Windowsの更新管理に悩むIT管理者は珍しくない。Microsoftが提供するWindows Update for Businessを使いこなすことで、更新管理を効率化できる。IT管理者が把握すべき重要な機能を解説する。
OS「Windows」の更新プログラムや更新管理機能「Windows Update」は不具合や脆弱(ぜいじゃく)性を修正するために欠かせない。しかし、IT管理者が何台ものPCの更新を計画して管理するのは大変だ。そこで、MicrosoftはIT管理者向けにUpdate向けポリシー管理機能「Windows Update for Business」を用意している。
IT管理者がWindows Update for Businessを活用する上で理解しておくべき重要な機能を紹介する。
どのような構成でも、最初に選択すべきは、使用する「更新チャネル」だ。現在利用可能なチャネルは3種類ある。
いつ、どのような種類の更新チャネルを利用するかを制御するためにはどうすればよいか。MicrosoftのID・アクセス管理ツール「Active Directory」(AD)でコンピュータやユーザーの設定を一元的に管理するための仕組みである「グループポリシーオブジェクト」(GPO)か、Windowsの「MDM」(モバイルデバイス管理)サービスを利用する方法もある。
IT管理者はGPOやMDMよって、ユーザーが自らWindows Insider Programに参加したり、プレビュービルドをインストールしたりすることを防止できる。
Windowsデバイスに適用する更新チャネルを決定した後に重要となるのが、更新プログラムのリリースの種類だ。Windowsデバイスで利用できる更新プログラムのリリースの種類は、以下の2種類に大別される。
米国時間の第2火曜日に毎月配信する定期更新プログラムだ。セキュリティの脆弱性修正や信頼性向上のためのパッチが含まれ、場合によっては新機能が追加されることもある。これらの品質更新プログラムを管理する上で最も重要なのは、各デバイスが更新を受信するタイミングを適切に構成することだ。具体的には以下で設定する。
年に1度配信される大規模なアップデートだ。新しいWindowsバージョンを導入するもので、例えば「Windows 11のバージョン24」が該当する。これには新機能や機能強化に加え、過去の品質更新プログラムの内容も集約されている。機能更新プログラムの管理においても、やはり重要なのは更新の受信タイミングの設定だ。具体的には以下で設定する。
必要に応じて、IT部門はこれらの異なる更新リリースを一時的に停止できる。最大35日間の一時停止が許容されており、グループポリシーを利用する場合は、前述の設定項目をそのまま用いて制御できる。MDMを使用する環境では、以下の設定を切り替えることで、一時停止できる。
ハードウェアベンダーはデバイスドライバの配布と更新にWindows Updateを利用することがある。このため、デバイスドライバの更新プログラムは、現代のWindows Updateにおける重要な構成要素となっている。ドライバを常に最新の状態に保ちやすくなったことはメリットだ。
だが、企業によってはIT管理者がより細かくドライバの更新を制御したい場面もある。IT管理者は、以下の設定で月次の品質更新プログラムに含まれるドライバ更新の有効無効を制御できる。
ただし、この設定はOSと密接に関係している一部のドライバ、特にWindowsの基本機能に不可欠なドライバには適用されないため、注意が必要だ。
IT部門が考慮すべきもう一つの重要な設定が、Windows Updateを通じて配信される「オプションのセキュリティ以外のプレビューリリース」の管理だ。これらの更新は毎月日本時間の第4水曜日にリリースされ、新機能やセキュリティ以外の修正が含まれている。IT部門は、GPOの「オプションの更新プログラムを有効にする」設定とMDMの「AllowOptionalContent」設定を利用し、配信を管理できる。
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...