エンタープライズディスクストレージ製品紹介: Nimble Storage
独自技術でSSD搭載コストを抑えたハイブリッド型ストレージ「Nimble Storage」
Nimble StorageはSSDとHDDを最適化するように設計したハイブリッド型ストレージ。独自技術によってSSD採用のネックとなる要素を排除しているという。
米サンノゼに本社を置くNimble Storageは、大手ストレージベンダー出身の技術者と米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が2008年1月に設立。フラッシュメモリとHDDを組み合わせたハイブリッド型ストレージ「Nimble Storage」の提供を2010年8月に開始した。世界2100社のユーザー企業に4000台以上の導入実績を持つ(2013年12月現在)。日本国内では、アセンテックが2013年10月に販売代理店契約を締結し、同年12月下旬に提供を開始した。
Nimble Storageは、ディスク容量8Tバイト~36Tバイトの全7モデルで構成される。全て3Uサイズに統一されているのが特徴で、筐体にコントローラーとSSD、HDDを全て内蔵し、単独で利用できる(画像1)。4コア/1CPUを搭載する「CS200シリーズ」と、6コア/2CPU(12コア)の「CS400シリーズ」に大別される。SSDとHDDの比率、必要なIOPS(1秒当たりに処理可能なI/Oアクセスの数)によってシリーズを選択できる。
VDIやデータベース用途に対応するハイブリッド型ストレージ
Nimble Storage 日本地区営業本部長 西岡 正氏は「Nimble StorageはフラッシュメモリとHDDのそれぞれの利点を引き出し、両者の欠点を補うような設計を行っている。それにより、性能の高速化と容量コストの低減を実現した。さらに冗長性、管理の容易性、低価格などトレードオフになりそうな要素を犠牲にしていない」と説明する。
多くのベンダーが、SSDとHDDを組み合わせるハイブリッド型ストレージを市場に投入している。西岡氏は「そのほとんどがSSDをライトキャッシュとして利用し、既存のHDDと組み合わせて配置する階層型アーキテクチャを採用している」と説明する。
階層型アーキテクチャのストレージでは、頻繁にアクセスするデータをSSDへ、アクセス頻度の少ないデータをHDDに配置するティアリング(階層化)をすることで性能と価格のバランスを取る。しかし、SSDで一度書き込みデータをキャッシュするため、SSDに冗長性を持たせる必要がある。その結果、RAIDペナルティが発生し、高価なSSDを多く搭載する必要が生じる。また、SSDに書き込んだデータをディスクに移動させる無駄が発生し、処理性能の低下やコスト上昇の要因となってしまう。
データアクセスの高速化を実現する独自技術「CASL」
Nimble Storage シニアセールスエンジニア 川端 真氏は、「そうした課題を解決するため、Nimble Storageでは同社独自のソフトウェア特許技術「CASL」(Cache Accelerated Sequential Layout)を搭載している」と説明する。
CASLではインラインで圧縮しながらデータをメモリにキャッシュし、ある一定サイズになった段階でデータをシーケンシャル(連続的)にHDDに書き込む方式を取る(図1)。これにより、データ量を最大75%まで削減できるという。また、Nimble Storageでは頻繁にアクセスするデータは、そのコピーとメタデータを抽出してSSDにリアルタイムにキャッシングする。「そうすることで、データアクセス速度が一般のディスクストレージよりも最大で100倍高速になり、ディスクスペースも2~4倍効率的に利用できる。さらにSSDへの書き込み回数を減らすことで、その寿命を高めている」
実際、「Microsoft Exchange」での利用を対象としたサードパーティー製ストレージをテストする「Microsoft ESRP(Exchange 2010 solution reviewed program) 3.0」ベンチマークの結果では、他の階層型ストレージと比較して最大50倍の読み込み処理の高速化が図れるという。
Nimble Storageは、主にVDI(仮想デスクトップ環境)やデータベース、ExchangeやSharePointなどのアプリケーション、そしてバックアップ/DR(災害復旧)用途などをターゲットとする。Nimble Storageのデータ保護機能について、西岡氏は「圧縮によってデータ容量が削減されるので、差分コピーの単位が小さくなり、頻繁にスナップショットを取ることができる。また、長期間の保存が可能な上、迅速なバックアップとリストアも実施できる」と説明する。
具体的には、Nimble Storageでは「ポイント・イン・タイム・リカバリ機能」によって必要に応じてデータのスナップショットを保存。また、圧縮データの差分だけリモートサイトに蓄積することで、DRにおけるWAN帯域の占有を抑えられるという。
さらに川端氏は「一般の階層型ストレージでは冗長化するためにSSDもRAIDを組むことが多いが、Nimble StorageはSSDをリードキャッシュとして活用しているだけなのでRAIDを構成しておらず、その分のコストを削減できる。データ更新時に余分なアクセスが発生する『書き込みペナルティ』もなく、容量を効率良く使えるのも特徴」と説明する。
加えて、Nimble Storageは米VMwareや米Citrix Systems、米Microsoft、米Oracle、米CommVault Systemsなど主要なITベンダーとアライアンスを組むことで、各社の製品との組み合わせを事前検証して提供する「リファレンスアーキテクチャ」にも力を入れているという。
将来的の状態を予測してプロアクティブに対応するクラウドサービスInfoSight
一方、運用面においては、Nimble Storageの稼働状況や利用状況をモニタリングしてプロアクティブに解析するクラウド型サービス「Nimble Storage InfoSight」(以下、InfoSight)が利用できる点にも注目したい。
Nimble Storage本社で稼働するInfoSightは、VPN経由で顧客のストレージ状況を5分ごとに監視。何か異常が発生した場合はアラートを発信するとともに、各国のコンタクトポイント(日本の場合はパートナー企業)にも自動的に指示を飛ばし、迅速な障害対応を支援する(画像1)。
容量不足や寿命など将来的なストレージの状態を予測して、事前にメール通知するなどのプロアクティブな対応も可能にしている。「InfoSightが常時ストレージの状況を予測しているので、長期間監視していないと分かりにくいメモリリークなども判別してアラームを送ることもできる。Nimble Storageでは、トラブル全体の75%をInfoSightで解決している」と西岡氏は言う。
また、InfoSightではデータブロックの圧縮率やディスクの使用率などから、ディスク容量の拡張時期などを可視化できるようになっているという。「通常、何か問題が発生した場合、まず原因を特定して次に修復方法を検討しなければならない。Nimble Storageであれば、InfoSightでそれらの情報を提供できる。保守性や運用効率の向上とともに、システム管理者の運用負荷も軽減できるはずだ」(西岡氏)
スケールアウト対応ソフトウェアも提供予定
ストレージ容量が不足した場合は、SSD/HDDをホットスワップ状態で交換できる。コントローラーも同様にCS200シリーズ用からCS400シリーズ用へとアップグレード可能だ。また、SSDとHDDのみが搭載された拡張用シェルフ「ESシリーズ」を活用することもできる。ESシリーズはHDD単体の容量とフラッシュの容量によって3種類あり、CS200/CS400に最大3台まで増設できる(エントリーモデルの「CS210」は1台まで)。
Nimble Storageの提供価格は、エントリーモデルの「CS210」で390万円から(税別)。InfoSightのサービスやスナップショット、レプリケーションなどのソフトウェアも、本体価格に含まれるため、追加のライセンス費用は不要だ。
2014年初頭には、より大容量なストレージプールの構成を可能にするソフトウェアを提供する予定だ。また、Nimble Storageは現在iSCSI対応のみだが、2014年末までにはFC(ファイバーチャネル)対応モデルもリリースする計画だという。
| モデル名 | CS210 | CS220/G | CS240/G | CS260/G | CS420/G(拡張オプション) | CS440/G | CS460/G |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 物理容量(バイト単位) | 8T | 12T | 24T | 36T | 12T | 24T | 36T |
| 筺体拡張 | 1 | 3筺体まで追加可能 | |||||
| 実効容量(バイト単位) | 4T~9T | 8T~16T | 17T~33T | 25T~50T | 8T~16T | 17T~33T | 25T~50T |
| フラッシュキャッシュメモリ容量(基本/最大) | 160Gバイト | 320G/1200G | 640G/2400G | 1200G/2400G | 640G/1200G | 640G/2400G | 1200G/2400G |
| ネットワークポート | 1GbE x 4 | 1GbE x 4、10GbE x 2 + 1GbE x 2 | |||||
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