業務課題別おススメForce.comアプリ紹介【第1回】
社内外コラボレーションを促進する3つのForce.comアプリケーション
セールスフォース・ドットコムのAppExchangeで入手できるForce.comアプリケーションを業務課題別に紹介する本連載。第1回ではChatterとSkypeを活用してコラボレーションを促進するアプリケーションを紹介する。
CRMの枠を超えた総合業務アプリケーションへ
「Salesforce CRM」はその名前の通り、そもそもはCRM/SFAを行うツールである。しかし今やその枠組みを超えて、あらゆるビジネスアプリケーションを構築するプラットフォーム「Force.com」として多くのユーザーに利用されている。筆者が自社で請け負ったSalesforceの導入案件300件強のうち、その約半数はCRM/SFA以外のForce.comアプリケーションだ。
Salesforce CRMを導入する際には標準機能であるCRM/SFA以外の付加機能も多く求められ、その付加価値が真に業務課題を解決する鍵になるといっても過言ではない。その付加機能を汎用的に利用できるようにパッケージ化して広く流通させる仕組みとして、「AppExchange」がある。これはSalesforce組織にワンクリックでアプリケーションをインストールすることができるマーケットプレースだ。また、その付加価値だけを取り出して専用アプリケーションとして提供するOEMアプリケーションプログラムという仕組みもある(関連記事:セールスフォース、国内のSIer/ISVにOEMパートナープログラムを提供)。
本連載では、筆者のこれまでのSalesforce導入経験を踏まえてAppExchange上のおススメアプリケーションを業務課題別に紹介していく。これらを上手く活用することで、Salesforce CRMはCRMの枠を超えた総合業務アプリケーションとして生まれ変わる。
コラボレーションを促進するForce.comアプリケーション
Salesforce Chatterを徹底活用する
コラボレーションは非常にホットな分野だ。昨今実に多くのアプリケーションが登場している。AppExchangeにも「コラボレーションツール」(※)というカテゴリが設置され、Salesforce Chatter(以下、Chatter)をはじめとした多くのコラボレーションツールが提供されている。その代表例を取り上げていこう。
※米国版AppExchangeでは「Collaboration」。
Chatter関連記事
Chatter コンボパック
| 名称 | Chatter コンボパック |
|---|---|
| 提供元 | Force.com Labs(2010年6月23日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 日本語/英語 |
| Salesforce組織条件 | Enterprise Edition以上 Chatterが有効化されている |
Chatterを徹底的に使い倒そうと思ったら、まずインストールすべきアプリとなるのが「Chatter コンボパック」だろう。Chatterの標準機能だけでは実現できない、「かゆいところに手が届く」以下のようなアプリ群をまとめたパッケージだ。
| アプリ名 | 機能 |
|---|---|
| Chatter コネクト | ワンクリックで簡単にグループ内のユーザーを同時にフォロー追加できる |
| Chatter ディレクトリ | ユーザーやChatterが有効になっているオブジェクトを動的にソートやフィルターできる |
| Chatter ダッシュボード | 組織内でのChatterユーザー利用分析ができるダッシュボード |
| Chatter 検索 | Chatter内のコンテンツ検索ができるアプリケーション。コメント数やファイル名、投稿日時などで検索条件を指定できる |
| Chatter サイドバー用プロフィール | サイドバー用のChatterプロフィールコンポーネント。フォロー数、フォロワー数などを確認できる |
| Chatter 通知 | Chatterからの通知をサイドバーで確認することができる。誰からのコメントかもサイドバーを見るだけで分かる |
Chatter RSS
| 名称 | Chatter RSS |
|---|---|
| 提供元 | Force.com Labs(2010年10月12日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 英語 |
| Salesforce組織条件 | Enterprise Edition以上 Chatterが有効化されている |
同じくChatterのアプリケーションである「Chatter RSS」を紹介する。Chatterで情報収集を一元化したいと思ったら、外部のRSSを取り込んでニュースチェックもしたくなる。Chatter RSSを使うことで、RSSリーダーと同じように外部サイトのRSSを取り込んでChatterレコードとして自動的に投稿することが可能となる。
Chatter RSSをインストールするとフィード取り込み用のオブジェクトが作成されるので、そのオブジェクトに対して取り込みたいフィードに関する以下の情報を設定する。
- RSS Feed:一意のフィード名
- URL:フィードのURL(対象URLのドメインは、リモートサイト設定で許可しておく必要がある)
- Active:有効フラグ
- Maximum Post to Read:一度に取り込む投稿数
- Roll Up Posts:一度に取り込んだ複数の投稿をChatterで1投稿にまとめるか1投稿ずつ分割するかどうか
これらの情報を設定した後に、Schedule Get RSS(フィード取り込み処理)、Clean Up Chatter Posts(取り込んだ過去のフィードレコードの削除処理)という2つのクラスをApexスケジュール設定する。スケジュールの周期は自分がフィード取り込みをしたい周期で設定すればよい。
これで設定は完了するので、最後に自分のChatterレコードとして投稿したいフィードレコードをフォローする。後はApexスケジュールが走り出せばフィード取り込みが自動的に行われ、自分のChatterレコードとして投稿され始める。ニュースフィードを設定してもいいし、Twitterの発言をChatterと連携したい場合などは自分のTwitter RSSを設定しておくことで連携が可能だ。
Chatter コンボパックやChatter RSS以外にもChatterアプリケーションは数多く開発されている。米国版AppExchange内のChatterアプリ紹介コーナー「ChatterExchange」には71のアプリが公開されている(2011年4月時点)。自分の組織のコラボレーション促進に合ったものをぜひ探してみてほしい。
Skype連携で社内外との電話連絡を拡張する
Skypeを使ってSalesforce CRM上で社内外との電話連絡を拡張しようと思ったら、「Skype for Salesforce」と「Skype Click-to-Call for Mac and PC」の利用が有効だ。
Skype for Salesforce
| 名称 | Skype for Salesforce |
|---|---|
| 提供元 | Skype(2008年10月29日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 英語 |
| Salesforce組織条件 | パッケージなし |
Skype for SalesforceはAppExchangeに掲載されているが、実際はForce.comアプリではない。インストールを進めるとSkypeのWebサイトに移動して、Skype Managerへのサインアップに誘導される。Skype Managerは、Skypeを法人利用する際に社員個別のSkypeアカウントの利用状況を管理するための仕組みだ。登録した個々のSkypeアカウントに対してSkypeクレジットの設定の割り当てを行い、また利用状況を中央管理画面でモニタリングすることができる。
Salesforce CRMから直接Skype通話をかけるとなると、個々のユーザーのSkype利用状況管理が必要になる。そのため、まずはSkype for SalesforceのページからSkype Managerをインストールすることになる。
Skype Click-to-Call for Mac and PC
| 名称 | Skype Click-to-Call for Mac and PC |
|---|---|
| 提供元 | VersatileCapitalist(2011年1月21日) |
| 価格 | 無償 |
| 言語 | 英語 |
| Salesforce組織条件 | Proffesional Edition以上 |
Salesforce CRMでSkypeを利用するなら、Skype Click-to-Call for Mac and PCの利用をお勧めする。Skype Click-to-Call for Mac and PCの構成は至ってシンプルで、以下が含まれている。
- リード、取引先、取引先責任者用の[電話番号][SkypeID]カスタム項目
- 通話ログの活動履歴記録用のApexクラス
インストールして設定すれば、Salesforce CRMに登録している取引先やリードオブジェクトの[電話番号]や[SkypeID]をクリックすることでローカルPCのSkypeウィンドウが立ち上がり、相手へのSkype通話が可能となる。また、通話だけではなくSkypeチャット、ファイル転送、ビデオ会議、プレゼンス表示などのSkype標準機能をそのまま顧客とのコミュニケーションに利用可能だ。Skypeを通じた操作履歴はSalesforce CRMの活動履歴としてログが残るので、コールセンター機能としても活用できる。
阿部友暁
株式会社ウフル 取締役/最高技術責任者(CTO)
携帯着うたシステム開発、インターネットラジオサイト「ねとらじ」創設、デジタルサイネージシステム開発と、インターネット畑を転々とした後、現職。現在はクラウドシステム開発を通じて、インターネット技術の他分野への応用の可能性を追求中。Force.comを中心としたクラウド技術ブログ「deferloader」を執筆。
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