使えたのは「EC2」「RDS」だけ

鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ

古いクラウドリフト型のAWSインフラは事業部門の不満を招き、「野良クラウド」増殖の温床となる。ガバナンス統制を維持しながら開発の自由度を高めるにはどうすべきか。鹿島建設の刷新事例から解決策を探る。

 施工の自動化やAI活用などのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する鹿島建設では、バリューチェーン全体でのデータ活用が急務となる一方、あるボトルネックを抱えていた。2014年ごろに設計されたレガシーな「Amazon Web Services」(AWS)上のシステム構成だ。

 当時のAWSで鹿島建設が利用できるサービスは、仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)とリレーショナルデータベースサービス「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)に限定されており、最新技術の恩恵を十分に受けられない状態だった。単一アカウントでの運用だったため、事業部門ごとの利用状況や費用を正確に把握し、管理することが困難だったという。

 厳格なセキュリティを保ちつつ、事業部門の開発スピードを止めないためには、どのようなアーキテクチャや運用ルールが必要なのか。鹿島建設が選定した「統制と自由度」を両立する全社共通のクラウドインフラの全容と、その意思決定のロジックを紹介する。

単一アカウント運用の限界と「野良クラウド」問題

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