2017年10月03日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品導入ガイドハイパーコンバージェンスで企業のIT環境はどう変わる?

調査会社の最新統計を基に、過熱するハイパーコンバージド市場の動向について解説する。

[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 調査会社451 ResearchがITバイヤー750人を対象に実施した調査「Voice of the enterprise: Servers and converged infrastructure - organizational dynamics report」によると、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は現在、組織の40%で利用されている。同社の予想では、今後2年の間にこの数字は大幅に上昇する見通しだ。

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 調査に回答したITプロフェッショナルの4人に1人は、HCIが試験段階にある、または将来的に導入する計画があると答えた。

 451 Researchの分析では、HCIは補助的なエッジインフラから、現代のIT組織にとっての主要コンポーネントへと発展しつつある。この調査ではITプロフェッショナルのほぼ4人中3人が、コアあるいは中央のデータセンターで現在HCIを使っていると回答した。451 Researchによると、これは現在サーバの調達を検討しているITバイヤーの変化を物語る。

革新的な技術

 451 Researchの調査マネジャーで「Voice of the enterprise」の筆頭筆者、クリスチャン・ペリー氏は言う。「管理者の負担を軽減してくれる革新的な技術を採用する中で、従来型のスタンドアロンサーバにこだわる人は縮小している。特にコンバージドシステムやHCIの本質的な革新性は、具体化しつつあるプロセス効率化、アジリティーの原動力になっている」

 例えば潤滑油メーカーのWD-40はITインフラの柔軟性を高めるために、それまでのハードウェアプロバイダーからNutanixに切り替えた。WD-40のITサービスマネジャー、マーク・ブリード氏はこの切り替えについて次のように説明する。「最初は従来の3ティア(3階層)インフラへの追加を検討していた。しかし、サプライヤーが提案するソリューションでは新しいサーバや追加のストレージトレイ、SAN(storage area network)スイッチハードウェアが必要になり、われわれのラックの予備容量を超過してしまう。最悪の場合、ラックを増やさなければならない可能性もあった」

 HCIには、高度な統合型アプライアンスもあれば、ソフトウェアベースでハードウェアに依存しないものもある。それぞれのアプローチにはメリットとデメリットがある。Computer Weeklyの最近の記事で、Quocircaの創業者でアナリストのクライブ・ロングボトム氏はこう指摘した。「手持ちのハードウェアにHCIソフトウェアを適用できることは、新しいハードウェアを導入せずに済むという点で、明らかにコスト削減になる。だが高度な技術を使った相互接続や内部データバスの欠如は、出来上がったプラットフォームから可能な限りの高パフォーマンスを引き出す上では不利に働く」

 Forrester Researchの報告書「Forrester Wave: Hyper-converged infrastructure (HCI) Q3 2016 market assessment」が定義するHCIとは、サーバ、ストレージ、ネットワークをモジュール式ユニットにパッケージ化してソフトウェアレイヤーを追加し、高度な技術スキルがなくても複数のユニットを横断して資産を手早く手軽に発見、蓄積、再構成できる技術インフラのアプローチを指す。

 主なメリットは、ビジネスニーズの増大に合わせてストレージと演算処理を組み合わせた追加的なHCIアプライアンスに投資することによって、インフラを拡張できる点にある。Forresterのリチャード・フィチェラ氏は報告書の中で、HCIの中核的な原則について次のように説明している。「HCIが提供する中核的な価値は、クラスタ拡張のシンプル性にある。これは部分的には、あらかじめ統合されたモジュールにおけるコンピューティングとストレージリソースの共同プロビジョニングに起因する」。つまりITバイヤーはHCIサプライヤーのノウハウを頼りに、そのサプライヤーが販売するコンピューティングとストレージの配分が適切なことを確認しなければならない。

 つまりサプライヤーが最初の提案をするに当たっては、十分な情報に基づく判断を行う必要がある。柔軟性を高めるために、サプライヤーの多くはさまざまなレベルのコンピューティングとストレージのモジュールを提供する。外部のストレージリソースにアクセスして連携できるアプライアンスを提供するサプライヤーもある。

 製品を評価する際に重要な基準の1つが、ソフトウェア定義インフラの管理能力だ。Forresterによると、HCIの中核的な価値は、仮想マシン(VM)ストレージ管理をシンプルにできる点にある。「HCIはまた、連携する物理ノードのストレージのソフトウェア抽象化を提供して、このストレージをハイパーバイザーに提示しなければならない」。同社は2016年の市場評価報告書にそう記している。

 Forresterの市場評価で3番目に挙げられている基準は、自動発見/設定の機能だ。「HCIは、新しいリソースを発見してその環境に追加でき、オペレーターの介入を最低限に抑えられる必要がある」とフィチェラ氏は解説する。これを管理に要する時間に換算するのは困難だが、20T〜100TBのストレージモジュールをHCIに追加する場合、管理時間が15分を超えるべきではないとForresterは助言する。さらに、HCIの再設定も、既存のノードに管理者が一切介入することなく、自動的に行われなければならない。

サードパーティー管理ツール

 もう1つの基準として、サードパーティー管理ツールを利用できるかどうかも考慮する必要がある。

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