本当にHDDより超高速なのか?
SSDの利点を生かすにはシステムの設計変更が必要な場合も
IDCのテストによると、SSDと従来のデスクトップPC用HDDの性能差が、これまで考えられていたほどは大きくない可能性があるという。
SSD(Solid State Drive)に関するIDCのテスト結果は、SSDと従来のデスクトップPC用HDDの性能差が、これまで考えられていたほどは大きくない可能性があることを示している。IDCによると、フラッシュメモリを利用したSSDのメリットを最大限に引き出すには、システム(エンタープライズストレージシステムとPC)の設計変更が必要だという。
IDCは、BAPCoの「MobileMark」やPC Worldの「WorldBench」などの標準的なツールを使用してノートPC上で行ったベンチマークテストの詳細な結果を明らかにしていない。しかしIDCの研究員、デビッド・ラインセル氏によると、デスクトップPC用の7200rpmの2.5インチHDDとマルチレベルセル(MLC)/シングルレベルセル(SLC)のSSD、ならびにハイブリッドデバイスの比較テストをサードパーティーのラボと共同で実施したところ、デバイス単体に対して行った従来のラボテストの結果は誤解を招く可能性があることが分かったという。
「テストの多くは4200rpmのHDDとSSDを比較したものだった。しかし、現在では5400rpmが主流になっており、7200rpmのHDDも出回っている」とラインセル氏は指摘する。さらに同氏によると、7200rpmの2.5インチHDDを搭載したシステムとSSDを搭載したシステムとの性能差は、予想よりもかなり小さかった。これは主として、ストレージデバイス単体ではなくシステム全体のパフォーマンスによるものだという。
今回のテストでラインセル氏のチームは、SSDのメリットをフルに発揮するには、システムの設計変更が必要だという結論に達したという。「システムは相手がSSDであることを認識し、それに応じてデータを書き込むようなインテリジェンスを備える必要がある」と同氏は指摘する。一般に、SSDの書き込み速度は読み出し速度よりもずっと遅い。
「SSD技術では、しばらくの間は“相互依存性”が必要になるだろう。プラグ&プレイのように単純にはいかない」とラインセル氏は話す。
これらの指摘は、特に企業においてSSDを最大限に活用できるのは、早くとも1世代先になることを示している。しかしラインセル氏によると、2010年までに企業のコンピューティング環境へのSSD導入に拍車が掛かり、SSDの売り上げに占めるエンタープライズ市場の比率は2007年の12%から2011年には50%以上に達するというIDCの従来の予測に変更はないという。
「これまでHDD業界では、“越えることができない壁に直面している”と何回発表されたことだろうか」とラインセル氏は指摘する。「しかしそのたびに彼らは、垂直記録方式などの新たなイノベーションで壁を越える方法を見つけ出してきた。SSDでも同じことが起きると予想される」
ラインセル氏は、IDCが最近行ったテストでハイブリッド型ドライブのパフォーマンスの改善が見られたことを喜んでいる。「第1世代のハイブリッド型デバイスでは、パフォーマンスがいま一歩だった。これらのドライブはOSに依存し、システムが特定のデバイスを認識する必要があった。第2世代はOSに依存せず、ユーザーの振る舞いを学習するインテリジェンスがドライブに備わっている。第3、第4世代では、どんな進歩が見られるか楽しみだ」
SSDの統合に関するストレージベンダー各社の戦略は異なる。Pillar Data Systems、Hewlett-Packard(HP)、Fujitsu Computer Products of Americaなどのストレージベンダーは、SSDの統合を推進している。HPではネットワークの背後にSSDを配備するのではなく、サーバ上のバスにSSDを直接統合する計画だ。一方、EMCなどのベンダーは、ネットワーク遅延を含めても、SSDを利用すればサーバとストレージ間のデータのやりとりは高速になると指摘する。
エンタープライズストレージのリセラー、Soccour Solutionsのマイク・ウィラード社長は、後者の見解を支持するという。「現在使用されているSSDは、フラッシュドライブだけではない。今でも、I/O負荷の高いデータベース環境にわれわれが配備したDDR製品は、大いに成功している。これらの製品と15000rpmのFC(ファイバーチャネル)ドライブとの間の性能差は、現実のアプリケーションでは大きい」と同氏は述べている。
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