ビデオ会議システムとは似て非なる物であるWeb会議システム。手軽さを強調する製品が多いが、「誰でも使えること」を追求するブイキューブの製品は、規模の大小を問わず多くの企業ユーザーを獲得している。
連載「ビデオ会議システム紹介」では、これまで国内外で販売実績のあるビデオ会議システムを取り上げてきた。一方、最近研修やセミナーといった教育の現場で活用されるようになったWeb会議システムも、ユニファイドコミュニケーション(UC)を実現する上で外せない重要なツールである。Web会議システムは基本的にソフトウェアやASP/SaaS(Software as a Service)サービスとして提供され、PC上で会議を実現するため、従来のビデオ会議システムとは異なる使い方が可能だ。本稿で取り上げる「V-CUBE」は、国内で3年連続トップシェアを誇る。
「われわれは、ビジュアルコミニュケ-ションを実現するためのツールとしてWeb会議システムをとらえている。専用機を必要とするビデオ会議と異なり、Web会議はPCで簡単に会議を開けるため、より幅広い枠組みでの利用が可能だ。例えば通常の会議だけではなく、オンラインセミナーや、同一時間に開催する遠隔教育、営業支援、オンラインサポートセンターなど、その適用範囲も広い」。こう語るのは、ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏だ。
間下氏は「Web会議システムは従来のビデオ会議システムと競合するものではなく、すみ分けされたマーケットで活用されている」と説明する。市場全体の中では、従来のビデオ会議システム(専用機)は固定化された場所での、臨場感の高いやりとりに利用され、一方のWeb会議システムは多拠点での利用やポータビリティの高い利用、もしくは営業用途などが中心になるという位置付けだ。
では、従来のビデオ会議システムとは異なる、Web会議システムならではのメリットとは何だろうか。まず「導入の容易さ」「低コスト」が要件として挙げられる。従来のテレビ会議システムは、比較的高価な専用機材や環境を整える必要があり、導入時のハードルが高いという問題があった。その点Web会議システムは、市販の安価なWebカメラとヘッドセット(マイク)を用意し、ユーザーがPCに接続するだけでよい。ASP/SaaS型での提供なら、社内に専用管理者が不要で、頻繁なシステムのアップデートもユーザーが知らないうちに行われる。PC側も、特に難しい設定を行うことなく、インターネットに接続している環境さえあれば簡単に利用できる。
とはいえ、Web会議システムの場合は、ビデオ会議システムのように大画面かつ高解像度のクリアな映像の配信は期待できない。そうした意味では、Web会議システムは、画質重視というよりも機能重視のツールだといえる。しかし、Web会議システムは、これまでビジュアルコミュニケーションの導入を検討しながら、予算の関係で高価なビデオ会議システムをあきらめていた中堅・中小企業や、外部からのコミュニケーションを行うためのポータビリティを求めていたユーザーにとって、まさに社内外の疎通を手軽に図れる武器になるものだ。
強固なセキュリティとモビリティを両立させるWeb会議システムの雄「WebEx」
HDクラスの鮮明映像を映し出す新世代Web会議システム「LiveOn 8.0」
小学生でも使えるWeb会議を――「MeetingPlaza」に見る10年間のノウハウ
同社のWeb会議システム「V-CUBE」のラインアップには、100人までのWeb会議が可能な「V-CUBEミーティング」から、ウェビナー(Webセミナー)用で1万拠点への同時配信が可能な「V-CUBEセミナー」、1対1の対面コミュニケーションを実現する「V-CUBEセールス&サポート」、企業や商品紹介のオンデマンド配信用で10万同時アクセスまで対応する「V-CUBEビデオ」、さらにこれらの映像コンテンツを一元管理するための「V-CUBEポータル」が用意されている。ここからはV-CUBEミーティングの基本的な機能について見ていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メール/メルマガ配信の運用課題を解消する方法として、メール配信SaaSを導入する企業が増加しているが、サービス選びには注意したい点が幾つかある。具体的にどのような観点でサービスを見極めていけばよいのかを解説する。
固定電話とオンプレミスPBXをベースとした電話環境は、異動や席替えのたびに配線の引き直し工事が発生したり、電話管理が属人化したりと、非効率さが課題となりがちだ。この問題を短期間で解消した、エヌ・シー・エヌの事例を紹介する。
富士通が展開するDX推進プロジェクト「フジトラ」。12万余りのグループ従業員全体をカバーするのは容易ではないが、その一翼を担うのが「ワークマネジメントツール」だ。本ツールの導入経緯から効用、今後の展開などを紹介する。
名刺は日々のビジネスに欠かせないツールの1つだが、その発注に関する承認と管理は意外と手間のかかる作業であり、規模が大きくなるほど負担は増大する。そこで注目したいのが、柔軟なワークフローを構築できる名刺発注サービスだ。
外出時の電話対応では、取り次ぎや折り返しの手間に加え、周囲の雑音やノイズといった課題もつきものだ。これらを解決する手段として期待されるクラウドソリューションを取り上げ、実際の利用方法や活用効果を、動画を通じて紹介する。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...