ゲートの守りを固めよう
携帯端末からのネットワーク接続を規制するには
企業の資産を守るため、遠く離れた場所から会社のサーバやデータにアクセスする携帯端末を検出し、管理するための方法を紹介する。
ネットワークに接続しているデバイスを把握することは、企業の資産やデータのプライバシーを守るために重要だ。遠く離れた場所から会社のサーバやデータにアクセスする携帯端末を検出するには、どうしたらいいのだろうか。
デスクトップとの同期
多くの携帯端末の場合、会社のサーバまたはデスクトップとの定期的なデータの同期化が会社との主要な「接触ポイント」となる。10年前、米Palmは同社のPDA「Palm Pilot」をデスクトップPCと直接同期させるためのクレードルを導入した。しかし今日、多くのモバイルワーカーは、無線で携帯端末をMicrosoft Exchange Server(以下、Exchange)のようなDMZ(非武装地帯)の電子メールサーバやSybase iAnywhere Afaria(※)のような携帯端末管理ツールと同期させている。
※注 Afariaは国内未発売。製品については要問い合わせ。
Sybase iAnywhereの技術担当副社長、ジョー・オーウェン氏は、「携帯端末をBluetoothやクレードルを使ってデスクトップと同期させるとき、Afariaクライアントがデスクトップ上で動作していれば、同期化処理を禁止できる。あるいは、新しい携帯端末にAfariaをインストールするよう指示するメッセージをデスクトップに返す設定にすることもできる」と話す。
しかしオーウェン氏によると、デスクトップ同期化は時代遅れになったという。「現在、当社の顧客の大多数は、携帯端末による同期化を防止するためにデスクトップをアクセス禁止にしている。彼らはゲートウェイを使って、境界部あるいはDMZ上で携帯端末からのアクセスを処理するようにしている」と同氏は語った。
Gartnerのジョン・ジラード氏も、ケーブルやクレードルを用いた同期化を無効にすることを強く推奨している。「デスクトップ同期化を有効にした時点で、監視と管理が難しい第二の経路を開放することになるのだ。そのデスクトップに監視用エージェントを常駐させていなければ、同期化が行われても分からない」と同氏は説明する。
「それよりも、携帯端末がオフィス内のシステムやサーバにアクセスするために最初に会社のネットワークに入ろうとする時点で、それらを“ゲートでチェック”すべきだ」とジラード氏はアドバイスする。「ユーザーが自分の携帯端末を管理している場合でも、企業はサーバルームやオフィスの機器の管理を放棄する必要はない。WAN、LAN、サーバの境界部でのアクセス制御は、不適切な利用によるダメージを防止する上でますます重要な役割を果たすようになった」と同氏は語る。
境界部での検出とプロビジョニング
例えば、Afariaのユーザーは、未認可あるいは未プロビジョンニングのWindows Mobile端末がExchangeとの同期を試みたときに、それを検出することができる。「われわれは、Exchange上でISAPI(機能拡張用API)アドインとして動作し、同期化の試みを検出できるソフトウェアを提供している」とオーウェン氏は話す。
正しくプロビジョニングされた端末はすべてExchangeとの同期化が許可されるが、それ以外の端末はエラーメッセージを受け取る。このメッセージには、無線でプロビジョニングを行うためのURLが含まれている。プロビジョニング用のURLが含まれるSMS(Short Message Service)メッセージを、新たに登録された携帯端末に送信することもできるという。モバイルユーザーがこのURLで会社のWebサーバにアクセスすると、Afariaクライアントがダウンロードされ、インストールするための確認メッセージが表示される。
次に、Afariaソフトウェアとポリシーを含む適切なクライアントパッケージが端末にプッシュ配信される。これは通常、無線ネットワーク経由で行われるが、任意のインターネット接続を利用できる。クライアントがインストールされると、携帯端末は定期的に会社のDMZ上のAfariaサーバに自動的に接続する。このサーバは、管理者が作成したブラックリストとホワイトリストに照らして携帯端末のIDをチェックした上で、認可された端末にポリシーを適用するほか、紛失した端末や盗まれた端末の登録は抹消する。接続の試みおよびインベントリ化された属性は、リポート作成用にログ記録される。
わたしはSybaseとHTCが実施したトライアルに参加し、このプロセスのユーザー側での動作を体験した。わたしが選んだ「HTC Touch Dual」には既にクライアントパッケージがインストールされていたが、プロビジョニングはまだ完全ではなかった。リモートのAfariaトライアルサーバに無線ブロードバンドで接続し、インスタントメッセージング(IM)の「iAnywhere Mobile」やメールの「OneBridge」などのアプリケーションやコンテンツ、設定をダウンロードすることにより、プロビジョニング作業は数分で完了した。しかしこのトライアルでは、Exchange同期化機能を通じて最初に端末を検出する作業は含まれていなかった。
電子メール以外のアプリにも対応が必要
上記の例は、境界部のアプリケーションサーバが携帯端末の検出に重要な役割を果たし得ることを示している。今日の携帯端末管理ツールの多くは、ある程度のメールゲートウェイ連携機能を提供している。これは、電子メールが主要なモバイルビジネスアプリケーションであるという状況を反映したものでもある。しかし、各種のモバイルアプリケーションのビジネス利用が拡大するのに伴い、各種のアプリケーションポータルやリモートアクセスVPNゲートウェイでの携帯端末の検出も一般化することは間違いない。次回は、ますます多様化する今日の携帯端末がもたらす新たな課題を検証し、それらに対処するための最新のテクニックを紹介する。
本稿筆者のライザ・ファイファー氏は、ネットワークセキュリティおよび管理技術を専門とするコンサルティング会社、Core Competenceの副社長を務める。ファイファー氏は20年近くにわたり、データ通信、インターネットワーキング、セキュリティ、ネットワーク管理製品の設計、導入、評価に携わってきた。各種の業界カンファレンスで無線LANやVPNなどのテーマについて講演を行っており、広範なIT関連メディアにネットワークインフラやセキュリティ技術に関する記事を寄稿している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
6
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
7
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
8
鉄道とIT、老舗企業はスマホアプリでいかに息を吹き返したか
-
9
事業計画と製販計画の連携力を高める需要管理システム「Oracle Demantra」
-
10
「VMware旧ライセンス」ユーザーに届いた“最後通告”が波紋を呼ぶ
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー