業務課題別おススメForce.comアプリ紹介【第2回】
ソーシャルメディアマーケティングを支援する3つのForce.comアプリケーション
FacebookやTwitterをはじめとするソーシャルメディア。これらのデータや運用をSalesforce CRMと連携することで、顧客の生の声を生かしたマーケティングが可能になる。
困難なソーシャルメディアマーケティングをツールでカバー
セールスフォース・ドットコムのAppExchangeで入手できるForce.comアプリケーションを業務課題別に紹介する本連載。前回「社内外コラボレーションを促進する3つのForce.comアプリケーション」では、Saleseforce ChatterやSkypeを活用することで、コミュニケーション促進を促すアプリケーションを紹介した。本稿では昨今爆発的に普及が進んでいるソーシャルメディアを活用したマーケティングツールを紹介する。
ソーシャルメディアマーケティングの運用は非常に困難で、ほとんどの企業でまだ手探りの状態だろう。成功するか否かは担当者の能力に委ねられているといっても過言ではない。そんなソーシャルメディアマーケティングをツールの力でできる限り支えてくれるアプリケーションがAppExchangeには多数用意されている。FacebookやTwitterなどとの連携を強く意識してきたSalesforce CRMは、設計思想レベルでソーシャルメディアの概念と合致する部分も多いのだ。
Facebook/TwitterをSalesforce CRMで管理する
Salesforce for Twitter and Facebook(v4)
| 名称 | Salesforce for Twitter and Facebook (v4) |
|---|---|
| 提供元 | Force.com Labs(2010年7月15日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ロシア語、スペイン語、オランダ語、スウェーデン語、フィンランド語、タイ語、ポルトガル語、中国語 |
| Salesforce組織条件 | Professional Edition以上 |
「Salesforce for Twitter and Facebook(v4)」(旧名称:Salesforce for Twitter 2)はTwitterやFacebookをSalesforce CRMと接続し、以下をSalesforce CRMで直接行うことができるアプリケーションだ。
- Twitter/Facebookでの自社の風評のモニタリング
- 顧客とのリアルタイムなコミュニケーション
- 自社ブランドのプロモーション
- Twitter/Facebookでのユーザー動向分析
Twitter/FacebookとSalesforce CRMとの接続にはOAuthが使われており、セットアップ時にTwitter/Facebookアカウントの入力画面を表示する。初回の認証後はトークンを利用して自動的に連携を実行する。
TwitterやFacebookと連携するマーケティングツールは数多く出ているが、Salesforce for Twitter and Facebook(v4)はそれらに劣らない以下のような機能を備えている。
Salesforce for Twitter and Facebook(v4)の主要機能
1.Twitterをリアルタイムに検索&モニタリング
商品名や会社名などの特定キーワードを設定しておくことで、ツイートの中から自社の顧客サービスへとつながる会話を探し出す。定期的にTwitter上の全ツイートを監視し、キーワードにマッチしたツイートやユーザーをSalesforce CRMにレコードとして取り込む。取り込んだユーザーにはSalesforce CRMで直接リプライ、フォロー、DMなどが可能だ。また、Salesforce CRMの標準機能(取引先責任者、リード、ケース、Salesforce Chatter、ナレッジ、キャンペーン)とも連携できる。
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2.Twitterの会話へ参加
Salesforce CRMで直接Twitterを利用できる。管理者が自社のTwitterアカウントをSalesforce for Twitter and Facebook(v4)に登録し、ユーザーはSalesforce CRMアカウントで自社のTwitterアカウントにもログインできる。1つのTwitterアカウントを社員で共有利用する必要がないため、セキュリティ上も安全に運用できる。また、発言の履歴や利用の可否はユーザー単位で管理可能だ。
3.Twitterサポートチャネルの確立
自社への問い合わせを含むツイートをSalesforce CRMに取り込み、ケースレコードを作成できる。一度ケースレコードして取り込むと、同様の問い合わせがきた際に即座に適切なサービス担当者に問い合わせ対応を割り当てることが可能だ。
4.Facebookファンページ管理
Facebookアカウントを登録すると、そのアカウントで管理しているFacebookページの情報をSalesforce CRMに取り込むことができる。Facebookページの発言の取り込みや、Salesforce CRMで直接Facebookページへの発言が可能になるだけでなく、発言したユーザーのプロファイル分析も可能だ。
Salesforce for Twitter and Facebook(v4)は、何よりソーシャルメディアマーケティング機能と併せてSalesforce CRMの標準機能をそのまま利用できる点が大きなメリットといえる。また、標準で多言語対応しているため、グローバルな環境で利用する場合にお薦めのアプリケーションだ。
LinkedInとSalesforce CRMを連携する
Social Salesforce using LinkedIn Company Insider
| 名称 | Social Salesforce using LinkedIn Company Insider |
|---|---|
| 提供元 | Force.com Labs(2010年7月15日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 英語 |
| Salesforce組織条件 | Group Edition以上 |
「Social Salesforce using LinkedIn Company Insider」は、SNS「LinkedIn」とSalesforce CRMを連携するアプリケーションだ(具体的にはLinkedInのウィジェットの1つである「Company Insider Widget」とSalesforce CRMを連携する)。LinkedInは求人や商談のビジネスマッチングに特化したSNSであり、その性質上、企業情報や従業員情報が非常に整理されている。それらの情報をSalesforce CRMの取引先情報と連携してしまおうというのがこのアプリケーション利用の目的となる。
スクリーンショットでも分かるように、Salesforce CRMの取引先ページにCompany Insider Widgetを配置する(利用するにはSalesforce CRMを使用しているWebブラウザでLinkedInにログインする必要がある)。Company Insider Widgetに取引先の会社名に関連するユーザー一覧や会社情報へのリンクが表示され、Salesforce CRMから直接LinkedInのページへ遷移して情報を確認可能だ。
ソーシャルメディアモニタリングツールとCRMを連携する
Radian6 Sales and Lead Generation
| 名称 | Radian6 Sales and Lead Generation |
|---|---|
| 提供元 | Radian6(2009年) |
| 価格 | 有償(月額600ドルから) |
| 言語 | 英語 |
| Salesforce組織条件 | Enterprise Edition以上 |
Salesforce.comが2011年3月にソーシャルメディアモニタリングツールを開発するRadian6を買収したのは記憶に新しい。2011年中には「Radian6 for Salesforce」というソリューションをAppExchangeにリリースすると発表しているが、その内容はまだ明かされていない。それとは別に、Radian6は2009年からSalesforce CRMとの連携ソリューション「Radian6 Sales and Lead Generation」を提供している。
Radian6 Sales and Lead Generationはソーシャルメディアをクローリングして収集した情報をダッシュボードで表示・分析し、対応者のアサインやユーザーサポート、炎上対応やCRMへの取り込みなどを行うことができる。このようなソーシャルメディアモニタリングツールは国内外で幾つか提供されているが、Radian6 Sales and Lead Generationは以下のような特徴が挙げられる。
| 特徴的な機能 | 詳細 |
|---|---|
| 豊富な巡回データ量 | ・1億以上のブログ ・1万以上の掲示板 ・2.5万以上のニュース サイト ・450以上の動画、画像投稿サイト ・それぞれの投稿へのコメント ・Twitterを含むミニブログ ・FriendFeed ・Linkedin アンサー などを巡回データの対象にできる |
| グローバル対応 | ・多言語対応(英語、スペイン語、フランス後、イタリア語 、ドイツ語、日本語、中国語、韓国語、ロシア語、フィンランド語、ポルトガル語)。これらの言語のWebサイト内の情報収集、解析 ・言語別、国別の分析 |
| ソーシャルメディアマトリクス | ・コメント数、閲覧数、関連度、リンク数、被リンク数 ・Deliciousでのブックマーク数、投票数 ・Twitter解析(フォロー数、フォロワー数、投稿数)。 掲示板レス数 ・Web解析ソフトとの連携 |
| セルフカスタマイズ リアルタイム ユーザーインタフェース |
・ユーザーによるトピックの作成。作成数分後に収集分析結果を表示 ・データの収集分析後即時にダッシュボードへ反映 ・ユーザーによるインフルエンスモデルの設定 ・メール通知 ・IM通知 |
| 顧客対応管理 ワークフロー |
・大企業運用対応。多数ユーザー管理、権限分け ・各投稿へのユーザー割当、変更履歴保存、ワークフロー管理 ・各投稿へのタグ付け、カテゴリ分類 ・多段センチメント評価 ・ソーシャルメディアへの投稿による顧客対応 ・Salesforce CRMをはじめとするCRM連携 |
さまざまな特徴的な機能が挙げられるが、中でもソーシャルメディアで収集したデータを使い、「いかに顧客と接点を持ち、商売に結び付けていくか」というエンゲージング(主体的参加)機能は注目に値する。具体的には以下のようなエンゲージング機能を実装している。
- ワークフローを設定する
- アラートメールを送信する
- ソーシャルメディアで直接ユーザーとコミュニケーションを行う
- Salesforce CRMのようなCRMに取り込む
Salesforce CRMとの連携利用を、画面を交えながら解説しよう。まずRadian6 Sales and Lead Generationで実際に顧客対応が必要なレコードを発見する。
次に、必要な発言をSalesforce CRMに取り込む。Salesforce CRM取り込みボタンをクリックして、ケース/取引先責任者/リードから取り込み先と項目マッピングを設定する。
取り込んだレコードを確認。Twitterの発言履歴やRadian6 Sales and Lead Generationのワークフロー履歴もSalesforce CRMに保存され、顧客サポートに役立てられる。
ソーシャルメディアマーケティング例──Dellの場合
ソーシャルメディアマーケティングは、ソーシャルメディアがより多くの人々の生活に浸透していく中で無視できない存在になってきている。ソーシャルメディアをモニタリングするRadian6 Sales and Lead GenerationとSalesforce CRMの連携は、ソーシャルメディアが生活の中心になる未来において非常に強力なソリューションとなり得る。Radian6は既に1500社と契約をしており、中でも最もRadian6 Sales and Lead Generationを活用している1社が米Dellだ。
DellはRadian6 Sales and Lead Generationを活用してソーシャルメディアの発言を監視し、ブランドや製品に関するさまざまな意志決定を行っている。またソーシャルメディアの会話の中から、実際に商談に結び付くリードソースを常に探しているという。実際には1日に2万5000ものソーシャルメディアの会話を監視して、Web上での営業活動やブランド構築、各種キャンペーンの効果測定などを行い、マーケティング活動に役立てている。Webサイトからの受発注が中心のDellにとって、ソーシャルメディアマーケティングの重要度は日に日に増しているようだ。
このようなさまざまなソーシャルメディアマーケティング活動をSalesforce CRMを中心に据えながら展開することにより、マーケティング活動がCRM/SFA活動と直接結び付き、機能や部署の垣根を越えてリアルな商談に貢献していくことが可能となるだろう。
阿部友暁
株式会社ウフル 取締役/最高技術責任者(CTO)
携帯着うたシステム開発、インターネットラジオサイト「ねとらじ」創設、デジタルサイネージシステム開発と、インターネット畑を転々とした後、現職。現在はクラウドシステム開発を通じて、インターネット技術の他分野への応用の可能性を追求中。Force.comを中心としたクラウド技術ブログ「deferloader」を執筆。
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