アドホックな打ち合わせはWeb会議システムで十分。だから画質にはあえて目をつぶる――そうした考えは「LiveOn」に触れた後に改めなければならないかもしれない。
「以前まではビデオ会議システムは経営層が、Web会議システムは現場が使うという形で、利用シーンのすみ分けができていると考えていた。しかし、今や両者の品質や機能、使い勝手に違いがなくなり、Web会議システムがビデオ会議システムのマーケットに食い込むようになったと分析している」
こう語るのは、ジャパンメディアシステム(以下、JMS)ビジュアルコミュニケーション部 課長の山崎拓郎氏だ。これは、今後のWeb会議システムの動向を占う上で、とても重要な発言だと考えられる。従来のWeb会議システムは、どちらかというとコストや導入の容易さに重きが置かれ、品質面については目をつぶりがちであったことは否めない。それがシステム的に進化を遂げ、回線環境も向上した結果、ビデオ会議システムと品質・機能両面で肩を並べるレベルになってきた。
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JMSが開発・販売するWeb会議システム「LiveOn(ライブオン)」の最新バージョン8.0は、HDレベルの高品質な映像とクリアな音声を実現しており、同製品の大きな特徴となっている。山崎氏は「LiveOnは品質面において、どのベンダー製品にも負けないと自負している」と胸を張る。
LiveOnの開発経緯は2001年にまでさかのぼる。当初、JMSは「Vchat」という名称でコンシューマー用のインターネットテレビシステムを開発し、OCNやBIGLOBEといった大手プロバイダーにシステムを販売していた。2004年には、このVchatの通信方式を抜本的に見直し、ビジネス用途に進化させた新しいWeb会議システムであるLiveOnをリリース。その後もさまざまな改良を加え、HD対応の最新バージョン、LiveOn 8.0を2010年3月に発売した。
このLiveOn 8.0には「ASP版」と「イントラパック版」が用意されている。イントラパック版は、ユーザーのネットワーク内にLiveOnサーバを構築し、セキュリティポリシーやカスタマイズの要望に応えるものだ。ASP版でオプションとして用意されている機能も標準装備している。最大参加者数(拠点数)については、イントラパック版が最大1000、ASP版が最大20(オプションの多人数モードで1000まで拡張可能)という違いがある。本稿では、容易に導入できるASP版を中心に紹介していく。
仕様 | |
---|---|
サービス体系 | ASP/ライセンス |
対応OS | Windows XP/Vista/7 |
対応Webブラウザ | Internet Explorer 6以上、Firefox 2.0以上、Opera 9.5以上、Safari 3.1以上、Google Chrome 0.2以上など |
最大接続数 | 20(オプションで最大1000) |
最大表示映像数 | 20 |
基本機能 | 資料共有、ファイル共有、ホワイトボード、テキストチャット機能、録音・録画機能、招待メール機能など。カスタマイズ、各種オプション(HD画質対応、アプリケーション/デスクトップ共有、プレゼンス機能、多人数モード、スケジュール機能など)あり。対応言語は日本語および英語 |
料金 | Live On ASP版:クライアントライセンス費用8万1900円/ライセンス、月額使用料3150円/ライセンス。そのほかオプション選択で価格が変動(※) |
※例:HD画質対応では価格31万5000円+2150円/ライセンス(いずれも税込み) |
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