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ROIインサイダー:情報ライフサイクル管理のビジネス価値とは?
情報ライフサイクル管理(ILM)は、データの効果的な管理に適した手法として推奨されている。ILMを導入することによって、どのようなビジネス価値が得られるのだろうか。
SAN(Storage Area Network)の普及およびストレージ管理ソフトウェアパッケージの進歩に伴い、階層管理というコンセプトや、情報ライフサイクル管理(ILM)などのインテリジェント管理方式が再び脚光を浴びている。
ILMは、企業がデータを効果的かつ効率的に管理するのに適した手法/技術として推奨されている。各種の業務データを、その特質に応じて処理/管理/移動/保護/アーカイブを行うというのがILMの考え方である。
ILMは、メインフレームで採用された階層型ストレージ管理(HSM)と同様の経済的効果を実現するが、総合的な視点に立ち、データのビジネス価値を考慮に入れるという点で、HSMよりも優れている。
ILMを導入することにより、どのようなビジネス価値が得られるのだろうか。
SAN(Storage Area Network)の普及およびストレージ管理ソフトウェアパッケージの進歩に伴い、階層管理というコンセプトや、情報ライフサイクル管理(ILM)などのインテリジェント管理方式が、ストレージアーキテクチャのプランニングにおいて再び脚光を浴びている。
ILMは、企業がデータを効果的かつ効率的に管理するのに適した手法/技術として推奨されている。各種の業務データを、その特質(データの古さ、使用パターン、コンプライアンス/アーカイブポリシー、セキュリティ/災害防止ルール、価値など)に応じて処理/管理/移動/保護/アーカイブを行うというのがILMの考え方である。
ILMのルーツは、1980年代初頭にメインフレームのストレージ管理方式として普及した階層型ストレージ管理(HSM)にある。メインフレームのディスクサブシステムのコストの高さ、そして毎年50%以上というストレージの爆発的な増加という問題に直面したメインフレーム管理者たちは、HSMを採用した。めったにアクセスしないデータを、高価なオンラインのハードディスクからニアラインのオプティカルジュークボックス(当時はハードディスクのコストの約4分の1)に移行し、最終的にはオフラインのテープライブラリ(ハードディスクのコストの約10分の1)に移行することによって、ストレージコストを削減するものであった。
適切なデータ移行ルールを確立すれば(データの古さにかかわらず、頻繁にアクセスするデータや即座にアクセスする必要のあるデータをニアラインに保持する)、情報へのアクセスでほとんど(あるいはまったく)遅延を引き起こすとはないとされた。加えて、貴重なディスクサブシステムを節約し、データ増大に対応するためにディスクサブシステムを新たに購入する必要性をなくせば、大幅な経費節減が可能になると考えられた。
ストレージコスト以外の面でも大幅なコスト節減が期待された。ストラテジックリサーチなどの調査会社によると、ハードディスクへの投下資本コスト1ドルに付き、ストレージの運用管理およびユーティリティのコストは7ドル以上にも達していた。ハードディスクに保存されたデータの90%以上は、ユーザーあるいはアプリケーションによって頻繁にアクセスされることがなかったため、インテリジェントな管理手法を導入し、アクセス頻度の低いデータをより安価なストレージに移行する必要性が認識されたのである。
ILMそれ自体は新しいコンセプトではない。1990年代初頭、記録係や情報管理担当者らは、データの作成/収集から編集/修正、発行/改訂、保管、最終的にはデータの廃棄に至る、データのライフサイクル全体を把握するための手段としてILMを導入した。HSMと同様、ILMもさまざまなストレージメディア(ハードディスク、オプティカルディスク、テープ)を活用し、移行/アーカイブ/ディザスタリカバリ管理のためのさまざまなルールを用いることによって、ストレージのコストを最小限に抑えることを目的とする。
ILMは、メインフレームで採用されたHSMと同様の経済的効果を実現する。作成されてから90日以上経過したデータは、めったに(あるいはまったく)アクセスされることがなく、オンラインストレージは今日でも購入/運用コストが高いことを考えれば、費用効率がますます高くなっている技術に移行する魅力は大きい。すべてのデータは同じ価値を有するわけではない――この事実を考慮することによってコストの削減が可能になるのだ。
ILMは、総合的な視点に立ち、データのビジネス価値を考慮に入れるという点で、HSMよりも優れている。ILMを導入することにより、アクセス速度の要件を満たすと同時にストレージコストが最小限になる適切なストレージメディアを特定できるのみならず、さまざまなビジネス要件(情報セキュリティ、ディザスタリカバリ、データ保持ルール、コンプライアンス規定、廃棄)に応じてデータを監視する適切なプロセスと道筋も明確になる。適切なタイミングと適切な価格で適切なストレージを利用すれば、IT部門が大量の情報を管理するのが容易になると同時に、コストの削減およびストレージ業務の効率の改善が可能になるのだ。
ILMの導入状況は、ガートナーの調査によると、2004年末の時点でILMソフトウェアパッケージを購入・配備した企業の割合は6%以下だったが、2005年および2006年に購入を予定している企業は50%以上だった。
すべてのストレージに対してILMを導入することで得られるビジネス価値には、以下のようなものがある。
- データ量の増加に応じてハードディスクを追加する必要性が減少する
- データ量の増加に対応するための作業(移動/追加/変更)、パフォーマンスの最適化、バックアップ/リストアといったストレージ管理作業が減少する
- バックアップウィンドウ(バックアップが可能な時間帯)の超過およびその結果としてのパフォーマンス低下が減少する
- オンラインストレージの復旧の必要性が少なくなるため、ディザスタリカバリの時間が減少する
- コンプライアンスのコストおよびコンプライアンス問題のリスクが減少する
特にアプリケーションや電子メールのデータベースの場合、古いデータを本番用のデータベースから取り出してアーカイブ保存することにより、以下のようなことが可能になる。
- 本番用データベースのサイズが小さくなるため、アプリケーションおよびデータベースのパフォーマンスが向上する
- データベースのアップグレードやメンテナンスに伴うダウンタイムが減少する
- バッチ処理ウィンドウ(バッチ処理のための時間帯)の超過によるリスクが減少する
- 開発/テストにおけるワークロードとストレージ要求が減少する
社内データの50%以上を安価なメディアに移行することができる企業の大半では、ILMソフトウェアパッケージの導入・運用に必要なハードウェア、ソフトウェア、トレーニング、システム管理、サポートに投資する価値は十分にある。データ量が年率50%以上増加している企業では、ILM導入によるコスト削減とストレージ管理の効率改善というメリットだけでも、12カ月以内で投資を回収することができ、通常、ROI(投資利益率)は250%以上にも上る。
スタッフの能力と経験が不足しているために、ILMソリューション/プロセスがITチームの手に余るようであれば、期待するROIを実現するのは難しい。ILMへの対応能力が不足していると、不適切な移行ルール、情報へのアクセス障害、データの喪失、コンプライアンス問題、アプリケーションのパフォーマンス/可用性問題などにつながるからである。
ILM技術を導入するに先立ち、ITチームはデータを管理する上で必要なプロセスを十分に理解して文書化しなければならない。このプロセスには、データの古さ、利用率の特性、価値、保持/コンプライアンスルール、その他の重要な管理基準に基づいてすべてのデータを分析・分類する作業が含まれる。まず最初に、すべての管理ルールおよびライフサイクルパスを決定し、それに基づいてシステムおよびソフトウェアパッケージを選定すべきであり、ILMソリューションを先に選択すべきではない。
詳細な文書化、評価技術の選定、連携および配備という作業に適切な分析とプランニングを組み合わせることにより、ILMはストレージの総合コストを最小化するとともに、ストレージのビジネス価値を最大化することができるのである。
(この記事は2005年5月25日に掲載されたものを翻訳しました。)
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