情報ライフサイクル管理(ILM)を支える階層型ストレージ階層型ストレージツールのメリット

情報ライフサイクル管理(ILM)を目指す企業にとって、自社に合致するソリューションを見つけるのは大変だ。本稿では、経済的かつ効果的に達成する上で、階層型ストレージツールがどのように役立つかを説明する。

2010年11月01日 08時00分 公開
[Ron Scruggs,TechTarget]

 階層型ストレージツールは、さまざまなカテゴリーのデータをさまざまなタイプのエンタープライズデータストレージメディアに割り当てることで、ストレージコスト全体を削減することを目的としている。階層型ストレージは、完全な情報ライフサイクル管理(ILM)ソリューションではないが、ILMにおける分類整理と階層管理の成功に重要な役割を果たす。実際、あるベンダーはこう述べている。「ILMで肝心なのは、適切なストレージを適切なタイミングとコストで使うことだ」

 3PARやEMC、日立データシステムズ(HDS)は、ストレージアレイ内でデータの階層化を行う仮想LUNコンポーネントを提供している。このコンポーネントを使えば、あらかじめ設定したポリシーやI/Oパターンに基づいて、高性能ディスクに保存されたデータをオンラインで低性能ディスクに移行したり、その逆の移行を行ったりできる。

 これらストレージベンダー3社は、いずれも何らかのオンラインLUN移行技術をサポートしている。どのベンダーの移行技術でも、ストレージを監視し、あらかじめ設定されたポリシーに基づいてLUN移行を開始する独立したハードウェアか仮想マシン(VM)が必要になる。

 ソフトウェアソリューションについて見ると、3PARは「Utility Data Lifecycle Management(DLM)」という製品でストレージ階層化を実装している。Utility DLMは、テンプレートや仮想コピー、リモートコピーサービスを使って、ローカルとリモートの両方で、アレイ上の階層間でデータを移行する。Utility DLMソフトウェアはLinuxまたはWindowsワークステーションで動作し、負荷が重い処理はすべてアレイ上で行われる。

 EMCの仮想LUNテクノロジーでは、RAIDレベル間、ディスクタイプ間でデータをシームレスに移行できる。EMCの「Symmetrix V-Max」を使っているユーザーの場合、仮想LUNテクノロジーは「Symmetrix Management Console」(以下、SMC)で管理できる。また、EMCの「FAST(Fully Automated Storage Tiering:自動階層化)」と「CLARiiON(日本名CLARiX)」用の「Navisphere Management Suite」(以下、NMS)を利用すれば、Clariion CX-4ラインでポリシーやデータアクセスパターンを基に仮想LUN移行を管理できる。SMCもNMSも、利用にはWindowsホストが必要だ。

 HDSもソフトウェアベースの階層化ソリューションを提供している。「Tiered Storage Manager」というシンプルな名前が付けられたこのソリューションは、仮想化されたストレージプール内で階層間でのLUN移行をサポートする。このプールには、HDSのストレージアレイプラットフォームである「USP(Universal Storage Platform)」に接続されたほかのベンダーのアレイも含めることができる。

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