モバイルWi-Fiホットスポットの企業利用【後編】
Windows 7搭載機をモバイルWi-Fiスポットとして使う
業務用に適したモバイルホットスポットソリューションとは? Windows 7搭載Netbookを例に、設定方法や各種役立つ情報をまとめた。
前編「業務用スマートフォンをWi-Fi接続させる方法」に続き、モバイルWi-Fiを業務活用する際に役立つ情報を紹介する。
Windows 7搭載Netbookをモバイルホットスポットとして使う
Windows 7搭載Netbookを従業員に支給している企業は、もう1つの選択肢を考えるかもしれない。それは、これらのNetbookを仮想アクセスポイント(AP)に変身させるというものだ。Windows 7では、Wi-Fiアダプターを再構成し、インターネットアクセスの共有に利用できるホストされたネットワークとして動作させる機能がサポートされている。Windows 7の仮想APを構成するのは簡単だ。管理者としてコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力するだけでよい。
netsh wlan set hostednetwork mode=allow
ssid=YourHotspotName key=YourHotspotPassphrase persistent
netsh wlan start hostednetwork
これでWi-Fiアダプターと仮想APが関連付けられる。その仮想APをパーソナルモバイルホットスポットとして機能させるには、もう1つのステップが必要になる。それは、3G/4Gモバイルブロードバンドアダプターまたはモデムを、仮想APとインターネットアクセスを共有するように構成することだ(図1参照)。これにより、3G/4G接続と仮想APの両方が有効になっている限り、そのWindows 7搭載Netbookを介して、他のWi-Fiクライアントをインターネットに接続できるようになる。
だが、この選択肢は、準備の手軽さやモビリティという点で大きく劣っている。モバイルホットスポットを使いたいという要望があるたびにコマンドを入力しなければならない上、3G/4Gアダプターを内蔵したNetbookでも、モバイルホットスポット専用デバイスやスマートフォンよりもかさばる。しかし、Windows 7の仮想アダプターを有効にするのに料金は掛からない。Windows 7搭載Netbook経由で同時にインターネットに接続できるWi-Fiクライアントの数にも制限はない。Netbookは、モバイルホットスポットとして使われているときも、他のコンピューティング作業に利用できる。3G対応のWindows 7搭載Netbookがあれば、このアプローチにより、デバイスや通信サービスを追加購入することなくモバイルホットスポットを用意できる。
Windows 7搭載Netbookをモバイルホットスポットとして使うことに興味があるユーザーは、Connectifyのようなプログラムをインストールして、構成と起動/終了操作を効率化するとよいだろう。この安価なソフトウェアは、ユーザーフレンドリーなホットスポットセットアップウィザードと管理/監視GUIを追加し、Windows 7のネイティブ仮想APの利用を支援する。このGUIはNetbookのシステムトレイに常駐し、簡単にアクセスできる(図2参照)。
Wi-Fi DirectとモバイルWi-Fiホットスポット
また、Wi-Fi Directという選択肢もある。Wi-Fi Allianceが策定したこの新仕様は、Wi-Fi APがなくてもWi-Fiデバイス同士が直接通信できるというものだ。Wi-Fi Directグループネットワーク内の1台のデバイスは、2つのネットワーク接続(グループへの接続とインターネットへの接続)を同時に確立することで、インターネット接続を他のWi-Fi Directデバイスと共有できる。Wi-Fi Direct認定製品は登場し始めているところであり、この選択肢を詳しく評価するのは時期尚早だ。しかし、この選択肢は、セットアップを行うことなく、従来はなかったWi-Fiクライアント(例えば、Wi-Fi Directに対応するカメラや携帯ゲーム機など)を接続し、近くにあるグループメンバーを検出する良い方法になる可能性がある。
企業に適したモバイルホットスポットソリューションとは
企業が最適なソリューションを見つけるために重要なのは、「各ワーカーがどのくらいの頻度でモバイルホットスポットを必要とするか」「彼らはどこで、どのくらいの時間、モバイルホットスポットを使うか」「どのような種類のWi-Fi対応デバイスが何台携帯されているか」「こうしたデバイスの中に、加入済みの3G/4Gサービスが利用されているものがあるか」を検討することだ。
- モバイルホットスポットをめったに、あるいはたまにしか使わないユーザーは、月額固定料金を回避するため、プリペイド型など従量課金制のハードウェアベースモバイルホットスポットか、全て自前のソリューションを検討しなければならない
- モバイルWi-Fiホットスポットを頻繁に利用するが、1回の利用時間は短いユーザーは、生産性を最大限に高めるため、企業向けに提供されているソリューションを採用しなければならない
- 数台のクライアントを同時に長時間(30~60分間連続で)、ネットワークに接続する場合、スマートフォンのバッテリーの消耗や帯域幅の上限の突破を回避するため、ハードウェアベースのモバイルホットスポットを検討することが重要だ
- モバイルホットスポットを頻繁に使って、1台のクライアントだけ(Wi-Fi専用タブレットなど)をネットワークに接続する場合、スマートフォンベースのホットスポットが便利なことは間違いない
- 既に1つの3G/4Gプランに加入しているユーザーは、まず、そのサービスを再利用するモバイルホットスポットを選択するとよい。そうすれば、企業は最小の投資で、モバイルホットスポットの使用頻度を把握するとともに、どのような要件を満たしたソリューションが長期的に有効かを見極めることができる
こうした個々のアドバイスは一般的に当てはまるが、どのような状況にも対応できる万能のモバイルホットスポットは存在しない。モバイルホットスポットはユーザーにとって、欠かせない必需品になることもあれば、使い物にならないこともある。それを左右するのは、ユーザーの利用パターンと個人的な好みだ。企業はユーザーに複数の選択肢を提供すべきだろう。それらの選択肢は、モバイルブロードバンドコスト全体の削減と、ワーカーの適切な接続環境と生産性の維持という観点から、慎重に絞り込んでおかなければならない。
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