Appleとうまく付き合う方法
Appleの企業向けサポートに不満を募らせるIT担当者
「仮にiPadを1万5000台購入しても、総出荷台数と比べれば取るに足りない」。コンシューマー指向が強いAppleの企業サポートには課題が多い。Apple製品を無視できなくなったIT担当者が取るべき方法は?
米Appleによる企業向けサポートには不十分な点が多い。だがIT担当者の懸念についてAppleに耳を傾けてもらう方法がないわけではない。
これまで、企業のIT部門との連携はAppleが強みとするところではなかった。だが、同社のiOS搭載端末の人気がコンシューマーの間でここまで高まっているからには、もはやこれは看過できない問題だ──。先ごろサンフランシスコで開催された「Macworld | iWorld」カンファレンスでは、パネリストや参加者が口をそろえてそう指摘した。
「Appleの製品は本質的にパーソナルな端末だ」とMac管理者兼コンサルタントのジム・リスピン氏は語っている。
また米広告会社The Zimmerman AgencyのITディレクター、ジョン・ウェルチ氏は次のように指摘している。「いくら大規模なIT部門であっても、Appleの企業サポートチームに目を留めてもらうのには苦労するだろう。何しろ、仮にiPadを1万5000台購入したとしても、iPadの総出荷台数と比べれば取るに足りない量だからだ」
Appleは2011年第4四半期にはiPhoneを3700万台、iPadを1500万台販売して、販売台数記録を更新。売上高を463億ドルに伸ばしている。
Appleの企業向けサポートの問題点
これまでAppleの端末やMacは主としてコンシューマー向けの製品だったため、IT部門はその存在を取り立てて重視せずとも済んできた。だがITのコンシューマライゼーションにより、今やiPadやiPhoneは企業にとって無視できない存在になってきている。
「われわれも場合によってはこうした技術を受け入れざるを得ない状況にある。AppleのiOSはアプローチが他とは異なり、われわれが従来やってきた方法と必ずしも調和するとは限らない」とMacインテグレーターである米Kadimacのベン・グレイスラー社長は語っている。
Appleの企業向けサポートに関する疑問は、単にIT管理者がApple製品を使い慣れていないことによるものが多い。
あるいはAppleの業務プロセスやポリシーが原因で生じる問題もある。同社の企業向けボリュームライセンスプログラム「Apple Volume Purchase Program」もその1つだ。このプログラムは企業が従業員向けにアプリを購入して展開するためのもの。アプリを購入し、その際発行されるコードを従業員に配布するところまでは会社が行い、iTunesでコードを入力したり、App Storeからアプリをダウンロードしたり、自分の端末と同期化したりといった作業は従業員が自身で行うという仕組みだ。
Apple製品のコンサルティングとトレーニングを手掛ける米MacjutsuのApple認定トレーナ、ケビン・ホワイト氏によれば、「通常IT部門はユーザーのiTunesアカウントまでは管理していないため、ユーザーが間違ったアカウントに誤ってアプリをダウンロードしてしまう可能性があるにもかかわらず、使われたコードを追跡する方法が用意されていない」という。
「恐らく多くの向きにとっては、これが一番の問題だろう」と同氏。
このプログラムには一部の開発者も不満を抱いている。顧客に大量購入割引を提供できないからだ。
「価格設定の点でもっと柔軟性を持たせてくれるとありがたい」とMacやiPad、iPhone向けのプロダクティビティアプリを開発している米The Omni GroupのCEO、ケン・ケース氏は指摘している。
Appleの企業サポートチームに注意を払ってもらうには
Appleは確かにコンシューマー指向の強い大企業だ。だがそれでも企業のIT部門がAppleに目を留めてもらう方法がないわけではない。Macworldでは数名のパネリストがAppleのフィードバックサイト、フィードバックとバグレーポートの有用性を指摘していた。ただし、全ての問題や問い合わせに回答をもらえるという期待はすべきではない。
「1件だけでは目に留まらないかもしれないが、何か流れのようなものになれば可能性はある」とグレイスラー氏。
さらに同氏によると、Appleの企業サポートチームは「最終収益にどのようなマイナス影響が及んだか」を説明する顧客には注意を払ってくれる可能性が高いという。
「Appleは非常に大きな企業ではあるが、具体的な数字を示せば耳を傾けてくれる」と同氏は語っている。
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