2013年シーズン開幕
先進性でiOSを上回るAndroid、しかし企業採用は?
AppleのiOSは新世代の“BlackBerry”だが、Androidもようやくビジネス顧客の取り込みに動き出した。
韓国SamsungのGalaxy S IVやGalaxy Note IIなどのスマートフォンを眺めていると、Androidが提供するさまざまなエンタープライズ機能に驚かされる。ところが残念なことに、IT部門の意思決定者たちには、そのような気楽な見方はできない。なぜなら、それらのデバイスはAndroidエコシステムの一部分にすぎないからだ。IT部門は、AndroidとiOSを比較するに当たり、Androidの全体的な機能、セキュリティの先進性が、エンタープライズ環境においてiOSと十分競合するものかどうかを見極めなければならない。
米Googleは2012年、Androidに2つのメジャーなアップデートを発表した。Ice Cream Sandwich(Android 4.0)とJelly Bean(Android 4.1、4.2)だ。どちらもタブレットとスマートフォン向けのルック&フィールを近づけることに成功した。また。2012年12月にはAndroid初のエンタープライズアプリストアがスタート。その他、Jelly Beanに追加された歓迎すべき機能には、次のようなものがある。
- マルチユーザーサポート:
1つのデバイス上に複数の従業員が独自にカスタマイズ可能なスペースを持つことが可能になる。
- ベリフィケーション:
Always-on VPNで拡張セキュリティ機能を提供する新しい検証サービス。
- デバイス暗号化:
さらに信頼性が向上し、OSはユーザーに対して定期的にデバイスの暗号解除を求めるようになった。解除が行われるまで、SMSメッセージの受信や呼び出しは拒否される。
- マルウェア対策の強化:
キーデータ構造の特定が困難になるアドレススペースレイアウトのランダム化や、特定の領域からコードの実行をできなくするデータ実行防止などの機能が追加された。Androidのセキュリティは、まだ改善すべき点は多いものの、着実に正しい方向へ進んでいる。
AndroidはオープンソースのOSであるため、デバイスメーカーは機能の変更や追加を自由に行うことができ、実際そうしている。Samsungは2012年、人気機種のGalaxy S IIIやGalaxy Note IIの投入によって、世界最大のスマートフォンメーカーとなった。米IDCによると、出荷台数は第4四半期だけで6370万台に達したという。同社は、「Samsung Approved for Enterprise」(SAFE)プログラムを通して、Microsoft Exchange ActiveSyncのサポート強化やAES 256ビットデバイス暗号化など、独自のエンタープライズセキュリティ機能を追加している。
Android対iOSの構図と細分化
しかし、OSのネイティブな機能強化やSAFEなどによる機能追加は、Androidがエンタープライズ市場からiOSを放逐する準備ができたことを意味するだろうか? その答えは「恐らく」である。Androidの広範な機能性、革新性には強い印象を受ける。ところが、消費者にとってAndroidの素晴らしい部分が、実は企業にとってAndroidを扱いにくいものにしているのだ。消費者にはカスタマイズ可能なデバイスの選択肢が数多くある。一方で、従業員に自前のデバイスの持ち込みを許している企業は、さまざまなメーカーが製造する文字通り数百種類のスマートフォンに搭載された、4~6種類の異なるOSバージョンをサポートしなければならないという困難に直面している。こうした細分化は、アプリの開発、サポート、エンタープライズ内におけるAndroidデバイスのセキュリティ管理をより一層難しくしている。
それに対し、iOSのアプリは、4つの異なるOSバージョンにまたがり、一貫性が保たれて機能している。Appleは全てのiOSデバイスを自社で開発しており、AndroidよりもWindowsとの統合化が進んでいるように見える。また、アクセスガイド機能などは、IT部門がアプリの特定の機能を制限できるといったメリットもある。さらに、VPNが特定のAndroidバージョンまたはデバイスでしか機能しない場合でも、証明書ベースのVPN認証は事実上、全てのApple製品で機能する。
Appleはこの戦いに勝ちつつあるが、Androidはエンタープライズ市場の幾つかの局地戦で優位に立ちつつある。小さな新興企業がAndroidを選ぶのは、大規模なWindowsインフラを持たず、Google AppsなどのGoogle製品に気安く適応できるからだ。
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