管理者/ユーザー、双方のアプリを紹介
Windowsを操作できるVMware公式iPadアプリの使い方
米VMwareがモバイルワーカー向けに提供するiPad用アプリケーションとして、管理者向けの「VMware vSphere Client for iPad」とエンドユーザー向けの「VMware View for iPad」の機能と利用方法を説明する。
米VMwareは、管理者向けとエンドユーザー向けに、モバイルワーカーのための公式iPad用アプリケーションを提供している。
管理者向けの「VMware vSphere Client for iPad」は、オフィスにいなくてもホスティングサーバや仮想マシン(VM)を監視および管理できるiPad用アプリケーションで、ユーザー向けの「VMware View for iPad」は、iPadでWindowsデスクトップやアプリケーションの操作を可能にするアプリケーションだ。また、同社は、ホスティング型コラボレーションアプリケーションの「SlideRocket Player」と「Socialist」もリリースしている。
個人所有の端末の業務利用が拡大し、自宅や移動中での作業を当然と見なす風潮が高まるにつれ、上記のiPad用VMwareアプリケーションのような製品に対する需要は増え続けるだろう。しかし、これらのiPadアプリは完璧ではない。まず、VMware vSphere ClientにしてもVMware Viewにしてもインターネット接続が必要だが、空港や会議室など、回線利用者が多い場所での接続は必ずしも安定していない。また、VMware vSphere Client for iPadには、PC版のVMware vSphere Clientが持つ高度な機能の全てが搭載されているわけではない。
以下では、VMwareの公式iPadアプリの機能と利用方法を説明する。VMwareのiPadアプリが自分の組織に適しているかどうかを判断する際に、本稿の情報を参考にしていただきたい。
VMware vSphere Client for iPad
VMwareはこのアプリをVMworld Europe 2010で発表したが、米AppleのApp Storeでこのアプリケーションの無料ダウンロード提供を開始したのは2011年3月のことだ(なお、VMwareの2つのiPadアプリケーションのうち1つ目のVMware View for iPadは、同月にこれより早く公開されている)。VMware vSphere Client for iPadはVMware vSphere Clientの軽量版カスタムビルドで、一般的な管理作業と監視作業のほとんどに対応する予定だ。
VMware vSphere Client for iPad:モバイルでのVMware管理
VMware vSphere Client for iPadで現在実行できるのは、最も一般的なVMware vSphereの管理作業のうち約5割だが、将来は8割までカバーされる見込みだ。現時点では、VMとホストのパフォーマンスの監視、VMの電源の状態の管理、スナップショット、基本的なネットワーク問題のトラブルシューティングを実行できる。ただし、VMware vMotionにはまだ対応しておらず、考慮が必要なセキュリティの問題もある。
VMware vSphere Client for iPadを使ったVMwareの管理
タッチスクリーンからVMware vShpereインフラストラクチャを管理することに最初は違和感を覚えるかもしれない。幸い、VMware vSphere Client for iPadを使ったVMwareの管理は簡単で直感的だ。ただし、機能が限られているため、VMware vSphere Client for iPadをデスクトップ版のVMware vSphere Clientの代替製品として使用することはできないだろう。
VMware vSphere Client for iPadとvCMA
VMware vSphere Client for iPadとVMware vCenter Mobile Access(vCMA)を使用するとVMware vCenterに接続でき、VMware vSphereインフラストラクチャの情報を参照できる。この接続を実現するには、vCMA仮想アプライアンスをダウンロードし、バージョン4以降のVMware vSphereとVMware vCenterを運用している必要がある。
VMware vSphereのリモート管理に必要なvCMAのインストール
vCMAのインストールは、VMware vSphere Client for iPadの前提要件の1つだ。VMware vSphere Client for iPadをセットアップして運用するには、vCMAをVMware Labs Webサイトでダウンロードし、インストールする。ダウンロードファイルはOVF(Open Virtualization Format)またはZIP形式だが、VMware vCenter Serverに直接インポートできるので、OVFファイルの方が扱いやすい。
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VMware View for iPad
VMware初の公式iPad用アプリはVMware View for iPadで、2011年3月にApp Storeにお目見えした。同アプリを使うと、iPadからPC over IPプロトコルを使用して3GおよびWi-Fiネットワーク経由でWindowsの仮想デスクトップにアクセスできる。また、オンスクリーンのトラックパッドを用意することで従来のノートPCに近い操作感を持たせている他、外付けのキーボードやディスプレーもサポートしている。
企業からの需要はあるのか
VMware View for iPadは、iPadからのWindowsの操作を実現する唯一のソリューションではない。「Citrix Receiver」など他のiPadアプリケーションも、同様の機能を提供している。このような用途の製品がこうしてリリースされているにもかかわらず、アナリストやコンサルタントによると、iPad用の仮想デスクトップクライアントに対する企業からの需要は多くないという。多くの組織では、この種の端末のサポートに必要な帯域幅やセキュリティに関して不安を感じているのだ。しかし、医療などの垂直市場やモバイルの営業部隊を抱える企業では、このようなiPadアプリケーションの支持は増えてきている。
VMwareのiPadアプリはビジョンに矛盾?
VMwareのポール・マリッツCIOは、よく「従来のOS(つまりWindows)は舞台から去りつつある」という趣旨の話をしている。しかし、VMware View for iPadの眼目は、WindowsをiPadで操作できるようにすることだ。従って、自らWindowsを舞台に引き留めているのが実情だ。VMwareのiPad用アプリケーションは、同社のビジョンに矛盾しているように思えてしまわないだろうか。
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