包括的な業務継続計画書を作成するためのポイント迅速かつ円滑なディザスタリカバリのためにしておくべきこと

災害に備えた業務継続計画書の作成・運用のポイントと、復旧作業に取り組む際のガイドラインとなる「ディザスタリカバリテンプレート」に盛り込むべき項目を具体的に示す。

2009年03月06日 08時00分 公開
[Harry L. Waldron,TechTarget]

 システム障害のほとんどはマイナーなものだが、重大な、あるいは予想外のインシデントが発生する可能性もある。そうした場合は業務継続計画書を活用することで、ミスを最小限に抑え、コストを減らし、時間を節約することができる。

 業務継続計画書を作成するための最良のアプローチは、この文書をシステム開発ライフサイクルに組み込むことだ。企業はディザスタリカバリテストの際にこの文書を評価し、開発者が大規模なアプリケーション変更や技術的な変更を行ったら、この文書を改訂し、その正確性と最新性を維持しなければならない。

 包括的な業務継続計画書がない企業は、ディザスタリカバリ情報の貴重なリポジトリとなるこの文書を腰を据えて作成する必要がある。この文書の作成では、すべての必要な情報を時間をかけて集めることが必要になる場合もある。また、システム変更が発生したり企業のニーズが変化した場合は、変更管理プロセスの一環としてこの文書を改訂するとよい。

業務継続計画書の保存

 重要なアプリケーションごとに業務継続計画書を作成したら、管理者はそれを電子フォーマットで保存しなければならない。わたしはWindows SharePoint Services上の専用のドキュメントライブラリに保存している。セキュリティ対策やチェックアウト管理、承認フローといった機能が利用できるからだ。また、イントラネットサイトやネットワークドライブ上のライブラリに保存する方法もある。

 大事な注意点として、既存の文書ファイルのコピーを作成しないことが挙げられる。文書の保守を2カ所で行うと、そのうち同期が取れなくなる。2つの異なるコピーの存在は、必ずリカバリ作業に混乱を招いてしまう。適切なアプローチは、ファイル名を記録するか、既存ドキュメントがあるWindows SharePoint Servicesドキュメントライブラリの場所を記録しておき、必要に応じて参照することだ。

 データセンターが災害に見舞われた場合、スタッフのごく一部がリカバリサイトに赴くことになるだろう。個別の問題の専門家をオフサイトに派遣するのは実際上不可能であることから、業務継続計画書には、専門家の連絡先情報を盛り込まなければならない。リカバリチームのメンバーがリカバリ対象アプリケーションに精通していなかった場合に、専門家は誰か、どうやって連絡を取るかを調べられるようにするためだ。

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