Computer Weekly製品導入ガイド
ビジネスプロセス自動化がもたらす新しい世界
ビジネスプロセス自動化は、可能な限りの場面で人の存在を排除することにより、市場における変化のペースに対応する。
テクノロジーの分野では古い3文字略語(TLA:three-letter acronyms)が新しい3文字略語へと変化する。それがNGT(next-generation TLA)だ。ビジネスプロセスにも同じことがいえる。1990年代にはビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)やビジネスプロセス最適化(1.0世代BPO)が盛んに論じられた。これは、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアやビジネスプロセスアウトソーシング(1.5世代BPO)を通じてプロセスを請け負い、顧客のために運用してくれる外部の企業を必要とする。
時がたつのは早い。われわれは今、ビジネスプロセスのための次の技術の波に備えている。それが「ビジネスプロセスオートメーション(BPA)」だ。BPMの当初の目標は、できる限りのものを自動化することだった。だが人はこれに恐怖を感じ、多くのBPMはいまだに人間が不必要に介在する。それでも旧式の手作業プロセスはBPMによる高速化が可能で、従って今でもこれを使って競合相手に先んじることはできる。しかし今のようなペースで変化する市場においては、可能な限りの場面で人の存在をプロセスから排除して、コンピュータに担わせる量を増やす必要がある。
さまざまなアプローチ
サプライヤーはこれに対応して、採るべきアプローチの変更を迫られている。大手サプライヤーのTibcoは、買収こそが進むべき道だと判断した。まずTibcoの既存のアプリケーションインテグレーション機能を補うためのBPM機能の基盤として、2004年にStaffwareを買収。続いてビジネス分析サプライヤーのSpotfireを2007年に買収した。同社はさらに2009年のDataSynapse、2011年のNimbus、2012年のLogLogic、2013年のStreamBase Systemsなどの小規模な買収を続けた。今度はオープンソース分析サプライヤーのJaspersoftを買収して、管理下にある全プロセスで何が起きているかを横断的に監視する機能の強化を目指している。
IBMは文書キャプチャー、管理、ワークフローを目的とした2006年のFileNetの買収に始まり、2009年にはBPM/BPOのフル機能を獲得するためにLombardi(そして小規模なビジネスプロセス関連サプライヤー)を買収した。今はSoftLayerの買収を活用し、OpenStackをクラウドプラットフォームとして使った完全なクラウドベースのBPM/BPO製品へと移行しつつある。
Pegasystemsは以前からプロセス自動化に力を入れており、この分野の大手であり続けている。柔軟性の高いラーニングインテリジェントルールエンジンをベースとする同社のエンジンは、Vodafone、HSBC、Ciscoといった大手に採用されている。
別のサプライヤーのAppianは、Amazon.com、Benenden Healthcare、Bupaなどを顧客に持ち、プロセスフローにおけるソーシャル機能の使い方で定評がある。
OracleやSAPなどはエンタープライズシステムにビジネスプロセス管理を組み込んでいる。機能横断的なビジネスプロセスの自動化や管理、リポートを可能にするインテグレーションサービスや外部プロセス管理サービスは、他社(上記のサプライヤーも含む)が提供する。
プリントサプライヤーは、書類がビジネスプロセスのごく一部を占める存在にすぎなくなったとの認識から、BPM市場に進出しつつある。Xeroxは書類のキャプチャーも含む成熟したワークフロー自動化スイートに力を入れる一方で、同社のエンタープライズコンテンツ管理機能を利用して、必ずしも書類がプロセスに含まれない分野にも取り組んでいる。Lexmarkはこのプロセスをまねるため、Perceptive Softwareの買収を通じて新たな部門を創設。Pitney Bowes Management Servicesを別会社(Novitex)としてスピンオフし、IDLM(Integrated Document Lifecycle Management)システムの提供に乗り出した。キャプチャー機能とワークフロー機能で定評のあるKofaxは、プロセス管理機能を基盤として、Singularity(2011年)とKapow(2013年)を買収している。
BPAの浸透
だが世界は変化し続ける。クラウドコンピューティングは、プロセス自動化の仕組みがユーザーの目には見えないプラットフォームを作り出した。モノのインターネットやビッグデータ分析は新たな機能(そして問題)をもたらしている。
プロセス自動化がコモディティ化すれば、BPAは少数のプロセスにかかわる少人数のグループだけでなく、組織のコントロール下にあるシステム全体にいきわたり、顧客とサプライヤーのバリューチェーンに沿って広がる。
そこに、小規模のプレーヤーが市場に参入する新たなチャンスがひらける。この新しい世界では、CRMやERPといったエンタープライズアプリケーションだけでなく、セキュリティシステム、インテリジェントビルシステム、外部のデータソースといった幅広いデータタイプのモニターが必要になる。
例えば私物端末の業務利用(BYOD)を監視できるシステムでは、中間者攻撃をうかがわせる利用パターンを検出できるかもしれない。このイベントへの反応として作動させるプロセスでは、端末とエンタープライズシステムの接続を切断するだけでなく、実在のユーザーにメールを送って切断し理由とユーザーがすべきこと(新しい端末が必要になるかもしれない)を説明し、よりセキュアな手段で再接続したときのためにクリーンな環境を新設することも可能だ。
顧客対応
外部の情報については、ソーシャルメディアをモニターすれば会社として即座に対応が必要な否定的な感情を検出できる可能性もある。否定的なコメントを投稿している個々のユーザーに自動的に接触し、例えば特典などの懐柔策を通じて会社との直接的なやりとりを促すことで、満足感を高められるかもしれない。
こうした機能はビジネス分析の分野の企業が提供している。QlikTech、Pentaho、Logi、MicroStrategyといった各社の製品には、複数のデータソースからさまざまな種類のデータを集めてパターンを洗い出し、その分析に基づいて動作やプロセスを作動させる機能がある。BYOD管理を例に取ると、VMwareの「AirWatch」は個々の端末のモニターに必要な一種のデバイスインテグレーション機能を提供する。ソーシャルメディアの例では、DataSiftは感情レベルのモニターと報告が可能で、ビッグデータビジネス分析システムに直接的なフィードを供給できる。
HoneywellやGEといった企業は生産ラインやインテリジェントビルのデータをもたらすことができ、G4SやOmigaはセキュリティデータの構築において同じことができる。ビル用エネルギー(または情報)管理システム(BEMS/BIMS)のサプライヤー(Trend Controls、Ener-Gなど)や、データセンターインフラ管理サプライヤー(Nlyte、Emersonなど)はデータを供給するだけでなく、ある程度のターゲット型BPM機能も提供できる。ただしインテグレーションやビッグデータ分析を利用すれば、はるかに多くの情報を収集し、組織のプロセス全体で必要とするBPA機能の最適化に利用できる。
全体の目標
全体としての目標は最大限の自動化にある。できるだけ多くのシステムを統合し、先端のビッグデータフィルタリングと分析を利用すれば、パターンを検出してプロセスフローを作動させることができる。人間が介入するのは真の例外が検出された場合のみとし、全ての例外はログを記録してパターンを洗い出さなければならない。そうすれば、そうした例外を避けるためにプロセスを変更したり、その例外そのものを新ルールとして表示して自動化することも可能だ。
エンジンはできる限りマルチファンクションのものを選ぶ必要がある。例えばターゲット型プロセス管理ソフトウェアは、銀行顧客口座の取引や小売り取引の自動化のみを目的としており、十分とはいえない。サプライヤーから顧客までビジネスのあらゆる分野を横断し、社内と社外のデータソースを網羅できるシステムを選定することが鍵となる。共通のエンジンを持つことによってのみ、BPAは最大限に活用できる。ビッグデータについては、個々の機能が孤立したままでは全体像が見えず、判断の誤りにつながりかねない。
判断を誤れば、そもそも犯すべきではなかった過ちを正すために、また人間を介在させる必要が生じる。
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