モジュール構造が差異化ポイント
モトローラの新型スマホ「moto z2 force edition」、満足度は「iPhone 8 Plus」「Galaxy S8」に匹敵か
Motorola Mobilityの「moto z2 force edition」の性能や機能は、「iPhone 8 Plus」「Galaxy S8」といった他のハイエンドスマートフォンと比較しても、決して見劣りしない。
スマートフォン市場ではAppleとSamsung Electronicsが多くの注目を集めている。だがLenovo傘下のMotorola Mobilityも相変わらず素晴らしい製品を販売している。同社の最新主力モデル「moto z2 force edition」は、大型ディスプレイ、高速プロセッサ、高性能カメラを備える。moto z2 force editionは、「moto z」「moto z2」といった過去の機種と同様、「moto mods」を使って拡張できるモジュール構造のデバイスだ。
構造とデザイン
スマートフォンの大型ディスプレイは好評だが、本体がかさばるのは不評だ。5.5型ディスプレイ搭載のスマートフォンが、辛らつな評価を受けないようにするには、本体を極薄にするしかない。moto z2 force editionはこの目標を実現しており、厚さはわずか6.1ミリ。大型ディスプレイを囲む本体は155.8×76ミリだ。これにより、サイズの点ではSamsungの「Galaxy S8」やAppleの「iPhone 8 Plus」など、トップクラスの競合機種にほぼ匹敵している。重さは143グラムと軽量だ。主要競合機種と比べても少し軽い。実際に使用してみると、moto z2 force editionはズボンの前後のポケットに楽々収まる。ただし、その上に座らないように注意が必要だ。
薄さといえば、超薄型スマートフォンを所有する利点の1つとして、保護ケースを装着しても、それほどかさばらない点が挙げられる。moto modも装着できる。
moto z2 force editionは、撥水(はっすい)効果を発揮するナノコーティングを施している。ある程度なら水にぬれても保護してくれる。例えば誤って水をこぼしたり、水が跳ねたり、小雨に降られたりした場合などだ。誤解のないように触れておくが、防水ではない。
ディスプレイ
moto z2 force editionは、解像度1440×2560ピクセルのディスプレイを中心に構築されている。非常に小さいピクセルが混ざり合って、継ぎ目なく画像を表示する。moto z2 force editionが採用する有機ELディスプレイには、従来型の液晶ディスプレイを上回るメリットが幾つかある。本稿のテストでは、全体的に色が明るく、そのおかげで直射日光下でも使いやすいことが分かった。ディスプレイ自体も薄くて軽い。この点はmoto z2 force editionのスリムなデザインの一因となっている。
有機ELディスプレイの欠点は、焼き付きが起こりやすいことだ。そのため頻繁に表示される要素が永久的にうっすら画面に残る可能性がある。GPS(全地球測位システム)を活用したアプリケーションなど、同じアプリを長時間実行する場合は気を付けてほしい。ディスプレイのアスペクト比は16:9で、ワイド画面の映画で使用される比率と同じだ。動画再生に非常に適している。
moto z2 force editionは、ディスプレイを保護するために「moto shattershield」という自社開発テクノロジーを採用している。注意点として、shattershieldを採用しているからといって、moto z2 force editionを乱暴に扱えばディスプレイに傷が付く可能性がある。また、そのような扱い方をした場合は保証の対象外になる。
端子、ボタン、スピーカー
過去のモデルと同様、moto z2 force editionで注目すべきはmoto mods用のコネクターだ。moto modsはスマートフォンの背面に取り付ける専用アクセサリー(周辺機器)のことで、装着によってさまざまな機能を追加できる。moto modsには、JBLブランドの大音量スピーカー「JBL SoundBoost 2」やmophieブランドの追加バッテリー「mophie juice pack」などがある。
本体下部面にはUSB Type-C端子がある(画面3)。この端子は比較的新しく、従来のMicro-USBの後継になるものだ。利便性も向上している。USB Type-C端子は比較的短時間でmoto z2 force editionを充電できる。裏表の区別なく差し込めるため、端子への接続が簡単だ。有線でのデータ転送も高速になる。ただしmoto z2 force editionは、USB Type-C端子と同じ端子を使うI/O規格「Thunderbolt 3」の機能は利用できない。そのため、例えばThunderbolt 3準拠の外部ディスプレイをこの端子に接続することはできない。
ディスプレイのすぐ下に指紋センサーがある。これはスマートフォンのロックやロック解除に便利で、面倒なパスワード入力が不要になる。本稿のテストでは、学習済みの指紋の認識に関して、この指紋センサーは非常に高い精度を発揮した。他人の指紋を正しい指紋として誤認することはなかった。
moto z2 force editionの上部には、nanoSIMカードとmicroSDメモリーカードの両方を挿入できるスロットがある(写真4)。最大2TBのmicroSDメモリーカードを搭載可能だ。残念な点もある。nanoSIMカードとmicroSDメモリーカードを1つのスロットに収める形となるため、これらのカードを気楽に交換できないことだ。交換するにはmoto z2 force editionの電源を切って再起動しなければならない。
MotorolaはAppleと同じ道をたどり、イヤフォンジャックを廃止した。引き続き有線イヤフォンを使用するユーザーは、USB Type-C端子に接続するMotorola製のアダプターを使わなければならない。または無数に提供されているBluetoothイヤフォンやスピーカーを購入することになる。
moto z2 force editionのスピーカーはユーザー側を向いている。その音量は驚くほどだ。本稿のテストでは、多少騒がしい環境でも再生中の音を簡単に聞き取れることが分かった。本体から1メートル前後離れても、それは変わらない。
カメラ
ハイエンドスマートフォンには、非常に高い性能のカメラが搭載されていることを期待する。moto z2 force editionもこの期待を裏切らない。背面には、素晴らしい機能を備えた1200万画素のデュアル(2眼)カメラを搭載する。注目すべきは「ぼけ」を実現する機能だ。前景の人物や物体にフォーカスを合わせながら、背景をぼかした写真を撮影できる(写真5)。
付加機能は他にもある。レーザーオートフォーカス機能に加え、焦点深度やISO感度を手動で調整可能な「プロフェッショナルモード」などを搭載する。
moto z2 force editionは、正面に500万画素のカメラを搭載する。自撮り写真を滑らかな画質にするソフトウェアも備える。
アウトカメラはLED(発光ダイオード)フラッシュライトを備え、インカメラにもフラッシュライトを用意している。暗い場所で自撮り写真を撮影することが、これまで以上に簡単になる。
パフォーマンス
主力スマートフォンには高性能チップが欠かせない。moto z2 force editionは8基ものCPUコアを搭載するQualcommのSoC(統合プロセッサ)「Snapdragon 835」を採用した。Qualcommの「Adreno 540」がGPUとして機能する。
公式仕様ではRAMは4GBとなっている。これはAndroidデバイスとしては多く、安価なモデルに比べるとはるかに優れている。
本稿ではPrimate Labsのベンチマークテストツール「Geekbench 4」を使用して、moto z2 force editionをテストした。その結果、パフォーマンスはSamsungの競合機種と比べると上回っていた。だがApple製品には大きく引き離されていることが分かった(図1)。
総合ベンチマークは別として、これらのハイエンドスマートフォンはいずれも卓越したパフォーマンスを備える。moto z2 force editionは、ベンチマークテストではAppleのiPhone 8 Plusや「iPhone X」よりも若干パフォーマンスが落ちる結果となったが、日常用途では差を感じることはほとんどない。
他のスマートフォンとは異なり、moto z2 force editionのストレージは1つの構成しか提供されていない。64GBのストレージだ。もっと大容量のストレージを求めるユーザーは、microSDメモリーカードを購入する必要があるだろう。
ソフトウェア
リリース時のmoto z2 force editionは、Googleの「Android 7.1.1 Nougat」を搭載する。これはGoogleが2016年にリリースした最新バージョンのAndroidだ。Motorolaは「Android 8.0 Oreo」へのアップグレードも約束している。
moto z2 force editionには、コミュニケーション、生産性、エンターテインメント用の標準Androidアプリを一通り備える。Googleの公式アプリストア「Google Play」から他のアプリをダウンロードすることも可能だ。
他にプリインストールアプリが追加されているかどうかは、購入先の携帯電話会社によって変わる。本稿でテストしたmoto z2 force editionはVerizon Wireless版だ。Verizonは通常、ユーザーが望まない可能性のある余計なアプリをプリインストールすることを控えている。
ワイヤレス
moto z2 force editionは、米国大手携帯電話会社4社のAT&T Mobility、Sprint、T-Mobile USA、Verizon全てのLTE回線で動作するよう設計されている。もちろん地域携帯電話会社のU.S. Cellularのことも忘れてはいない。
主要な無線LAN規格にも準拠している。具体的にはIEEE 802.11a/b/g/n/acの2.4GHz帯と5GHz帯だ。Bluetoothはリリース時点ではBluetooth 4.2に準拠する。Android 8.0 Oreoへのアップグレードをしたら、Bluetooth 5.0に準拠するようになる。
バッテリー
moto z2 force editionには2730mAhのバッテリーを搭載しており、さまざまなタスクを実行しても24時間持続するという。別の言い方をすれば、それほど激しく使用しなければ終日バッテリーが持続する。
本稿では別の方法でmoto z2 force editionのバッテリーをテストした。無線LAN経由で動画を連続ストリーミング再生するテストだ。このタスクは非常に負荷が高いため、1回の充電による最短のバッテリー持続時間を大まかに見積もるのに適する。この過酷なテストでmoto z2 force editionは、9時間40分(580分)持続した(図2)。さらに長いバッテリー持続時間が必要な場合は、外付けバッテリーになるmoto modsを購入すればよい。
moto z2 force editionがUSB Type-C端子を備えていることの大きなメリットの1つは、非常に高速に充電できることだ。Motorolaが提供するケーブルと充電器を使ったところ、わずか10分でmoto z2 force editionを20%まで充電できた。15分では26%だった。30分充電するだけで、バッテリーを51%まで充電できた。
注意点として、高速充電はバッテリーが空に近い状態のときであり、90%から100%まで充電するプロセスでは、もっと低速になる。バッテリーが過充電にならないよう、moto z2 force editionに慎重さを求めるためだ。
moto z2 force editionはワイヤレス充電を組み込んでいない。ただし、この機能を追加するmoto modsが幾つかある。
結論
最先端のスマートフォンを実現しようとする競争が非常に激しい中、スマートフォン市場で卓越した存在になることは容易ではない。だがmoto z2 force editionは、それを成し遂げている。デザインはスリムで、ディスプレイには目を見張るものがある。カメラの出来は平均を上回っており、パフォーマンスも素晴らしい。中でもmoto modsを利用して新機能を追加できる機能が、数々のスマートフォンの中でmoto z2 force editionをひときわ目立つ存在にしている。
マイナス面は、moto z2 force editionには非常に強力なライバルが存在することだ。拡張モジュールに興味のないユーザーなら、多くの友人や同僚と同じようにGalaxy S8を選んだとしても全く不思議ではないだろう。
長所
- 卓越した有機ELディスプレイ
- 指紋センサー
- moto mods
短所
- 非常に強力な競合機種
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