小型タブレットは消え行く運命か
ファブレット躍進、「iPhone 6 Plus」があれば「iPad mini」はもういらない?
5インチ以上の画面を搭載した大型スマートフォン、いわゆるファブレットへの関心が高まっている。こうした消費者の需要の変化は、タブレット市場にどのような影響を及ぼすのだろうか。
5インチ以上の画面を搭載した大型スマートフォン(ファブレット)への関心が高まっている。この状況は小型タブレットの販売台数の落ち込みにつながるのだろうか。
ただし、大型タブレットの市場に影響を及ぼすことはないようだ。
ここ数年でスマートフォンの画面サイズは急激に大きくなっている。2007年にはスマートフォンの画面の平均サイズは2.6インチだったが、現在は4.9インチになっている。この傾向の一因として考えられるのは、音声通話の時間が着実に減少していることだ。2011年には1カ月に携帯電話で通話する平均時間は720分だった。だが、2013年には673分に減少している。スマートフォンは携帯電話としてではなく、持ち運び可能なコンピュータとして使用されるようになっている。そのため、大きな画面の需要が高まっているのだ。
市場調査会社の英Canalysによると、小型タブレットの代替として十分な大きさのスマートフォンが世界のスマートフォン市場の40%を占めているという。これは2014年第1四半期の統計データだ。
小型タブレットの販売ターゲットは、スマートフォンよりも画面が大きく、ノートPCよりも持ち運びやすい、ちょっとした作業を行うためのコンピュータを必要としているユーザーだ。だが、5インチ以上の画面が搭載されたスマートフォンを購入するユーザーは増えている。このようなユーザーが、さほどスマートフォンと大きさの変わらないデバイスを購入する必要性を感じることはないだろう。
例えば、米Appleの「iPhone 6 Plus」には5.5インチの画面が搭載されている。また、iPhone 6 Plusと「iPad mini」の機能は重複している。そのため、7.9インチの画面を搭載しているiPad miniの需要が低下することは必至だ。確認するのがメールとSNSくらいなら、両方のデバイスを購入しても意味がないだろう。
需要の消滅ではなく、需要の変化
大型スマートフォンへの関心が高まっているからといって、小型タブレットの需要が完全に消滅するわけではない。多くのユーザーは、大型スマートフォンを持ち歩くことを望んでいない。自宅やオフィスでは、スマートフォンより大きなタブレットを使用する必要性を感じている。
小型タブレットの需要は家庭にもある。多くの保護者はデータ通信プランが付いていない小型の安価なタブレットを子ども用に購入する。また、価格の面からもスマートフォンではなくタブレットを購入することを希望している。タブレットの価格は200ドル台前半だが、スマートフォンには500ドル以上するものもある。
多くの市場関係者は、大型スマートフォンの販売台数増加が「iPad Air」のようなフルサイズモデルの需要に影響するとは考えていない。小型タブレットにどのようなことが起こっていてもフルサイズモデルのタブレットには関係ない。米IDCは顧客が次回のデバイス購入時に今より大きなサイズのタブレットを購入すると予想している。一方、米Motley Foolは、iPhone 6 Plusのリリースが低価格なiPad miniモデルからフルサイズのiPadへの移行を促すという見解を示している。
5~6インチの画面でも9~13インチの画面と同じように実行できるタスクはある。一方で、より多くの画面領域が必要な操作もある。例えば、ピザを注文したり、ある女優が出演した映画作品目録を調べる場合は、5.7インチの「GALAXY Note 4」(韓国Samsung Electronics)と10.1インチの「GALAXY Tab 4」(同)のどちらを使用しても操作性に違いはないだろう。だが、映画を見たり、リポートを書いたりする場合は、フルサイズのタブレットの操作性の方が断然良いだろう。
ユーザーによるスマートフォンとタブレットの線引きは曖昧だ。線引き自体がなされていない可能性もある。当然のことながら、画面のサイズはデバイスによって異なる。だが、どちらの種類のデバイスも物理キーボードがないスレート型の小型コンピュータであることに変わりはない。数少ない違いの1つは通話機能の有無だ。スマートフォンでは通話可能だが、タブレットでは通話できない。ただし、Appleの「FaceTime」や米Googleの「ハングアウト」を使えば、それは取るに足らない違いでしかないだろう。
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