診療所向け電子カルテ製品紹介:エヌ・ティ・ティ エムイー
データを自動バックアップするSaaS型電子カルテ「Future Clinic 21 ワープ」
今後、導入が進むと予想されるSaaS型電子カルテ。NTT-MEの「Future Clinic 21 ワープ」は、ネットワーク経由での利用形態を生かした機能を提供する電子カルテサービスだ。
SaaS型電子カルテ「Future Clinic 21 ワープ」
Future Clinic 21 ワープは、専用ブラウザをインストールしたクライアントPCからNTTグループのインターネット接続サービス「フレッツ光」経由でエヌ・ティ・ティ エムイー(以下、NTT-ME)のデータセンターと接続し、アプリケーションやマスターデータを利用するSaaS(Software as a Service)型の無床診療所向け電子カルテサービスだ。
NTT-MEのネットワークソリューション事業部 ネットワーク営業部門 営業企画担当 課長、伊藤敏彦氏は「ネットワーク特化型である点が製品のコンセプト」と語り、以下の4点を同サービスの特徴に挙げる。
- ペン入力を基本とする簡単な操作性
- 診療経過を一覧表示する「タイムライン」機能
- データセンターでのデータの自動バックアップ
- マスター更新などのメンテナンス作業の軽減
ペン入力を基本とする電子カルテ機能
Future Clinic 21 ワープの画面構成について、伊藤氏は「“こんな電子カルテであったら使いやすい”という現場の医師の声が反映されている」と説明する。また、「電子カルテの導入目的は、いかに早く診断を行うかにある。ペンやキーボードを併用すると時間がかかってしまうため、テキストや数字の入力や画像貼り付けなど操作をペンのみで行いたいという要望があった」という。
Future Clinic 21 ワープは、専用ペンによる入力を基本としており、紙カルテに近い操作感によって高齢の医師やITリテラシーがあまり高くない医師でも利用できるように工夫しているという(キーボードによる入力も可能)。
例えば、「パレット入力機能」では検査や処置、処方、診断名など定形化された業務をパレットとして登録し、ボタンをタッチすることで入力が完了する。パレットはボタンの並びや登録内容をカスタマイズでき、さらにグループ化することで入力を簡素にできる。また、利用頻度の高いシェーマや患者説明用のパンフレットなどを「スタンプ」として登録できる「スタンプツール」、各種検査画像をカルテに貼り付ける「画像取り込み機能」、体重や年齢に応じた薬剤の用法・用量を自動計算して表示する「用法用量自動表示機能」などを備えている。
カルテサービスの主要機能
- 患者基本情報参照
- リスト作成/編集機能
- 患者登録機能
- 検査結果ファイル取り込み機能
- プログレスノート機能
- 帳票印刷機能
- 過去カルテ参照編集機能
- サマリー作成機能
- 家族検索機能
- マスターメンテナンス機能
- 処方せんの一般名処方対応機能
診療記録を時系列で一覧表示する「タイムライン機能」
Future Clinic 21 ワープは、全ての診療行為の内容を時系列で一覧表示する「タイムライン機能」を備えている。「年単位」「月単位」「日単位」などの時間軸で病名やプロブレム、診療行為などを表示する。「患者の臨床経過や薬効などを長期的な視点で俯瞰でき、学会での症例研究・発表などにも活用できる」(伊藤氏)。タイムラインでは参照したい項目を選択することで、より詳細な情報を表示できる。また、タイムラインの内容にコメントを付けたり、カルテへの複写やパレット登録なども可能だ。
タイムライン機能は、NTT東日本が2012年7月に発表した「光タイムライン」診療情報連携システムにも採用されている(関連記事:長期にわたる患者の経過を一覧可能な「光タイムライン」診療情報連携システム)。
データセンターでのバックアップ機能を標準搭載
Future Clinic 21 ワープでは、レセコン機能は日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携し、患者の基本情報や電子カルテの入力内容を相互連携することで事務処理を効率化できる。また、診療予約システムや医用画像管理システム(PACS)などの外部システムとデータ共有が可能だ。さらに外注検査会社の検査結果を取り込み、電子カルテに自動で記録し基準値を基に正常/異常値などを表示できる。
院内に設置するストレージに保存されたデータは、NTT-MEのデータセンターに自動的にバックアップされる。自然災害や機器の故障などでデータが消失した場合でも、バックアップデータで運用を継続できる。伊藤氏は「データセンター側での自動バックアップを標準で提供している点も差別化ポイント」と語る。さらに、万一ネットワーク障害や機器の故障などでデータセンターと通信できない場合、電子カルテをオフラインで起動して編集できる「オフライン編集機能」を備えている。
Future Clinic 21 ワープの利用に当たっては、電子カルテ機能やポータル機能を備えたソフトウェア、サービス利用を可能にするIPsecルータや専用IPアドレスなどがNTT-MEから提供される。利用クリニックは、L2スイッチやデータ保存用ストレージなどの機器を用意する必要がある。その際、NTT-MEが院内に設置する機器をレンタルで提供する「マネージドタイプ」と、クリニックまたはNTT-MEの提携代理店が用意する「ソリューションタイプ」の2種類の導入方法が選べる。伊藤氏によると「電子カルテ以外のシステムを導入しているクリニックはソリューションタイプを選択することが多い。導入期間は、サービスの申し込みから機器の設置やマスター設定、講習などを含めて2、3カ月程度」という。
Future Clinic 21 ワープのポータル画面では、利用者のログイン認証やNTT-MEからの通知、サービスへの問い合わせ機能、各種マニュアルのダウンロードなどが可能。また、電子カルテ起動時に電子カルテソフトウェアや薬剤、検査などの各種マスターデータの内容を自動更新するため、クリニック側でのソフトウェアやマスターデータの更新作業は不要。加えて、ルータの遠隔監視や障害切り分け、障害対応などの保守サポートを提供している。
伊藤氏は「在宅診療などの院外での利用ニーズもある。将来的には、セキュリティを十分に考慮しながらモバイル端末への対応も視野に入れている」と説明する。
| サービスタイプ | 概要 | 提供内容 | 月額利用料(1契約ごとの税込) |
|---|---|---|---|
| マネージドタイプ | NTT-MEがデータセンターのサービスだけでなく、院内に設置するハードウェアをレンタルで提供する | ・ソフトウェア(電子カルテ機能・ポータル機能) ・IPアドレス、IPsecルータ ・基本セット L2スイッチ、ストレージ(電子カルテデータ保存用装置)、クライアントPC(ペンタブレット型PC ※ デスクトップPC、ノートPCなどもオプションで提供) ・バックアップデータ保存(50Gバイト) |
5万4600円 |
| ソリューションタイプ | NTT-MEがデータセンターのサービスまでを提供し、院内に設置する機器はクリニック自らまたは提携代理店が用意する | ・ソフトウェア(電子カルテ機能・ポータル機能) ・IPアドレス、IPsecルータ ・バックアップデータ保存(50Gバイト) |
3万3600円 |
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