各種設定およびポリシー適用を実現
AppleがiOS端末管理ツール「Configurator」を無償提供
各種機能の無効化やアプリの一斉配布、設定のバックアップとその再インストールなどの管理機能を搭載した無償ツール「Configurator」。何ができて、何ができないのか?
3月半ばにリリースされた米Appleの第三世代iPadを人々が称賛する一方で、ITプロフェッショナルにとってはもっと歓迎すべき出来事があったようだ。
Appleが「Configurator」という無償のアプリをリリースしたのだ。これは複数のiOS端末の配備、管理、設定を大幅に簡素化するツールだ。このアプリはMac App Storeでダウンロードできる。
進化したiOS端末管理ツール
Apple Configuratorは、従来の「iPhone Configuration Utility(iCU)」(※)が進化したもの。Configuratorは本格的なMDM(モバイル端末管理)ツールとはいえないが、MDMとiCUの橋渡しをできるのが魅力だ。
「ConfiguratorはAppleがITマネジャーの要求に応え始めたことを示すものだ」と話すのは、ソリューションプロバイダーの米Tech Superpowersの創業者、マイケル・オー氏だ。
Apple Configuratorを使えば、社内で多数のiOS端末を設定・配備する作業を効率化することができる。同様の機能を提供するサードパーティー製ソフトウェアを使わなくても済むので、コスト削減にもつながる。
このユーティリティは、OS X ServerやMDMのアドオンソフトウェアを必要としない。Appleでは、iOS端末を素早くかつ簡単に配備するための手段として同ツールを位置付けている。
Apple Configuratorの機能
オー氏によると、Configuratorで最も魅力的な特徴の1つとして、ユーザーが自分のiOS端末を複数のコンピュータに同期できないようにする機能がある。IT管理者は設定用に使用したシステムに端末を縛り付けることにより、ユーザーが業務用端末を個人用端末として使うのを防止できるという。
「どんなツールを使おうとも、iOS端末の設定を消去した上で他のコンピュータのiTunesと同期化して個人用端末に変えてしまうメカニズムが常に存在した」とオー氏は語る。「Configuratorを利用すれば、ユーザーのそのような行為を制限し、iOS端末を業務専用端末に維持できる」
Apple Configuratorにはその他にもIT部門に役立つ機能がたくさんある。
- 設定プロファイルを直接作成する、あるいは以前に作成したプロファイルをiCUから取り込む
- パスコード、Wi-Fi、VPN、プリインストールアプリ、その他の機能に関するポリシーを設定する
- 端末ハードウェアの機能を制限する(カメラや位置情報設定を無効にする、Siri用に低俗語フィルターを設定するなど)
- 端末をワイプ&リストアする
- 特定のiOSバージョンを複数端末に一斉にインストールする
- 端末のデータ、プロファイル、設定のバックアップを作成し、これらのデータを端末に再インストールする
- インストールするアプリの購入に使用するApple IDをプリセットする
- AppleのVolume Purchase Programを使って有料アプリのライセンスを取得する
- 端末チェックイン/チェックアウト設定(Windowsの移動プロファイルに近い)を作成する
- 端末をグループ化して管理を簡素化する
Apple Configuratorの制約
ConfiguratorではiOS端末をMacに接続する必要がある。1台のMacで管理できるiOS端末の数に制限はないが、これらの端末はUSB経由で接続しなければならないため、一度に接続して管理できるのは30台までとなる。これは、何千台もの端末を管理する必要がある大企業の場合には問題だ。
一方、BYOD(個人所有端末の業務利用)を認めている企業ではIT部門が私物端末の設定や構成に関与しないため、Apple Configuratorはあまり役に立たないという指摘もある。
英国のワイン販売業者Jeroboams GroupのITマネジャー、ジュリアン・ハーパー氏は最近、BYODポリシーに変更した。同氏によると、個人用携帯電話を企業の端末として設定することはせず、iOS端末の管理とセキュリティ用のサードパーティー製MDMを利用する予定だという。
「われわれが従業員に代わって端末の設定と管理を行うよりも、『これこれの新機能を追加するように』と彼らに指示する方がずっといい」とハーパー氏は話す。「端末の管理で発生する作業量とコストは半端ではない」
ハーパー氏によると、厳格に管理されたモバイル戦略を採用している企業にとってはApple Configuratorは有効だという。一方、ITプロフェッショナルの中には、本格的なMDMソリューションの方が望ましいけれども、複数のiOS端末を同時に設定・管理する機能は歓迎できるという人もいる。
「AppleがIT部門のサポートを真剣に考えるようになれば、iPad用に本格的な管理製品をリリースするだろう」とオー氏は語る。
オー氏によると、Configuratorで最も評価すべき点は、Appleがようやくその方向に動き始めたとことだという。
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