SMBでこそ可能なBPM
BPM戦略を成功に導くための7つの作業
SMBはその規模・特質から、大企業よりもBPMが成功する可能性が高いという。社内リソースが乏しいSMBが自社の業務プロセスを合理化・効率化するのに有効なBPMの7つの作業を紹介する。
もしもあなたがビジネスプロセスマネジメント(BPM)は非常に複雑であり、中堅・中小企業(SMB)がBPMを実現するには時間がかかり過ぎると思っているのだとしたら、考え直した方がいい。たとえ社内リソースが乏しくても、SMBのIT部門は自社の業務プロセスを大企業と同じように合理化・効率化するためのBPM戦略を策定することができるのだ。
「実際には、SMBはその規模と特質により、大企業よりもBPMが成功する可能性が高い」と話すのは、IT管理を専門とする米調査企業Enterprise Management Associatesのデニス・ドログセス副社長だ。「組織の規模が小さいほど、大きな改革を実現しやすい」と同氏は語る。
「SMBの特質として、社内の力関係が複雑でなく、大胆な改革を実行できる可能性が高いことが挙げられる」とドログセス氏は指摘する。「社内での周知徹底やドキュメントの作成に大変な労力を必要としないので、短期間で実質的な投資効果を期待できる」
BPM計画を成功させようと意気込む必要がない場合もある。米調査会社Forrester Researchのアナリスト、ケン・ボルマー氏によると、SMBは既に、BPM戦略を用いずにプロセスを効果的に改革するのに成功している可能性もあるという。つまり、これらの企業がさらに改革を進める場合には、ゼロから始めなくてもよいということだ。「小規模企業は一般に柔軟性が高い。これは、プロセス改革の取り組みでは有利に作用する」と同氏は話す。
ボルマー氏はBPM戦略を立案・策定する上で必要な作業として、以下の7つを挙げている。
1. 以前にうまく機能したビジネス・IT連携チームのメンバーを選び出す
2. 選出メンバーで改善点を洗い出す
選出したチームでブレインストーミングを行い、複数の業務にまたがるプロセスで改善が必要なものを洗い出す。これは大規模なプロジェクトにするという意味ではない。ボルマー氏によると、最初の取り組みでは、1つ、多くても2つのプロセスの改善を目指すべきだという。
「開始当初はプロセス改善手法のトレーニングと習熟に多くの時間を取られるため、あまり手を広げないことが大切だ」と同氏は話す。「最大のプロジェクトに取り組む前にBPMの基本を学ぶ必要があるため、最初は小さな規模でスタートし、その成果を踏まえてプロジェクトを拡大するのが望ましい」
3. コスト削減の可能性を見積もる
改善によるコスト削減の可能性を控えめに見積もり、この見積もりに基づいてBPMツールの取得予算を獲得する。
4. 予算を獲得する
予算獲得に当たっては、プロジェクトチームは購入予定のツールを引き続き利用可能な後続プロジェクトのリストを経営陣に提出すること。こうすれば、最初のプロジェクトでソフトウェアのコスト全体をカバーしなくても済む。
5. 統括責任者を任命する
プロセス改善プロジェクトの遂行に当たっては、最も優秀なプロジェクトマネジャーを最初の取り組みの統括責任者に任命する。これは重要なポイントだ。ビジネス部門とIT部門の両方が、新しいポリシーとプロセスを受け入れて積極的に従うようになる必要があるため、BPMツールを選択するよりも、従業員の協力を得る方が難しい場合が多いからだ。
「忍耐力があり、従業員の話を聞くスキルを持ったプロジェクトマネジャーが必要だ。この点はいくら強調しても足りない」(ボルマー氏)
6. プロセスをモデリングする
プロジェクト遂行中は、ボトルネックに注意する。例えばボルマー氏によると、多くの企業では業務プロセスを最適化する前に、プロセスのモデリングに時間をかけ過ぎているという。「これは間違いだ。最適化の作業が遅れるからだ」と同氏は話す。
しかし、モデリングも欠かせない作業だ。これにはMicrosoft Office Visioなどのツールを使うが、米Gartnerのアナリスト、ジャネル・ヒル氏が推奨するように、大きな用紙と付せんを利用するという方法もある。
「一般的にいえば、最初にプロセスモデリングを行わずにプロセス最適化作業に取り掛かるのは勧められない。“現状のプロセス”と“あるべきプロセス”の両方を明確に把握する必要があるからだ」とボルマー氏は話す。
7. 文書化する
学んだ教訓を文書化し、この情報を次の取り組みに生かす。そしてプロジェクトを積み重ねる中で、自社のBPMの成熟度に合った継続的プロセス改善と業務効率改善の文化を築いていく。
「この点では、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に例えることができる。ITILドキュメントは読んでいて楽しいものではないが、改善に関する議論の出発点になる」とボルマー氏は語る。「それを絶対視するのではなく、その中に含まれる知恵を生かすのだ」
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