものだ。調査に協力した上級IT幹部全体の約94%は、2011年の年収は9万ドル以上と答えた。彼らの2011年の平均基本給は14万4000ドルだったが、回答者の地位がCEO(最高経営責任者)なのかCIO(最高情報責任者)なのか、あるいはその他の上級IT幹部なのかによって金額が大きく異なった。
この調査は、米TechTargetのSearchCIO.comおよびSearchCIO-Midmarket読者を対象として2011年11月に実施されたもので、世界各国の32業種にわたる企業のIT幹部およびIT担当者1700人余りから回答が寄せられた。米国では50州全てが網羅された。この調査では、副社長、上級副社長、執行副社長、CIO、CTO(最高技術責任者)あるいはCISO(情報セキュリティ最高責任者)の肩書を持つ人を「上級IT幹部」と定義した。自身をディレクタークラスだとした人を「中堅IT幹部」と定義した。
調査に回答した544人の上級・中堅IT幹部が認識している全般的なムードとしては、深刻な不景気が続く中で楽観主義と悲観主義の間で揺れ動いているという印象だった。上級IT幹部の37%は、自社のIT部門のムードは楽観的だと答えた。しかし悲観的な見方を抱いていた人も30%とかなり接近した数字だった。
2011年のITプロフェッショナルの年収
大多数(74%)の上級IT幹部は、年間給与総額(基本給+賞与、ストックオプションなど)が9万~21万ドルだと答えた。給与総額が9万ドル以下と答えたのは、上級IT幹部全体の14%で、このグループでは中堅・中小企業に勤務する人が多かった。上級IT幹部の半数以上(54%)は、給与総額が9万~15万ドルの範囲だった。
全ての規模の企業を平均した上級・中堅IT幹部の年間給与総額は15万7482ドルで、前年と比べてわずかな減少(3000ドル)となった。大企業の上級・中堅IT幹部の平均給与総額(17万4432ドル)は、中堅・中小企業のIT幹部の平均年収を11%上回った。
CIOの適正年収はどれくらいなのだろうか。これについては、理想と現実の間に大きな開きがあるようだ。「CIOの年収は業種および企業規模によって異なる。中小規模の企業であれば、適正年収は15万~25万ドル、大企業であれば30万ドル以上といったところだろうか」と話すのは、技術・アウトソーシングコンサルティング企業である米Freebordersの上席エンゲージメントディレクター、クレイグ・シュワルツ氏だ。
ミシガン州バトルクリーク市のCIOを務めるダニエル・M・ライアン氏は「ほとんどのCIOはCEOに直属するか重役クラスの地位であるため、給与その他の報酬は同レベルの地位の業務幹部と同等であるべきだ。彼らの職務では技術的な知識が要求されるだけでなく、事業目標を理解した上で業務ニーズと目標、そしてその原動力としての技術を最適化する方法を考えることが求められるのだ」と指摘する。
ライアン氏の主張を裏付けるように、今回の調査では組織内でのIT幹部の地位とその年間給与の間には、ある程度の相関関係があることが分かった。例えば、CEOに直属する上級IT幹部の88%は年収が9万ドル以上だった。これに対し、他のIT幹部に直属する回答者の場合はその比率が99%だった。調査回答者の中で最も年収が高いグループを細かく見ると、年収21万ドル以上と答えたIT幹部の35%がCEOに直属する地位にあった。最高年収グループでその次に多かった(16%)のは、CIOに直属する地位だった。
CEOに直属する上級IT幹部の平均年間給与は20万2608ドルだったのに対し、CIOに直属する上級IT幹部の平均給与はそれよりも4万ドル低かった(16万2070ドル)。また、CIOに直属する上級IT幹部の2010年の平均年収は17万8375ドルだった。つまり、2010年と比べて彼らの年収は1万6000ドル減少したということだ。CEOに直属する上級IT幹部の年収ダウンはさらに大幅だ。これらのIT幹部の2010年の平均年間給与は22万775ドルだったので、わずか12カ月で1万8000ドルも減少したことになる。
上級IT幹部の年収減少
2010年と比べた場合のIT幹部の2011年の平均給与の減少内容をもう少し詳しく見ると、2010年の給与は非常に不安定な状況だったことが分かる。上級および中堅IT幹部の約17%は、給与および諸手当が全般的に低下したと答えたのに対し、変化なしと答えた幹部は18%だった。
一方、2011年に年間基本給が減少したと答えたのは回答者の約5%だった。基本給がカットされたIT幹部の間では、大幅な減少も珍しくなかった。米国で年間基本給が減少した上級IT幹部の23%は、減少率が10~14.9%だった。年間基本給が20~40%カットされたIT幹部も20%というかなり大きな数字だった。年間基本給が半分以上に減ったという人は少なかった(6%)。
しかし調査の回答者の中には、基本給あるいは給与総額が増加したという人も少なくなかった。
2011年に年間基本給が増えたという上級IT幹部のうち62%は、増加率が2.0~4.9%だった。また彼らの14%は、増加率が5.0~6.9%だった。しかし上級IT幹部の年間基本給の平均増加率は10.33%という数字だった。これは基本給が大幅に(最大150%)増加した人が回答者の中に含まれていたことによる。
IT業界はこういった給与水準でいつまでIT人材をつなぎ留めておけるのか現時点では不明だが、上級IT幹部らは変化を敏感に感じ取っているようだ。東カロライナ大学でITディレクターを務めるジョエル・スウェット氏は「ノースカロライナ州では3年間、昇給がまったく認められていない。福利厚生コストは増えているが、支給額は減っている。行政の狙いがどこにあるのか分からないが、景気が回復すれば、あらゆる州政府機関から一斉に人材が流出するのは間違いない」と語る。
後編では、米国のCIOたちの転職理由や給与に対する満足度の結果と分析を紹介する。
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米TechTarget IT給与満足度調査
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