「第33回日本医療情報学連合大会」リポート(1)
医療情報学連合大会に見る、医療のIT化最前線
2013年11月に開催された「第33回医療情報学連合大会」。遠隔医療や地域連携、ペーパレス化など会場内ブースで展示されていたIT製品・サービスを紹介する。
2013年11月20日から23日までの4日間、医療情報の研究者や実務担当者の学術交流イベント「第33回日本医療情報学連合大会(第14回日本医療情報学会学術大会)」が神戸ファッションマートで開催された。同大会は「これから始まるInnovation~未来への挑戦~」をメインテーマとして、医療分野のIT化に関する新しい取り組みを議論する講演やワークショップなどが実施された。会場内に設けられたベンダー展示ブースの一部を紹介する。
シスコシステムズ:遠隔医療向け統合プラットフォーム「Cisco HealthPresence 2.5」
シスコシステムズとネットマークスは、遠隔医療向け統合プラットフォームの最新版「Cisco HealthPresence 2.5」(以下、CHP 2.5)を展示。CHP 2.5は、地域医療連携の基盤となるEHR(生涯健康医療電子記録)システム、電子カルテやPACS(医用画像管理システム)などのバックエンドシステムと連携し、同社のビデオ会議システムやユニファイドコミュニケーション製品などを介して、医師や患者、専門医の間などでの対面式コラボレーションを実現する。へき地や遠隔地にいても専門医による高度な診断や健康相談などを可能にする。
旧バージョンまではハードウェアとソフトウェアを同梱していたが、CHP 2.5はソフトウェアのみで提供される。導入施設は自院で選定したハードウェアを使用して遠隔医療ネットワークを構築できる。CHP 2.5では、特に医療機器との連携機能が強化された。展示ブースでは、米3Mの聴診器「3M Littmann Stethoscope」を用いた遠隔地での聴診結果をリアルタイムに表示、確認するデモを実施していた。
電算:健康・医療情報連携基盤「HARMONYsuite」
電算は、健康・医療情報連携ネットワークを構築する「HARMONYsuite」を展示。HARMONYsuiteでは登録者30万人までの健康・医療情報の連携を想定しており、以下の4つのシステムと、PCやスマートフォンから情報参照が可能な「患者ビュワー(平常時/災害時)」で構成される。
- 認証基盤サブシステム:HKPI(日医認証基盤)カードによる医師の個人認証を行う
- ID管理システム:施設や利用者、患者などの情報を一元管理するマスター管理システム
- SS-MIX標準化ストレージ:SS-MIX(厚生労働省電子的診療情報交換推進事業)標準化ストレージによるデータ保管を行う。医療機関間の情報共有を可能にする
- 外部システム連携:サードパーティー製の外部アプリケーションとの連携基盤
病院の電子カルテやレセプトコンピュータ(レセコン)システムとは、専用サーバ「HARMONYvox」を介して接続する。また、三菱電機情報ネットワークが提供する医療用インターネットVPNサービス「セキュアネットワークサービス」で各施設間をセキュアに連携する。
電算によると、HARMONYsuiteの活用例は「緊急災害時の医療情報の確認」「伝染病や感染病などの情報管理「地域生活者・患者の医療データのバックアップ」などを想定しているという。HARMONYsuiteと外部アプリケーションの連携例としては、市立室蘭総合病院の救急連携システム「Medical Wing」、周産期支援システム「MoonBaby」などがある。
Medical Wingでは、患者の同意を得た上で診察券として利用できるICカードを発行。患者の救急搬送が必要な場合、救急隊員が救急搬送中に専用アプリをインストールしたスマートデバイスで患者のICカードの情報を読み取る。処方歴、検査結果、画像情報などの情報が参照でき、救急隊員が事前処置や搬送に役立てたり、搬送先の病院でも搬送前に必要な情報を把握することで的確で迅速な処置につなげられるという。
東芝情報機器:ペーパレス化を推進できる「e文書管理システム」
東芝情報機器は、電子カルテ連携システム「e文書管理システム」を参考出展。各種文書の作成時に、電子カルテ内の患者の基本情報や処方、入退院の情報などを引用できる。各種テンプレート文書について、職種や部門単位でグループ化できるなど文書管理が可能だ。
また、QRコード付きの問診票や同意書などを利用できる。患者の署名文書や外部からの持ち込み文書などの紙媒体をスキャナで取り込む際、患者のカルテ情報とひも付けて自動記録できる。現時点では、東芝メディカルの電子カルテシステムと連携する(関連記事:効率的な紙カルテのデジタル化がペーパレスを成功に導く)。
さらに、電子署名とタイムスタンプにより電子文書の真正性を確保。Webポータルからの文書検索や閲覧が可能で、その操作ログ監視もできる。東芝情報機器は、試験導入している医療施設では1日1000枚の文書の作業を自動化できたという例もあり、紙文書の削減や取り込み作業の負荷軽減に役立つと説明する。
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