Android端末は特に注意を
Bluetoothがペアリングなしで乗っ取られる危険、「BlueBorne」からスマホをどう守る
Bluetoothデバイスに対してリモート接続を可能にする脆弱(ぜいじゃく)性「BlueBorne」とは何か。どのような対応が必要か、専門家が解説する。
幾つかのBluetoothの脆弱(ぜいじゃく)性がセキュリティ企業Armisの研究者により明らかになった。Armisの研究者はこれらの脆弱性を総称して「BlueBorne」と名付けた。BlueBorneという脆弱性はどの程度深刻なのだろうか。企業は自社のモバイルデバイスへのBluetoothアクセスを無効にすることを検討すべきだろうか。
2017年11月、Armisの研究者は、対象となるユーザーに気付かれることなくデバイスにリモート接続することを可能にする、幾つかのBluetoothの脆弱性を発見した。
AndroidやLinux、Windows、iOSデバイスにおいてこれらの脆弱性の報告が上がった。このエクスプロイト(脆弱性攻撃プログラム)に対する責任ある開示を通じて、これら全てのベンダーが「BlueBorneに対してパッチを作成するように」との連絡を受け、Armisと協力して対策を講じた。現在懸念されているのは、アップデートを有効に適用しない可能性のあるBluetoothデバイスが膨大にあることだ。この懸念は、Androidデバイスへのアップデートの提供を全ての製造業者に実施させる必要があることと合わせ、BlueBorneの脆弱性を修正する際に最も大きなハードルとなるだろう。
BlueBorneを利用すれば、攻撃者はリモートコード実行や中間者攻撃が可能となる。世の中にさまざまなBluetoothデバイスが存在しており、攻撃者がこれらのデバイスにリモート接続したりトラフィックを傍受したりする際の容易さを考慮すると、この攻撃は危険だ。このエクスプロイトを利用すると、攻撃者のデバイスを被害者のデバイスとペアリングさせることなく、被害者のデバイスを他の何らかのデバイスとリモート接続させることが可能だ。発見可能モードに設定されている必要もない。基本的に、パッチ不適用のシステムを実行しているBluetoothデバイスは、脆弱性が高いといえる。
しかし影響を受けるベンダーは、BlueBorneへのパッチを既にリリースしている。Microsoftは2017年7月のリリースでこのバグに対してパッチを適用しており、AppleのiOSは「iOS 10」以降になっていれば影響を受けない。問題は、Androidを使用している場合だ。Androidはこれまでも、脆弱性に対するパッチの適用が遅く、パッチを適用するにはベンダーの協力を仰ぐ必要がある。
同様に、より大きな問題は、ネットワークに接続している全てのスマートデバイスやモノのインターネット(IoT)のデバイスで発生する。つまり、TVやキーボード、電球、ヘッドフォンなどは全て攻撃を受ける可能性がある。恐らく、これらのデバイスからデータが漏えいする可能性は比較的低いが、それでも、情報が傍受され、この問題をさらに広げる方法として利用される。
これらの脆弱性が引き起こす別の懸念としては、ワームが作成されて混雑する場所に放たれると、近距離にあるデバイスを通して広まってしまう可能性がある点にある。この場合、特定のエクスプロイトによる攻撃が全てのスマートフォンに有効とは限らないが、適切なコードを使用し、条件が整った場合は、攻撃が有効になる可能性がある。例えば、スタジアムまたは大群衆のど真ん中でワームが放たれ、システムに適切なパッチが適用されていない場合、理論上はワームが広まってしまう可能性がある。
システムを乗っ取ったり、中間者攻撃を実行したりするためのコードインジェクション攻撃ができれば、情報を盗むために利用することができ、非常に厄介だ。
これらの攻撃はファイアウォールの内側で起こっており、攻撃を実行するために攻撃対象者のネットワークに接続する必要がない。これは実質、バックドアのようなものであり、この方法を使えば攻撃者は遠隔地から被害者のネットワーク内に入りシステムを侵害することが可能となる。
可能であれば、全てのシステムにパッチを適用するか、または不要な時はBluetoothデバイスをオフにしておくことが極めて重要だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] これからのデータインフラに必要な要素とは? 将来を見据えたインフラの在り方 -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 中堅・中小企業が標的に ランサムウェアやサプライチェーン攻撃にどう備える? -
事例
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 手ごろな価格で高品質 中小企業向け「SOCサービス」に対する導入企業の声は? -
市場調査・トレンド
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 急増する高度なフィッシング詐欺 先回りしてブロックするには何が必要? -
製品資料
[NTTドコモビジネス株式会社] Windows 11への移行で運用費が増加? 3つの視点で防ぐ「隠れコスト」
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
4
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
5
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
6
ファイル探しに週1時間以上が5割弱 ファイルサーバでは消えない「最新版迷子」
-
7
「恥を知るべきだ」 AIデータセンター反対運動を招いた事業者の秘密主義
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
10
SAP移行の改修工数を最大87%削減 AWSのAIエージェント実験で分かった限界
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー