プロジェクト管理者なら知っておこう
オフショア開発7つの心得
オフショア開発はプロジェクトの未来の波だ。どんなプロジェクト管理者でも遅かれ早かれ対処する必要に迫られる。
ソフトウェアプロジェクトのオフショアアウトソーシングは流行だし先進的だ。それに管理者たちはいまだに安上がりだと考えている。いずれにしても、これはプロジェクトの未来の波だ。どんなプロジェクト管理者でも遅かれ早かれオフショア開発に対処する必要に迫られる。そこで着手する前に知っておくべき7項目を以下に紹介しよう。
1. ステレオタイプ
アメリカ人はみんな銃を持っている。オランダ人は誰もがケチだ。フランス人のウェイターはみんな……いや、やめておこう。われわれ人類はステレオタイプが大好きだ。決め付けずにはいられない。脳の一画に「未知の」部分がある場合、世界の中で手掛かりが何もない場所がある場合、われわれは想像に頼る。正しい情報がなければ何らかの「代用」情報で埋めなければならないのだ。たとえ自分が使う情報が正しくないと分かっていたとしても。誤った情報の方が、情報が何もないよりは安心する。
未知の文化と相対する場合、われわれは心を落ち着かせるためにステレオタイプを利用する。間違ってはいても、そうせずにはいられないのだ。ただしどんなステレオタイプを選ぶかには気を配った方がいい。「信頼できない金銭詐欺師の外国人」よりも、「勤勉で親切で家族思い」のイメージを選んだ方が心穏やかでいられる。
2. 自分は間違っている
自分が知っていると思っていることはすべて間違っていると考えよう。オフショアプロジェクトが挫折する最たる要因は思い込みだ。相手が分かってくれていると思い込む。自分は伝えたいことをはっきり伝えられていると考える。締め切り厳守は当然だと考える。考えるのをやめろとは言わないが、すべての局面で「自分は間違っている」と思うことだ。例えばインドのチームと仕事をする場合、常に仕事を山積みにしておく必要がある。こなすべき小さな仕事がたくさんなければならない。やるべき仕事が多いほど、彼らは安心して効率的になる。雇用主に働くことを期待されているのにやるべき仕事が少ないと不安に駆られる。平均的な欧米人のチームとは正反対なのだ。
しかし、別のインドのチームで仕事を山積みにすると、今度は仕事を減らしてくれと要求される。肝に銘じてほしい。自分は間違っている。常に。
3. 違いを理解する
オフショアのパートナーに純粋な関心を示し、相手の文化の中に飛び込む。そこで違いを悟る。前項の「自分は間違っている」を思い出さなければならないのはまさにこんなときだ。「違っている」などという生易しいものではなく、違いをはるかに超越した違いだ。それでもとにかく試してみることだ。世界を違った角度から眺めてみよう。その訓練のためにビデオ「30 Days: Outsourcing」を参照するといい。パート1とパート2がある。米国人のプログラマーがインドのバンガロールで働いて30日間過ごすという筋書きだ。彼は米国でやっていた仕事がバンガロールにアウトソーシングされたため、解雇された。最初は怒りに満ちた態度(野郎、オレの仕事を返せ)で臨むが、戻るころにはもっと温厚な物の見方ができるようになっている。
4. コミュニケーションをとる
パートナーとのコミュニケーションが必要だ。すべての思い込みが失敗につながりそうなとき、そしてすべての思い込みが間違っていることがほぼ確実なとき、解決策は1つしかない。コミュニケーションだ。ほんのちょっとした会話を交わすだけで共通の話題ができ、互いの職業観に関する共通認識が確立される。プロジェクト管理者は海の向こうのパートナーと定期的に接触し、問題になりそうな兆候に気を配って原因究明のための質問をし、適切な解決策を見つけるために協力する必要がある。大切なのは、このコミュニケーションは単に誤った思い込みを正すのが目的であって、声高に責任を追及するのが目的ではないということだ。
5. オーバーヘッドの受容
アウトソーシングしたプロジェクトの内部では、コミュニケーションは過度なくらいの方がいい。分量と深みの両面において、より多くの情報を交換し、より多くの文書を作成する。内容はできるだけ具体的に。この種のオーバーヘッドは大きい方がいい。小さなプロジェクトを1つだけオフショアにアウトソーシングする価値がないのはこのためだ。オーバーヘッドに投資する必要があるので、プロジェクトの規模が大きく期間が長いほど、より長期にわたって恩恵を受けられ、見返りは大きい。
6. 歩幅は小さく
言葉を尽くしたとしても、自分が間違っていると認めたとしても、フィードバックはできるだけ早く受けた方がいい。ソフトウェアや設計やほかの製品を示すことで、自分が正しく理解されているかどうかを確認できる。より早く、より小さく。自分に対するフィードバックはまだ理にかなっているうちに、できるだけ早く、できるだけ小さい方がいい。小さな歩みを重ねることで、暗闇の中で常に自分が正しい方向に向かっていることをつま先で確認しながら、共に手探りで進んで行ける。
7. 「いい人」になる
誰でも親切に接して欲しいと思うものだ。しかし、相手が遠く離れた場所にいると驚くほど無神経になれてしまう。「どうでもいいじゃないか。会うこともないんだから」。この世の中にはカルマがあるのだ。自分の業は自分に跳ね返ってくる。世界規模で仕事をしている場合はなおさらだ。米国税局が自分を狙っているのは高級車に嫉妬しているためだと考えているなら考え直すことだ。世界のどの従業員に対して自分が悪い印象を与えたか、覚えておいた方がいい。
本稿筆者のバス・デ・バー氏は、狂気のさたに近いプロジェクト管理の世界を知り尽くしている。出版業界でプロジェクトマネジャーを務め、プロジェクト管理専門の人気Webサイトwww.SoftwareProjects.orgの編集者でもある。突然任されたプロジェクト管理について指南した著書「Surprise! Now You're a Software Project Manager」(Multi-Media Publications刊、2006年9月)は実際の経験に基づいている。
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