Apple純正ツール「iPhone構成ユーティリティ」
無料でできる、iPhone/iPad管理を効率化する「構成プロファイル」
スマートフォンやタブレットを企業導入する際、端末管理の煩雑さが管理者の悩みだ。iPhoneやiPadが備える「構成プロファイル」は、そうした管理負荷の軽減に大いに役立つ。
iPhoneやiPadといったiOS端末を企業導入したいが、その管理に不安を覚える管理者も少なくない。そうした管理者の“頼れる友”となりそうなのが、iOS端末の設定や管理を容易にする「構成プロファイル」だ。
企業内のiPhone、iPadの設定を無償ツールで一元管理
iOS端末に構成プロファイルを適用すれば、思ってもみなかったような安全性や制御性、快適さを得ることができる。構成プロファイルを管理ツールとして用いることで、管理者はスイッチやルータ、アクセスポイントなどのインフラを含め、iOS端末が相互にやりとりする項目を定義できる。従業員がインストールできるアプリケーションの制限やパスワード設定の強制、ワイプ実行時に許されるパスワードの誤入力回数の設定、セキュリティ証明書の設定も可能だ。
構成プロファイルはパスワードポリシーや端末機能の利用制限、VPNの構成情報、Wi-Fiやメールの設定など、端末の集中管理を実現するXMLファイルだ。構成プロファイルを使えば、管理者は企業内のiOS端末を一元的に管理できる。1台の携帯端末に複数の種類の構成プロファイルを保存することも可能だ。
iOS端末向けの構成プロファイルの作成や管理、修正、展開をするための最も迅速かつ容易な方法の1つは、Appleが無償で提供している「iPhone構成ユーティリティ」を使うことだ。このツールはMac OS X版とWindows版がダウンロード提供されている。iPhone構成ユーティリティのバージョン3.4はiOS 5とそれ以前のバージョンのiOSをフルサポートする。
構成プロファイルの作成方法
iPhone構成ユーティリティを使った構成プロファイルの作成は、設定の集合体である「ペイロード」の作成から開始する。選択できるペイロードは16種類あるが、設定が必須なのは「一般」ペイロードだけだ。設定するのは、「名前」や「識別子」「セキュリティ」「組織」「説明」の項目である。構成プロファイルを保存するには、「名前」と「識別子」項目に必要な情報を入力し、「セキュリティ」のオプションを選択する必要がある。「組織」と「説明」はオプション設定として用意されている。
構成プロファイルには意味のある分かりやすい名前を入力しておこう。そうすれば、端末に表示される構成プロファイル名を見れば、どの構成プロファイルが適用されたのかが分かる。1台のiOS端末に複数の構成プロファイルを登録する場合は特に便利だ。
識別子は、端末に構成プロファイルを適用する際、新たに適用する構成プロファイルか、既存の構成プロファイルのアップデートかを端末が判断するのに必要となる。識別子は、正規のドメイン名を逆順にした逆DNS記法で入力する必要がある。例えばドメイン名が「abc.example.com」であれば識別子は「com.example.abc」にする、といった具合だ。
構成プロファイルの削除に関するセキュリティ設定も必要になる。設定は「常に確認」「認証時」「しない」の3つから選択する。「常に確認」を選べば、エンドユーザーがいつでも自由に構成プロファイルを削除できる。「しない」を選ぶと、工場出荷状態にリセットする以外、構成プロファイルを端末から削除できなくなるため注意が必要だ。
望ましいのは、IT部門が定めた特別なパスワードをエンドユーザーが入力した場合だけプロファイルを削除できる「認証時」に設定することだ。この設定であれば、構成設定の集中制御を維持できる。
構成プロファイルの適用方法は3種類
構成プロファイルを端末に適用する作業は簡単だ。管理者は次の方法で構成プロファイルを展開できる。
- iPhone構成ユーティリティを実行しているコンピュータにUSB経由でiOS端末を接続する
- メールを使用して端末にポリシーを配信する。ただし、この方法を用いる場合は端末のメール設定を済ませておく必要がある
- 「.mobileconfig」という拡張子のファイルをWebサーバに保存し、サーバ経由でそのファイルを配信することも可能だ。エンドユーザーは、iOS端末のWebブラウザで.mobileconfigファイルを保存したサーバにアクセスすることで構成プロファイルを適用できる
いずれの場合も、構成プロファイルには署名や暗号化ができる。iOS端末をUSB経由でコンピュータに接続してiPhone構成ユーティリティを使う場合、署名と暗号化は自動的に実行される。メールやWebを使ってプロファイルを配信する場合、署名や暗号化は配信プロセスのどこかで能動的に実行しなければならない。
会社所有のiOS端末を管理するにせよ、従業員が個人で所有するiOS端末を管理するにせよ、構成プロファイルは管理負荷を驚くほど軽減する方法だといえるだろう。
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