SMB向けストレージ製品紹介:富士通
ストレージへの高い投資対効果を目指す「ETERNUS DX S2」シリーズ
富士通のSAN対応ディスクアレイのエントリーモデル「ETERNUS DX S2シリーズ」は、ストレージへの投資対効果やデータ保全による業務継続などに注力している。SMBのみならず大規模企業での導入実績もある。
スーパーコンピュータ「京」にも採用
IDCジャパンが2011年5月に発表した「2010年の国内外付型ディスクストレージシステム市場実績」によると、富士通がローエンド外付けRAID分野で国内トップシェアの15.6%を占めたという。同社はSAN(Storage Area Network)対応ディスクアレイ「ETERNUS DXシリーズ」の中堅・中小企業(SMB)向けのエントリーモデル「ETERNUS DX60 S2」「ETERNUS DX80 S2」「ETERNUS DX90 S2」を提供している。
エントリーモデルではあるものの、SMBのみならず大規模の企業での採用も多い。例えば、ETERNUS DX80は理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」に約1000台導入されており、ストレージシステムのコストパフォーマンスの改善などに役立っているという。
富士通は現在求められているストレージ運用の要件に「効率的でコストを抑えたデータ管理」「データ保全による業務継続」を挙げており、「投資の最適化」「簡単な導入・運用」「業務継続」の3つのキーワードでSMB分野での事業を展開している。ETERNUS DX S2シリーズはそれら3要素をどう実現しているのだろうか。
富士通のエントリーモデル3機種はWindowsやLinux、UNIXの各種OSをサポートし、IBMやHPなど富士通以外のUNIXサーバやPCサーバにも接続可能。また、SASやiSCSI、FC(Fibre Channel)、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)などの接続インタフェースをサポートしている。それぞれ2.5インチ、3.5インチのディスクに対応する筺体を用意している。
富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクターの荒木純隆氏は「従来ミッドレンジ以上のクラスにしか備わっていなかった機能を、エントリークラスのストレージにも提供している。高い投資対効果を得られるのがETERNUS DX S2シリーズのポイント」と語る。
「投資の最適化」を実現する3つの機能
「投資の最適化」とは、無駄がないストレージリソースの活用と言い換えてもいいだろう。ETERNUS DX S2シリーズでは3つの機能によって、リソースの効率化を可能にしている。1つ目が「ストレージ容量の仮想化」だ。シンプロビジョニング技術によって導入時のディスク容量を抑えたスモールスタートを可能にし、同時に未使用ディスク数削減による運用・管理コストの低減を実現する。
2つ目は「ストレージ自動階層制御」である。利用状況に応じてデータを最適なドライブに自動的に再配置するため、SSD(ソリッドステートドライブ)やオンラインディスク、ニアラインディスクを使い分けてデータ価値に見合ったストレージ階層の構築を可能にしている。
3つ目が「筐体数の低減によるデータ保管コストの削減」。同社のストレージ管理ソフトウェア「ETERNUS SF Storage Cruiser V15」と連携することで、データのアクセス頻度に応じて自動的にデータの再配置を行うことができる。また、使用しない時間帯はディスクの回転を停止して消費電力を削減する技術「MAID(Massive Arrays of Idle Disks)」によって、バックアップディスクの電力消費抑制を実現している。
「ストレージリソースの効率化」関連記事
「簡単な導入・運用」を支える運用管理ツール
「簡単な導入・運用」とは、データ量の増加や運用ニーズへ柔軟に対応することである。サーバ仮想化が普及した現在、仮想サーバとストレージとの機能連携は必須条件だ。ETERNUS DX S2シリーズでは、VMware vSphereとストレージ連携API「vStorage API for Array Integration(VAAI)」をサポートすることで、従来サーバを介して行われていた仮想マシンの複製処理を、ディスクアレイ内でコピーを実行する方法に変更してサーバの負荷を軽減した。またディスクアレイの機能を統合して、大規模なサーバ仮想化環境における運用効率の向上を図っている(参考ホワイトペーパー:徹底検証:VMware VAAI対応ストレージによる性能向上)。
さらに、運用管理ソフトウェア「ETERNUS SF Express」とWebベースの管理用GUI画面のデザインと操作性を統一して、外付けディスクアレイの導入経験がない担当者でも簡単に導入や増設・運用などを可能にしている。例えば、ボリューム作成処理の場合は、まずカテゴリ(操作対象)を選択して状態を確認し、ボリューム作成画面からガイダンスに従って各項目を設定して完了となる。
業務継続を支援する4つの機能
第3の「業務継続」については、ETERNUS DX S2シリーズでは主に4つの機能を提供している。その1つが、用途に応じて選択できる豊富な「高速コピー機能」だ。
2つ目は、不測の事態に備えた「データ保護機能」。一般的なバッテリーによるメモリのデータバックアップ方式では、バッテリーの電力供給が途絶えた時点でキャッシュデータが消失してしまう。しかし、ETERNUS DX S2シリーズはバッテリーではなく、電気二重層コンデンサーを利用した不揮発性メモリへの退避システムを保有しており、データの保護と迅速なデータ復旧が可能だ。また、ストレージ間での遠隔地バックアップやリモートコピーも可能にしている(2012年2月現在、DX90 S2のみ対応)。
3つ目が、高速処理のボトルネックを解消するアーキテクチャ。ETERNUS DX S2シリーズでは高性能CPUと高速メインメモリを採用した。例えば、旧バージョンのDX80とDX80 S2と比較した場合、IOPSを3.2倍、スループットを2.2倍向上させている。
4つ目は「冗長構成による高信頼性とセキュリティの確保」だ。ディスク故障の予兆を監視・検知し、故障発生前にホットスペアのディスクへデータを復元する。また、コントローラーや電源などのハードウェア主要部品を冗長化しており、他系統への引き継ぎによってシステムダウンを回避する。セキュリティ面では、ETERNUS DX S2のドライブ内のデータを128ビットAES方式と富士通の独自方式でデータを暗号化し、複数のチェックポイントで全データの整合性を確認するなど情報漏えい対策機能を備えている。
運用・保守サービス「SupportDesk Standard」も提供
ETERNUS DX60 S2の販売価格は75万4000円(税別:最小構成の場合)から。富士通は、ETERNUS DX S2シリーズの運用・保守サービスとして「SupportDesk Standard」を提供している。富士通のサポートセンター「OSC」の専門技術者がストレージシステムを24時間365日サポートする。定期点検の他、障害情報を自動的に検知してOSCに通知するリモート通報などの予防保守も可能だ。障害発生時はハードウェアの故障箇所の特定や部品の手配、原則2時間以内でのサービスエンジニアの派遣などを実施し、短時間での解決を支援する。
| モデル名 | ETERNUS DX60 S2 | ETERNUS DX80 S2 | ETERNUS DX90 S2 |
|---|---|---|---|
| タイプ | 2.5インチ(3.5インチ) | 2.5インチ(3.5インチ) | 2.5インチ(3.5インチ)搭載ディスク |
| 最大物理容量 | 21.6Tバイト(SAS)、72Tバイト(NL-SAS) | 108Tバイト(SAS)、360Tバイト(NL-SAS) | 216Tバイト(SAS)、360Tバイト(NL-SAS) |
| 最大ドライブ数 | 24 | 120 | 240 |
| 最大キャッシュ容量 | 2Gバイト | 4Gバイト | 8Gバイト |
| コントローラー数 | 2 | 2 | 2 |
| ホストインタフェース | 2または4 | 最大8 | 最大8 |
| RAID | RAID 0、1、1+0、5、5+0、6 | ||
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