バックアップ/リストアへの不安が顕著に 調査結果が示すストレージ課題データ保護・管理対策に関するアンケートリポート

2011年8、9月に実施したデータ保護・管理対策についてのアンケート。調査結果からは今後求められる機能についての必須条件が見えてきた。

2011年09月27日 09時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 爆発的なデータ量の増加に自社のITシステムは耐えられるか? 多くの企業がストレージ環境の拡張性やその処理能力に不安を抱き始めている(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。TechTargetジャパンは2011年8月23日から9月6日まで、会員を対象にデータ保護・管理対策に関するアンケート調査を実施した。調査からストレージシステムの実態や担当者が抱えている課題などが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したリポートは文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。

調査概要

目的:TechTargetジャパン会員の企業におけるデータ保護・管理対策の現状について調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員

調査期間:2011年8月23日(火)〜9月6日(火)

有効回答数:260件

 ※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


全体の89.6%が「データのバックアップ」を実施

photo 現在実施しているデータ保護・管理対策

 現在実施しているデータ保護・管理対策としては、「データのバックアップ」を89.6%が実施していた。以下、「RAID」が76.9%、「スナップショット」が26.9%と続いた。また、データ保護・管理で導入している製品や技術としては「共有ファイルシステム」の導入が全体の30.4%と最も多く、「データ圧縮」(26.5%)や「データ暗号」(23.1%)と続いた(関連記事:注目度の高い「データ重複排除」技術、その導入状況とは?)。

photo 導入している製品や技術

3分の1以上が現状に不満、特にバックアップ/リストア処理に課題

photo 現在実施している対策の満足度

 今現在、実施しているデータ保護・管理対策について、回答者の3分の1以上に当たる35.0%が何らかの不満を抱いていることが分かった。その理由として「バックアップ/リストアなどの処理時間」(58.1%)、「データ量の増加への対応」(51.6%)、「運用・保守における人的負荷やコスト」(49.5%)を挙げる回答が多かった。

photo 現状に不満を抱いている理由《クリックで拡大》

重要だと思う機能が十分に備わっていない現状が浮き彫りに

 データの保護・管理において重要だと思う機能としては、「バックアップ/リストア処理などのパフォーマンス」(64.2%)、「システムの信頼性」(50.4%)、「データ量の増加などに対応するシステムの拡張性」(49.2%)などが挙げられた。

photo 重要だと思う機能《クリックで拡大》

 これらは前述の現行の対策における不満として上位に挙がっている項目だ。重要だと思う機能が十分に備わっていないことに不満を感じたり、課題として認識していることがうかがえる。

クラウドストレージの利用は1割に

photo クラウドストレージの利用状況

 新たなストレージ環境として注目されている「クラウドストレージ」(関連記事:クラウド以後のストレージ未来予想図)。その導入状況はどうなっているのだろうか? 今回の調査では、クラウドストレージを利用しているのは全体の10.8%にとどまった。また、その用途は「電子メールサーバ」「バックアップデータの保存先」「ファイルサーバ」が多かった。

詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。

 本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性を紹介している。ぜひ参照されたい。

【主なリポート内容】

調査概要/回答者属性 /製品・サービスの導入に関する立場 /実施しているデータ保護・管理対策 /データ保護・管理対策で導入している技術や製品 /データ保護対策におけるシステムの種類 /データ保護対策の記録媒体 /データ保護対策の方式 /データ保護・管理対策の満足度/データ保護・管理対策で不満だと感じている点/データの保護・管理において重要だと思う機能/クラウドストレージの利用状況 /クラウドストレージの用途/クラウドストレージの満足度、など(計41ページ)


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ストレージ | 環境保護 | バックアップ | 仮想化


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