Appleはこれまでも企業市場に取り組んでこなかったわけではない。教育市場に強みを持つ同社がこれから企業顧客にどうアプローチするのか、その思惑は最近のSI契約の活発化に見え隠れする。
米Appleは、チャンネルの多くを排除した何年も後に、システムインテグレーターとの関係を強化している。明らかに、企業や政府機関向け市場でのシェア拡大が目的だ。
2010年10月、Appleが米Unisysと結んだSIパートナー契約が注目を集めた。この契約は、企業顧客を狙った幾つかのSI契約の1つだ。Appleは「Apple Authorized Systems Integrator(AASI)」というカテゴリも設け、ITサービス企業の米Milestone Technologiesと、公共機関を対象とするソリューションプロバイダーの米Agilex TechnologiesをAASIに認定した(Appleがいつこのプログラムを立ち上げたのかははっきりしない。プレス向けの発表文はなく、この件に関する電話での問い合わせにも返事がない。ともあれ、上記の2社はインテグレーターとして2010年上半期にAppleと契約している)。
Appleのインテグレーターは、携帯端末管理から電子情報の科学捜査まで、幅広い領域を対象とする。また、顧客の既存のITインフラ(ほとんどは非Apple製だ)にApple製品を統合するサポートも行う。製品導入支援は、Appleのチャンネルのさらなる活性化を示す。かつてAppleは教育関連など特定の市場に向けた強力なチャンネルを築いていた。だが近年は、同社は小売店とオンライン販売に注力し、代理店は二の次になっていた。
インテグレーターらによると、Appleは現在、チャンネルの構築に大きな関心を示しているという。
Agilexで民生部門社長を務めるイラ・エンティス氏は「Appleは連邦政府関連事業への参入およびインテグレーターコミュニティーとの協業体制の形成に、以前より前向きになっている」と語った。
Appleとのパートナー関係を管理しているエンティス氏は、Agilexが政府機関向けとしては初めてのApple公認インテグレーターだと語った。同氏は数年の間、非公式にではあるがAppleと仕事をしたことがあり、2010年第2四半期(4~6月期)にAASIプログラムの存在に気付いて申請したという。
Milestoneの技術担当社長を務めるジェイ・ユー氏は、Appleとの話し合いはおよそ18カ月前に始まったと語った。MilestoneがMacユーザーを多数抱える顧客に対して提供した運用管理サービスがきっかけだったという。同社は2010年春に公式インテグレーターになったと付け加えた。
こうした動きについて、Appleは問い合わせに応じなかった。同社が10月に発表した年次報告書によると、Appleは主要な市場のほとんどで、小売店とオンラインストアを通じてコンシューマーと企業に直接製品を販売している。だが、この報告書には「Appleは再販業者による販売を拡大するプログラムに投資している」とも書かれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
スマートロッカー(自動で荷物の預け入れなどが行えるIoTベースのロッカーシステム)が普及する一方で、遠隔地に分散する多数の装置を効率的かつ安全に管理・保守することが難しくなっている。この課題解決のカギを握るのがリモートだ。
コミュニケーションツールを時代の要請や社員のニーズに合わせて進化させることは、重要な取り組みとなっている。本資料では、Web会議ツールを軸とする定番プラットフォームのソリューションをフル活用した企業の事例を紹介する。
生成AIの導入や業務の俊敏化を背景に、クラウドへの移行を進める企業が増えている。しかし、大量のデータが含まれる既存のワークロードの移行には、慎重な計画が必要だ。本資料では、4つのフェーズに基づき、移行成功の要点を解説する。
技術が発展し、ユーザーニーズが多様化する中で、多くの企業は単一Linuxディストリビューションによる運用から、複数プラットフォームの運用にシフトしている。一方で課題も顕在化しており、この混在環境とどう向き合うかが問われている。
リスク管理やコンプライアンス対応の取り組みを進めることは、多くの企業にとって重要だ。しかし、どのような手順で取り組みを進めればよいのか分からないという声も多い。そこで本資料では、5つのステップに分けて、詳しく解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...