ネイティブツールだけでは不十分
DellやIBMの統合クラウド管理ツールを導入すべき4つの兆候
マルチクラウド環境の運用において、クラウドベンダーのネイティブツールは管理者にとって不十分な場合が多い。本稿では、サードパーティー製クラウド管理ツールを導入するタイミングを示す4つの兆候を紹介する。
マルチクラウド環境を導入すると、使用サービスの数が管理できる能力の限界を超える時がいずれ来る。それが転換点であり、サードパーティー製クラウド管理ツールを評価するタイミングになる。
当然、正確な「転換点」は企業ごとに異なる。企業の規模、管理するサービスの複雑さ、セキュリティ、ガバナンス、クラウドの運用担当者のスキルに左右される。
では、サードパーティー製クラウド管理ツールを導入するタイミングをどのように判断すればよいだろうか。そこには4つの共通する兆候がある。
開発者の不満
最も明確な兆候は、アプリケーションへのリソースの割り当てにかかる時間について開発者が不満を漏らすことだ。
開発者は、データ保管やコンピューティングなどの操作をするためにクラウドへのアクセスが必要になる。その際にIT部門の管理者へアクセス許可を求めるメールを送るだろう。こうしたメールが週に何通届くかを確認するとよい。もしメールの数が多く、クラウドの管理にネイティブツールしか使用していないのであれば以下を検討したい。まず開発者からの要求を来た順番に保管しておく。次に「AWS」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」など特定のパブリッククラウドを専門に扱うスタッフをその対応に割り振るとよい。これらの要求を正しく管理しないと、解決されないまま要求が滞留し、業務に遅れが生じてしまう。
より良いアプローチは統合クラウド管理ツールを使用することだ。こうしたツールには、Dellの「Dell Cloud Manager」、IBMの「IBM Cloud Orchestrator」、クラウド管理ツールベンダーScalr社の「Scalr」エンタープライズ版などがある。それぞれ違いはあるものの、いずれのツールもプロビジョニング機能によってハイブリッドやマルチクラウドのインフラ管理をシンプルにする。管理者はこれらのツールを利用することで、クラウドベンダーのネイティブツールを使わずに済む。加えて、開発者にクラウドへの代理アクセスを許可できるため、開発者はクラウドのリソースを直接確保できるようになり、担当者を待つ必要がなくなる。
責任の所在が不明瞭
マルチクラウド環境やハイブリッドクラウド環境を構築し、それら全てのリソースを管理しようとすると、セキュリティ侵害を受けるリスクが高まる。それぞれのクラウドに対する責任者が誰かを管理チームが把握しきれていないために、説明責任が完全に失われるからだ。この場合も、サードパーティー製クラウド管理ツールを導入すべきだろう。
適切なセキュリティを確保するには、まず、使用しているクラウドリソースと、そのリソースのセキュリティを確保する担当者をしっかりと把握して、要件をまとめる必要がある。前述のツールを含め、サードパーティー製クラウド管理ツールは、誰がどのリソースをプロビジョニングしているかを追跡できる。加えて、各クラウドの担当者がセキュリティ確保のためにとった操作も追跡可能だ。
パフォーマンスへの苦情
エンドユーザーからパフォーマンス関連の苦情が多数寄せられるようになったら、クラウド管理ツールや監視ツールの追加を検討する時期になったといえる。一般に、そのような苦情が出るのは、アプリケーションがクラウドから必要な量のリソースを受け取っていないために、リソースの確保に手いっぱいになっているからだ。
この問題は、パフォーマンスの指標に基づくリソースの自動割り当てによって解決できる。アプリケーションの使用するメモリがクラウドに構成されたインスタンスの限界に近づくと、新しいインスタンスが起動されてアプリケーションの要求を満たす。ほとんどのクラウド管理ツールは、自動割り当てが可能な自動プロビジョニング機能とクラウドオーケストレーション機能を備えている。
コストの割り当てに関する混乱
クラウドの費用について、どの部門がどの部分を担当しているのか言い争いが起きるのであれば、サードパーティー製クラウド管理ツールに切り替える時期に来ている。
マルチクラウド環境では、各クラウドベンダーに支払う費用を明確にすることが重要だ。使用中のサービス、そのサービスを使用するユーザー、そのサービスのコストの3つを追跡し、ログを記録する必要がある。各クラウドベンダーはそれぞれのクラウドサービスについてコスト計算機能を用意している。サードパーティー製クラウド管理ツールはさらに統合管理機能を備えており、コストの監視、限度額の設定、各部門への金額の通知と費用の振り分け(ショーバックとチャージバック)処理ができる。
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