ブロックチェーンの敗者にならないためにCIOがやるべきこと大きなチャンスと大きな課題

ブロックチェーンがパラダイムシフトを起こし、勝者と敗者を生み出そうとしている。この巨大なデジタル革命の時代に、CIOは何をやるべきなのか。

2016年09月15日 08時00分 公開
[Computer Weekly]

ブロックチェーンは、デジタル通貨「ビットコイン」を支えるプログラミング可能なオープンソーステクノロジーだ。

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 過去数十年利用してきたのは、「情報」のインターネットだった。だが、ブロックチェーンが実現するのは「価値」のインターネットだ。ブロックチェーンは、これからの四半世紀で全てを変え得る新しいアプリケーションや、実現には至っていない機能を数え切れないほど解き放つ可能性を秘めている。

 最も根本的に表現するなら、ブロックチェーンはグローバルデータベースだ。不正が入り込むことができない金融取引のデジタル台帳であり、金融取引のみならず、人間にとって価値があり重要性が高いものを事実上全て記録するようにプログラミングできる。例えば出生証明書、死亡証明書、婚姻届、権利証、卒業証明書、金融口座、医療措置、保険金請求、投票、スマートオブジェクト間の取引など、コードで表現できる全てのものを記録できる。この台帳は集団の協力によって絶えず調整される。そのため、この台帳が「真実」を表す。

 ブロックチェーン自体が完全性を確保するため、従来の感覚での相互信頼性は求められない。つまり、賢明なコードと集団の協力によって信頼性が確保される。ブロックチェーンという新しい価値のネイティブデジタルメディアに自己の利益をハードコードし、それが集合体となってオンライン商取引の「安全性」「セキュリティ」「信頼性」を確保する。ブロックチェーンが「信頼のプロトコル」といわれるのは、信頼がプログラミングされるためだ。

 複式簿記の発明が資本主義と国民国家の誕生を可能にしたと主張する学者がいる。今日では、ブロックチェーンという新しいプラットフォームにより、デジタル記録の照合、いわば「デジタル照合」が実現する。全てがインターネットを中心とする世界では、「あらゆるものを記録する台帳」が必要になる。ビジネス、商取引、経済にはデジタル勘定が必要だ。

21世紀型企業を作り上げる

 ブロックチェーンは、あらゆる企業、機関、政府、個人に、広範囲なメリットをもたらし得る。

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